C&K、原点に立ち返って生まれた2人だけのスタイル ダンスあり、バラードありの“OILY”な1枚で伝えたいテーマ

C&K、“OILY”な1枚で伝えたいテーマ

 2022年はセトリや見せ方の違う複数のツアー/イベントを並行して行うなど、超がつくほど精力的な活動を展開中のC&K。11月20日に開催される4年ぶりの横浜アリーナ公演『超無謀な挑戦状 〜炎の15周年目、執念で迎える横浜アリーナ。頼む全員集合〜』を目前に控えた11月16日には、現在の2人のテンションを体現するかのようなアルバム『CK OILY』をリリースする。各楽曲についてのエピソードはもちろん、C&K流エンターテインメントの原点といえるあのグループについて、さらに楽曲やライブ作りについてなど、2人のこだわりポイントについて掘り下げる形で聞いた。(古知屋ジュン)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

【保湿トークからまさかの脱線!】C&K、最近あった“コッテリOILY”なエピソード

「さらっといきたいご時勢だろうけど、僕らは脂っこくいたい」(CLIEVY)

ーー今年は6月からFCツアーをスタートさせ、ホールツアー『日本全国CK地元化計画 地元です。地元じゃなくても、地元ですツアー2022 〜ゲンテン〜』で全国を回り、東阪で『JIMOTODES JIMOTOJANAKUTEMO JIMOTODES』(通称AKB55ツアー)をやって、その合間に『移動式遊園地~原点から現点~ “新 種まき編” in 広島』といった特別企画ライブや各地夏フェスにも参加という、見せ方やセトリの異なる複数のライブを並行されていて。この状況の中でアルバムも作っていたというのがまず衝撃でした。制作はいつ頃から?

CLIEVY:今回は結構優秀で、2月くらいからもう制作の計画はしていて、3月には楽曲制作のための合宿やリハもやっていて……でも何を思ったか、そこで作ったものを1曲も入れていないという。というのも、5月くらいからツアーに向けて“CKシリーズ”(アルバムごとに収録されている「C&K ○○」と題した自己紹介的楽曲)を作っていたんですけど、それを含めてアルバム全体の構想を改めて練ってみたら、春に作ったものが1曲もハマらなかった。またそこから振り出しに戻って、ライブしながら曲を作り始めた感じですね。

ーーどこからその気力と体力は湧いてくるんですか?

CLIEVY:いや、もう9月にはいろんな意味で死にそうな感じになってましたね。

KEEN:でも、やろうと思ったらできるんだなって。その代わり、2人ともツアーの疲れがいまだに取れてない(笑)。

ーーそんなテンションで作ったアルバムのタイトルが『CK OILY』。今どき食品を筆頭に敬遠されがちな“OILY”というワードをあえて使った理由をお伺いできたら。

KEEN:もう、僕らを表す言葉といえばこれだよね。

CLIEVY:うん。脂っこいですよ。今回のタイトルは“O”で始めたいと思っていたので、いろいろ考えてはいたんですよね、OPPORTUNITY、OCTAGON(八角形)、ONION、ONLYとか。中でもOLDが有力候補で「C&Kも年を重ねて古くなっていくけど、気持ちは新しくいたい」みたいな意味合いを込めて。でも僕らは、常に脂がのってる状態でいたいし、脂っこくいたいし、しつこいし。さらっといきたいご時勢なんだろうけど、一番これがしっくりくるなと。あとはジャケ写の打ち合わせをして「顔に脂を塗ったらわかりやすいよね」という話も出たので。

KEEN:このネーミングに抵抗のある人だと、たぶん僕らのライブを見ても入り込めないんじゃないかと思うんですよね。

C&K アルバムダイジェスト

ーーなるほど。具体的に収録曲について聞いていきたいのですが、お2人の歴史を詰め込んだような1曲目「C&K XIV」は、6月のFCツアー初日の新横浜 NEW SIDE BEACH!!(横浜アリーナ内にあるライブハウス)公演の1曲目に披露されていたじゃないですか? あの頃からこのアルバムや横浜アリーナ公演に向けて、すでにストーリーが始まっていたんですね。

CLIEVY

CLIEVY:そうですね。まずNEW SIDE BEACH!!でやったのも、あそこでツアーをスタートさせて横アリに行くアーティストはたぶんいないと思いますし、この流れが大事で。さらにC&Kのメジャーデビュー日という意味もくっつけて、そこから走り出した感じですね。

