King Gnu、THE RAMPAGE、SUPER BEAVER、TREASURE、ぼっちぼろまる……11月30日リリースの新譜5作をレビュー

TREASURE『THE SECOND STEP : CHAPTER TWO』

 BIGBANG、BLACKPINKなどを輩出したYG ENTERTAINMENTから2020年の夏に韓国でデビューし、瞬く間に世界的な注目を集めたボーイズグループ TREASURE。iTunes30カ国でアルバムチャート1位を獲得した1stミニアルバムに続く『THE SECOND STEP : CHAPTER TWO』の日本盤となる本作は、彼らのボーダレスな音楽性、自己肯定感を促してくれるリリックを前面に押し出した作品となった。そのコンセプトをもっとも端的に示しているのが、リードトラック「HELLO -JP Ver.-」。スタジアムEDMの進化系と称すべき開放的なトラック、そして寂しさや虚しさを真っ直ぐに見据えながら“もし君ともう一度出会えたら、燃え尽きてもいい”という強いメッセージを放つ歌詞は、TREASUREのポジティブな魅力をさらに増幅させている。透明なピュアネスと凛とした意志を併せ持ったメンバーのボーカル、ラップにも注目だ。(森)

TREASURE - HELLO (Japanese Ver.) M/V

ぼっちぼろまる『ぼっちのうたI』

 シンガーソングライター/バーチャルYouTuberのぼっちぼろまるから届けられた最新EP。まず特筆すべきは、6月のリリース時にTikTokチャートを鮮やかに席巻した代表曲「おとせサンダー」だ。リリース前からTikTokの急上昇チャートで1位を獲得し、リリース以降はBillboard JAPAN「TikTok Weekly Top 20」で5週連続1位を記録した。今回初めて彼の存在を知った方は、まずは「おとせサンダー」を聴いてみてほしい。快楽中枢をダイレクトに刺激するようなシャープなバンドサウンドが非常に痛快で、また爽快なメロディが光るサビにおける押韻もとても気持ちいい。一聴すれば、他の名だたるアーティストたちのヒットソングの中で、この曲が長きにわたり台風の目であり続けた理由を感じ取れるはずだ。中毒性のあるギターリフで攻めまくる「シン・タンタカタンタンタンタンメン」や、大胆にモータウンビートを導入した「アソボー行進曲」といった他の収録曲も、フロアの熱狂をはっきりとイメージできるような起爆力を誇っていて、今作をきっかけに彼のライブ/フェスシーンへの躍進が大きく加速していく予感がする。火がついたきっかけはTikTokではあるが、彼が秘めるポテンシャルは、間違いなくそのシーンだけには収まりきらないほど大きなものである。(松本)

おとせサンダー / ぼっちぼろまる (Music Video)

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