THE SUPER FRUITと世が世なら!!!、対照的な魅力が花開いた2度目の2マン 初のワンマンライブツアーに意気込みも
2021年、つばさレコーズの男子部門「つばさ男子プロダクション」設立と共に誕生したボーイズグループ、THE SUPER FRUITと世が世なら!!!。切磋琢磨しながら音楽シーンを駆け上がる2組が、4月15日、Spotify O-EASTにて『2ND 2MAN SHOW~僕らの23春 花開け!スパ世が成長物語~』を開催した。その模様はフジテレビTWO ドラマ・アニメでも独占生中継され、再放送は4月23日19時~22時、リハーサル密着やインタビューなどの舞台裏映像を追加した完全版は5月13日21時~23時30分に放送決定。当日も多くの視聴者に見守られる中、対照的な2組がオリジナリティ溢れるライブを展開した。
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先陣を切って飛び出したのは、“真面目型おふざけ集団”をキャッチコピーに掲げる世が世なら!!!(大谷篤行、橋爪優真、添田陵輔、中山清太郎、笠松正斗、内藤五胤)。お揃いのユニフォーム姿で登場したメンバーたちは、一斉に観客に背を向けると拳を突き上げ、春にピッタリのギターロックチューン「Mo-Mo-No-Rock」を投下。ポップな自分称賛ソング「Happy Birthday!!!」では、癒しオーラを纏った正斗を筆頭に、可愛らしい笑顔を見せる。しかし次の瞬間、初のオリジナル曲「下剋上、はじめました。」を全員で歌い始めると、ガラッと空気が変わる。不敵に笑う清太郎の言葉通り、“逆襲のお時間”がやってきたのだ。一際大きな声で煽る最年少の優真、振り切った変顔で観客にアピールする篤行、キメ台詞〈(お前はもう恋、)しちゃってるよ〉をクールに言い放つ陵輔など、あらゆる角度から観客を“世が世沼”に深く引きずり込んでいく6人。最年長の五胤が叫ぶ「同情するなら、グッズを買ってください!」に合わせて、全員で土下座をするという泥臭い演出も、彼らにしかできない表現だろう。いつだって全力、直球勝負! それが、世が世なら!!!の最大の魅力なのである。
ツーマンライブでしか見られないレアなダンスセクションでは、観客に手拍子を求めつつ、セクシーな視線を送りながら踊る場面も。特に、髪型が可愛らしいことから、五胤に“バブちゃん”と呼ばれていた優真が、高身長の陵輔の頭上を軽やかに飛ぶ姿は衝撃的だった。柔らかなピアノが舞い込む中、清太郎がしっとりと歌い始めた「いとしき世界(バラード ver.)」や、この日のために新アレンジを準備してきたという人気曲「Winter Prince(Spring ver.)」にも、ifif(世が世なら!!!のファンネーム)への想いが溢れている。その後も、曲中に障害物競走が始まった「無理無理無理(超ロック ver.)」や、その競争で1位になった陵輔に、正斗がご褒美のチューをする!? という演出から始まった「はじめてのチュウ」(カバー)。内気な恋心を描いた最新シングル曲「乙男」など、ギャップが刺さるセットリストとなっていた。そして、デビュー曲である「鼓動のFighters」で、世が世なら!!!の根底にあるハングリー精神を見せつけると、最新シングル曲「ウオー!サオー!」を披露。メンバーたちは振付をレクチャーすると、ダンス率100%のフロアを満足そうに眺めながら、最後まで駆け抜けた。
後攻のTHE SUPER FRUIT(阿部隼大、小田惟真、鈴木志音、田倉暉久、星野晴海、堀内結流、松本勇輝)は、華やかなSEに乗って、両手を振りながら登場。オープニングを飾ったのは、彼らにとって初めてのオリジナル曲「Seven Fruits」。愛嬌たっぷりの最年少・惟真(メンバーカラーのアップル担当)と頼れる兄貴分・暉久(オレンジ担当)、安定した歌声に定評のある“ギャル”勇輝(ピーチ担当)がマイクをとり、フレッシュな香りをステージに運び込んだ。リードボーカルの惟真と暉久を軸にして、オーディション形式で選ばれた3人で歌唱するのが、スパフルのボーカルスタイル。とはいえ、ボーカル選抜の裏ではライバル心を燃やしていても、ステージ上では仲間として心を預け合い、全員の歌声が聴こえてくるような一体感で楽曲を届けるのが、彼らの素敵なところ。ダンス担当のメンバーたちも、細やかな仕草ととびきりの笑顔で歌詞を体現し、観客の視線を奪っていく。勇輝から晴海(レモン担当)にマイクを繋いで元気いっぱいに届けたのは、カバー曲「学園天国」。晴海から志音(グレープ担当)にバトンタッチして始まった「素敵なMy Life」では、抜け感のある志音のハイトーンボイスがファンタジックなサウンドに重なり、まるでミュージカルを観ているかような夢心地にさせてくれた。
お決まりの自己紹介を挟んだ後は、惟真・暉久・志音がボーカルを担った「パノラマ」からダンスセクションに突入。ソロパートでは、一見可愛らしい雰囲気の結流が見せたセクシーなダンスや、穏やかな笑顔が印象的な最年長・隼大(ココナッツ担当)が見せた挑発的なダンスなど、素顔とのギャップを最大限に活かしたテクニカルなパフォーマンスが、爽やかな楽曲が続いたセットリストの中で良いスパイスを効かせていた。暉久のシャウトから始まった「馬鹿ばっか(デジタルロック ver.)」も、惟真・暉久・隼大のボーカルに合わせてフロアが激しく波打つ様が圧巻! 「Someday(JAZZ ver.)」も同じメンバーによるボーカルだが、こちらは心の内を呟くように歌唱する繊細なナンバーで、寄り添いながら歌う暉久&隼大ペアのアンニュイな表情も含めて、楽曲の世界観を忠実に映し出していた。
さらに「女の子!?男の子~!?(惟真)」「ギャルの人~!?(勇輝)」といったクセ強めのコール&レスポンスがリードしたのは、今の時期にピッタリな最新シングル曲「サクラフレフレ」。「Seven Fruits」ぶりにボーカルをとった勇輝の甘い歌声や、今年の春から大学生となった結流・晴海が全身で伝えるエールが、楽曲により深いメッセージを持たせる。惟真・暉久・結流が歌う「君はリアコ製造機」では、フルファミに色とりどりの愛の台詞を伝える演出もあり、暉久の「おい、こっち来いよ」には、会場の至るところから胸を撃ち抜かれた音が響いていた。そして、「それでは聞いてください(晴海)」と言い添え、大ヒット曲「チグハグ」でラストスパート。自分らしく生きる強さを秘めたキュートなメッセージソングで、会場を明るく照らすと、最後は隼大の柔らかなアカペラから「ボクらの夜明け(バラード ver.)」へ。ピアノ伴奏にゆったりと身体を揺らしながら、7色の歌声を重ねた7人は、まだ見ぬ明日に向かって力強く踏み出したのだった。