桑田佳祐ら“5人の同級生”が紅白の舞台へ ロックンロールでこそ鳴らせる、苦難の時代を生き抜く切実なメッセージ

 大晦日に放送される『第73回NHK紅白歌合戦』に、桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎が出演し、「時代遅れのRock’n’Roll Band」を歌う。桑田は、1995年に『AAA (Act Against AIDS)』の取り組みとしてMr.Childrenとコラボしたチャリティーシングル『奇跡の地球(きせきのほし)』をリリース。さらには2002年にリリースしたソロアルバム『ROCK AND ROLL HERO』表題曲や、もちろんサザンオールスターズとしても、数々の楽曲を通してその時代ごとのメッセージを届けてきた。2022年末、「時代遅れのRock’n’Roll Band」を掲げて、どんなメッセージを日本中に発信するのか、期待が高まる。

 「時代遅れのRock’n’Roll Band」は、桑田佳祐が発起人となり、同級生の5人が集う形で制作された。彼らがテレビやステージで活躍する様子を、子供の頃から観ていた世代にとっては、スーパースターの揃い踏み。まさかこの5人がこういう形でユニットを組むとは、当時は夢にも思わなかった。しかも、それが『NHK紅白歌合戦』のステージで。

 音楽ジャンルもアーティスト性もバラバラの5人だが、共通しているのは1960年代の欧米のロックから強烈な影響を受けているということだろう。The Beatlesやボブ・ディラン、The Rolling Stones、エリック・クラプトン、The Venturesなど。当時の欧米のロックは反戦や社会に対するメッセージを掲げたものが多く、そうしたカウンターカルチャーの洗礼を受けてアーティストを志した5人だけに、音楽の中に、今に対するメッセージを落とし込むことは自然な流れだろう。

 「時代遅れのRock’n’Roll Band」は、ピアノとギターをバックに、ゆったりとしたメロディが響き、サビではThe Beach Boysのような実に爽やかなハーモニーを聴かせる。いぶし銀のギターソロ、グルーヴあふれるリズム隊。楽曲を盛り上げるタンバリンの音色。懐かしさを感じさせつつも、この時代に鳴り響くポップスとして新鮮なサウンドで、5人が自由に思い思いの歌声を聴かせている。

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