稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾、『ななにー』で覆したバラエティの概念とは? リニューアルを前に5年の歩みと革命を振り返る

長時間生放送だからできた企画、そして余白から生まれた“つなぎ”も

 毎月7.2時間の生放送というスタイルも、なかなか類を見ないものだった。何が起こるかわからないドキドキ感と、7.2時間という長い時間が確保されているからこそ贅沢な使い方も。まるで草彅、香取が育った『笑っていいとも!』(フジテレビ系)を彷彿とさせるチャレンジ企画も大いに盛り上がり、稲垣がゴルフのロングパットを決めてみせるなど、時々起こる奇跡を目撃することができた。

 また、ゲストとたっぷり時間を取ったホンネトークでは、「もし事前収録だったらカットされていたのでは?」と思うようなことも度々あった。ゲストの切り込んだ質問にどう答えようかと困っているような表情には、作られた言葉を並べるよりもずっと3人の現状を知ることができた気がする。

 一方で、生放送だからこそ、移動や着替えなどで3人がカメラに映ることのできない時間が生まれてしまうことも。そこで頼もしかったのが、“『ななにー』ファミリー”と呼ばれるほどチームとして絆を確立したレギュラーメンバーの存在だ。香取とは四半世紀以上の付き合いになるキャイ〜ン、そして当初は新しい世代の人気者としてゲスト出演したEXITにみちょぱだ。

 彼らが“つなぎ”と称してトークするシーンも、ここでしか聞けない特別感があって好評だった。さらに、最近では「ななにー控え室」として3人と『ななにー』ファミリーのメンバーが、マンツーマンで話すコーナーも。普段はなかなか絡まない2ショットトークが聞け、稲垣とEXITのりんたろー。の美容トークに花が咲いたり、草彅とウド鈴木が自由奔放に話す姿にただただ笑ったりと、意外な相性のよさに驚いた。リニューアルしても『ななにー』ファミリーは続投するという話だったが、そんなゆるめのトークも引き継がれてほしいところだ。

待ち望まれた『ななにー』ライブの観覧にも期待!

 2017年以降、地上波のバラエティに出演する機会は増えつつあるものの、歌番組に出演するチャンスはまだまだ少ない。3人が揃って歌って踊れる場所という意味でも、『ななにー』という場所は非常に貴重だ。

 ゲストとコラボレーションして歌う姿など、まさにここでしか観られないスペシャルなライブ。初回放送からゆずと野外ライブで大盛り上がりしたことも記憶に新しい。草彅が憧れてやまない斉藤和義が出演したこともあった。3人が出演したオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』公開後には、映画の世界をまるごと再現したかのような演出も楽しかった。

 セットも毎回豪華で、ライブになると3人が気合いの入ったステージ衣装に身を包むのも、他のコーナーとの切り替えを感じられて惚れ惚れする。かと思えば、時には広瀬香美がボイストレーニングを行い、そのままの流れでまるでコントのような雰囲気で歌うという変化球も。そんなバリエーション豊かなライブが観られるのも、『ななにー』でしかできないことだ。

 近年は世界的なパンデミックの影響で控えていた番組観覧も、リニューアルと同時に解禁されることが待ち望まれる。やはり、直接歓声を受けた時の3人の輝きは特別だ。生放送でなくなるのはちょっぴりさみしいけれど、収録になるからこそできることもたくさん増えていくように思う。

 まだ踏み入れていないところを歩み進めるのが得意な3人のことを考えると、ライブ演出に関しても「こんなのテレビで観たことがない!」と言わせるものにトライできるのではないだろうか。そして、そんな彼らを応援するNAKAMAがどれほど多くいるのか、この5年間で実感することもできた。『ななにー』の第2章、ぜひとも心行くまで遊び倒してほしい。

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