TOMORROW X TOGETHERが歩みを進める新たな時代 最新ワールドツアーソウル公演を振り返る
2023年3月25日のソウル・KSPOドームを皮切りにTOMORROW X TOGETHERの2度目のワールドツアー『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : SWEET MIRAGE>』が始まった。今回はオンラインでも配信された26日のレポートをお送りしたい。
現在LINEコミックで連載中のTOMORROW X TOGETHERをモチーフにしたウェブトゥーン、「星を追う少年たち」のストーリーをなぞるようなオープニングムービーから、センターステージにあったメリーゴーランドが頭上に消えるとお城のようなファンタジックなセットから、王子のような衣装に身を包んだメンバーが登場。黄昏時の狭間の時間を歌う「Blue Hour」、「ゲームのラスボスを倒さなくてはいけないの?」と逡巡するモラトリアムな気持ちを歌う「Can't We Just Leave The Monster Alive?」と物語を感じさせる世界観の2曲で公演の幕が上がった。
「今日のソウル公演からアジア、アメリカと続いていく僕たちの旅程が楽しみ」という挨拶から、メンバー達はジャケットを脱いでカジュアルな衣装へと変身。リリース時はバレーボールの衣装が印象的だった「Drama」は、バスケットボールを使ったパフォーマンスへと変更されていた。続く「No Rules」はTOMORROW X TOGETHERのバラエティ番組『TO DO』のオープニングテーマとしても使われている、ファンにはお馴染みの軽快な楽曲。犬や猫のような可愛い振り付けがファンの間でも人気が高く、その反響を受けて今回のセットリストにも入れたという「Cat & Dog」と、爽やかでフレッシュなイメージのパフォーマンスが続いた。
ドーベルマンから小型犬まで様々なバージョンの「Cat & Dog」が飛び交ったMCでは、MOA棒(ペンライト)の使い方を観客にレクチャーするコーナーも。アリーナから2階席までを5つのエリアに分け、各エリア担当のメンバーの指導通りにペンライトを振ることで、広い会場でも客席とステージのあいだでのコミュニケーションをはかっていた。
魔法のような世界観の「Run Away」のパフォーマンスから、ARを駆使したHUENINGKAIのソロダンスで歌詞に登場するような列車がステージ上に登場。青春を象徴するようなナンバー“17”のプレートがかかった列車にHUENINGKAIが乗り込むと、時計の針が逆回転。3時に止まった瞬間再び列車から降りたメンバー達は、「We Lost The Summer」「Can't You See Me?」と今度は青春の昏い側面を象徴するような切なさ、儚さを感じさせる対照的なパフォーマンスを見せた。
「各ステージにストーリーがついているのが僕達の魅力」とMCでメンバーが語っていたように、前回のコンサートツアーと同様、今回もライブの中に今までのコンセプトやウェブトゥーンで描かれてきたような一本のストーリーがあった。2本目のVTRでは冒険とヒーローであることに疲れ、休息をとることにしたメンバー達が、少しづつ甘い誘惑に手を伸ばし始める様子が描かれた。
パンクロックを思わせるようなセーターでくだけた雰囲気の衣装に着替えたメンバー達は、初恋の激しさを歌う「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. Seori」、ロックスタイルの「LO$ER=LO♡ER」、メンバーのHUENINGKAIが作詞作曲に参加し、パワフルなシャウトが印象的な「Dear Sputnik」、ファンクのリズムが軽快な「Magic」と、ハイテンションなパフォーマンスで会場のボルテージを上げていった。