JO1 全米デビュー、BE:FIRST 世界ツアー、Number_i レーベル移籍……男性グループシーンが変化? 最大市場=アメリカへの挑戦

 日本のアーティストが海外でライブを行うことや作品をリリースすることは、今や珍しいことではない。一方で、近年のボーイズグループシーンでは、その意味合いが少しずつ変わり始めているように思う。

 なかでも象徴的なのが、JO1、BE:FIRST、Number_iの直近の動きだ。JO1は10月2日(現地時間)にUSオリジナルEP『ANIMAL』で全米デビュー予定。デビュー同日からは北米ツアー『2026 JO1 NORTH AMERICAN TOUR』をスタートさせる。BE:FIRSTは9月から10月にかけて世界4都市を巡る『BE:FIRST WORLD SHOWCASE 2026』を開催し、Number_iは世界最大手のタレントエージェンシー「WME」(William Morris Endeavor)やアメリカの名門レーベル「Atlantic Records」との契約を締結。アメリカでの楽曲制作など、本格的な海外展開を進めている。

 この3組に共通しているのは、世界最大の音楽市場であるアメリカへ視線を向けていること。だが、そのアプローチは三者三様だ。

 JO1は3組のなかでも、アメリカ市場への本格参入の意味合いが特に強いと言えるだろう。2025年に初のワールドツアー『JO1 WORLD TOUR JO1DER SHOW 2025 'WHEREVER WE ARE'』を開催した彼らは、同年3月にハリウッドで行われた『iHeartRadio Music Awards 2025』のレッドカーペットイベントに日本のアーティストとして初登場。さらに、同年末にはアメリカの音楽フェス『2025 iHeartRadio Jingle Ball Tour』やApple Musicのラジオ番組『Holiday Radio Takeover Hour』にも生出演を果たし、アメリカ現地で着実に動きを見せてきた。

JO1 | 'BE CLASSIC' - JO1DER SHOW 2025 ‘WHEREVER WE ARE’ IN TOKYO DOME

 そうした積み重ねの先にあるのが、10月に控える全米デビューである。USオリジナルEP『ANIMAL』をプロデュースするのは、『グラミー賞』を複数回受賞している世界的音楽プロデューサー/ソングライターのデム・ジョインツ。そのEPを携えて北米ツアーへ臨む流れからも、JO1がアメリカをひとつの活動拠点として見据えていることが伝わってくる。

 BE:FIRSTは、アメリカをゴールではなく、世界というフィールドの一部としてとらえているようにも思える。昨年は初の海外ツアー『BE:FIRST World Tour 2025 -Who is BE:FIRST?-』でアメリカ、アジア、ヨーロッパの全12都市を巡った彼ら。今年7月には、『グラミー賞』を主催する「The Recording Academy」の2026年新会員に、SKY-HIとともにメンバー6名全員が選出された。

BE:FIRST / GRIT -Live from BE:FIRST World Tour 2025 -Who is BE:FIRST?-

 BMSGは、今年6月に開催したビジネスカンファレンス『Greeting & Gathering '26』において“第二創業期”への移行を宣言し、とある海外プロジェクトを始動させることも示唆。グローバル展開をさらに加速させる方針を示している(※1)。SKY-HIが掲げるビジョンのもと、BE:FIRSTは9月からのワールドショーケースをはじめ、世界各地でファンとの接点を広げながら、自分たちの音楽を各地へと届けていくことになるだろう。彼らの海外展開は、アーティストとして世界へ挑むだけでなく、日本発の音楽をより広く届けるための土壌作りという意味合いも帯びているのだと思う。

 そしてNumber_iは、活動基盤そのものを世界基準へと広げようとしている。今年2月に「WME」とのエージェント契約、5月には「Atlantic Records」とのレーベル契約を発表。9月23日には「Atlantic Records」移籍後第1弾となるシングル『REBON / BUGS LIFE / DIGITAL GIRL』のリリースを控えている。

 2024年には『Coachella Valley Music and Arts Festival 2024』の特別ステージ「88rising Futures」に出演し、昨年は同じく88risingが主催する『HEAD IN THE CLOUDS LOS ANGELES 2025』にて海外パフォーマンスを叶えてきたNumber_i。彼らはこうした海外での経験を重ねつつ、世界の音楽シーンで勝負するための体制作りを本格化させている段階と言えるだろう。

Number_i(ⒸTOBE Co., Ltd.)
Number_i(ⒸTOBE Co., Ltd.)

 かつては松田聖子が全米デビューを果たし、宇多田ヒカルはUtada名義で「Island Def Jam Music Group」より作品をリリース。直近でも、2025年にBABYMETALが日本人グループ史上初めてロサンゼルス・Intuit Domeで単独公演を完遂した。世界最大の音楽市場であるアメリカは、限られたアーティストだけが挑む特別な舞台という印象が今なお強いのは事実だ。しかし、JO1、BE:FIRST、Number_iの歩みを見ると、その存在は少しずつ変わり始めているようにも映る。道筋は少しずつ異なるが、アメリカをそのキャリアの延長線上にある挑戦すべきフィールドとして捉える姿勢は、3組とも共通していると思う。

 その変化こそが、日本のボーイズグループシーンが新たなフェーズへ進み始めた証なのかもしれない。

※1:https://realsound.jp/2026/07/post-2446826.html

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