WOLF HOWL HARMONYら『iCON Z』候補生グループがバイラルヒット アツく競い合うスキル&個性が発揮された楽曲に
2021年に始動したLDH史上最大規模のオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』が、今再び注目されている。
同オーディションの男性部門に関しては昨年5月、応募者総数約48,000人の中から選ばれた6人組グループ・LIL LEAGUE(リルリーグ)が今年1月にデビューを果たしたことが記憶に新しい。デビューシングル『Hunter』はオリコン週間チャートで初登場1位を獲得し、表題曲のMVは公開から約5日で100万回再生を記録。若さと実力を兼ね備えたグループとして好調なスタートを切った。
そのLIL LEAGUEを輩出した『iCONZ』では現在、前回の男性部門の最終候補生を含めた21人・3グループで競い合う“第二章”を展開中。全国を廻る「武者修行」の集客数やSNSのフォロワー数、オリジナル課題曲のストリーミング再生回数などを競うグループ審査が(あくまで番組の放送上の時間軸だが)いよいよ佳境を迎えている。そして、その候補生グループの人気が驚くほどの高まりを見せているのだ。
特にストリーミング再生回数において突出した結果を叩き出したのがWOLF HOWL HARMONY(ウルフ ハウル ハーモニー)である。グループの課題曲「LOVE RED」はSpotifyのバイラルトップ50(日本)ウィークリーチャートで、デビュー前にして異例の3週連続1位を獲得。Spotifyでの累計再生回数はすでに120万回を超えている(3月1日現在)。また、同じく候補生グループの課題曲であるTHE JET BOY BANGERZ(ザ ジェット ボーイ バンガーズ)の「RAGING BULL」、KID PHENOMENON(キッド フェノメノン)の「C'mon」もそれに追随する勢いで数字を伸ばしてきた。
これほどの人気に至ったのは、やはり前章/第二章と番組を通して見守ってきたファンの熱量が結実した結果と言えるだろう。では、そうして彼らに熱い視線を向けたくなる魅力がどのような点にあるのか。ここからは、各グループについて掘り下げていく。
敗者復活組7人で結成されたKID PHENOMENONは、歌・ダンス共に高いスキルを有した逸材が揃っている。課題曲の「C'mon」はパワフルかつグルーヴィなダンスナンバー。全体的に高い歌唱スキルが求められる歌メロは、山本光汰、遠藤翼空、夫松健介で織り成すサビが聴きどころの一つだ。サビに至るまでのラップパートも各メンバーがグルーヴを手堅く支えており、彼らのスタイリッシュで華やかなパフォーマンスとの相乗効果が高い楽曲に仕上がっている。
また、各メンバーのクリエイティビティの高さも強みの一つだ。これに関してはクリエイティブコーディネーターであるEXILE NAOTOの助力もあり「課題曲の振付を7人各々が考案しその全パターンを披露」「課題曲を使って各々で演出したダンス動画を撮影」など、発想力・演出力を養うための課題に取り組んだ。そうした努力もあり、SNSのフォロワー数、ライブの集客数において、3グループ中トップを走り続けているのがこのKID PHENOMENONである。
10人という大所帯が特徴のTHE JET BOY BANGERZ(以下、TJBB)はプロダンスリーグ『D.LEAGUE』で活躍するダンサー5人と敗者復活組の4人、またLDH所属のボーカル&コーラスグループ・DEEP SQUADで活動中の宇原雄飛が所属。プロの力で引き出されるパフォーマンス力、また同時に野性味やストリート感を感じられるのがこのグループである。課題曲の「RAGING BULL」は、EXILE「NEO UNIVERSE」にも近しくLDH節全開のアッパーなEDM。魅力を挙げるとすればボーカル陣(石川晃多、マーク エイロン、宇原)による力強いハイトーン、また主に古嶋滝と中村碧が安定したフロウを聴かせるラップパートのドライブ感、そしてやはり間奏で披露される迫力のダンスパートだろう。Dリーガーの腕の見せ所であるテクニカルかつ激しいパフォーマンスは一見の価値ありだ。
なお審査基準となる数字上でTJBBは最下位に甘んじているのだが、一方で大人数ゆえキャラクター性の浸透に時間がかかる彼らは、やや不利な立場にあることも否めない。加えてライブにおいても不運が多く、浜松の公演では交通機関のトラブルにより開演が大幅遅延するという痛恨のアクシデントも。これらの厳しい条件下で上位に喰らいついている点は、むしろ健闘と言っていいだろう。