KEEN:いろんなところに散りばめた点が、最終的に線になるようにね。

CLIEVY:あのライブの日、横浜アリーナから花が出ていたんですよ。これはもうなかなか胸熱な、OILYなエピソードじゃないですか? 理由を知っている人だけがすかさず写真を撮る、みたいな。

ーー胸熱といえば、この曲の冒頭のアカペラのフレーズは結成当時からライブで使っていたものだと聞きました。

KEEN:僕の中ではずっとあれを曲にしたいという気持ちがあって、歌詞をつけてみたりもしたんですけど、しっくりこなくて。ここに来てツアータイトルの“ゲンテン”にちなんで、僕らの原点といえるこのアカペラを形にしてみようということになったので、やっと作品として昇華できてよかったです。

原点=ザ・ドリフターズへのオマージュ

ーー全体的にすごくバラエティに富んでいて、最近のC&Kのテンション高めな感じが伝わるラインナップですが、その中にもセルフカバーの「今君に伝えたいこと」(King & Princeへの提供曲)や「足りないとこだらけの僕らだから」みたいな温かみがあってほっこりさせられるニュアンスの曲も入っていて。選曲はどう決めたんですか?

CLIEVY:最初に僕が「この曲はKEEN担当」「この曲は僕担当」みたいな感じでざっくり決めたんですよ。KEEN担当曲なら、すでに形があった「今君に伝えたいこと」に加えて「足りないとこだらけの僕らだから」をKEENが作って、僕担当の曲は僕が作って、それで1曲ずつはめていった感じですね。

ーー2曲目がツアータイトルにも通じる「GENTEN」で、このファンキー感がまさに今のC&Kを体現している感じがします。ダンスの振付もそうですけど、締めの部分でザ・ドリフターズの「ドリフの早口言葉」のフレーズをオマージュしていますよね。ドリフオマージュといえば、ライブの定番曲「入浴」にもありますが。

CLIEVY:シンプルに、僕らの原点だからですね。ドリフの方々ってみなさん音楽好きなんですよね、バンドもやられてますし。ただ一般的には面白い人たちという扱いで、音楽的にすごい人たちというイメージはあまりないじゃないですか。でも、ネタをやるにしても音楽的なベースがあってリズム感がいいから面白くなる部分もあるんじゃないか、と。そういう部分にフォーカスして彼らを見ると、C&Kとの共通点というか、僕らが彼らの影響を受けてそうなっているんじゃないかと思える部分が多々あって。だからあの曲に、そういうポイントを盛り込みたい気持ちがありましたね。

 大まかに言うと、僕のバースはいろんな感情を詞にして歌に乗せて……という曲作りの原点について、KEENのバースは歌ったり踊ったりしながら気持ちを表すというダンスの原点について歌っていて。最後にドリフのオマージュを入れることで、僕らの感じるすべての原点、始まりはそこにあるよっていうような曲にしたかったんですよね。

KEEN

ーーたしかに。そして今治タオルをテーマにした「I.M.A」の取材をしたころには個性の強いこの曲がアルバムに並ぶことが想像できなかったんですけど、手数や熱量を込めて何かを作っていくことの大切さといったテーマもあると思うので、ある意味今の時代と逆行しているようにも見える“OILY”のコンセプトにもはまるのかなと思いました。

KEEN:ちなみにその後、今治市長が表敬訪問に来てくださったんですよ。2人とも地元とかじゃないんですけど、そのうち必ず今治でもライブやりたいですし。

CLIEVY:曲を作りながら「こうすればこう繋がって……」という流れが確かに見えていて、だからモノづくりが盛んな今治をテーマにしたかったというのがあって。こうやって市長さんが接点を持ってくれたことでまた一つ報われたというか、「C&Kのスタイル、やっぱりこれでいいんだな」みたいな気持ちになりました。僕らはそもそも“寄り道人生”ですけど、このやり方で自分たちが考える核心に一歩近づけたじ感はあるし、世の中には僕らの熱量をキャッチしてくれる誰かがいるものなんだなと。

C&K-I.M.A

ーー続くリード曲の「HELLO SAY GOODBYE」はThe Beatles風の王道レトロ感があるサウンドで、OILYな中でもさらっと聴けますね。

KEEN:オリーブオイル系です(笑)。

CLIEVY:気持ちは結構OILYですけどね? だって、女の子に手を振られて「俺に好意があるのかな」と思ったら、実は自分の後ろにいる人が彼氏だった……みたいな勘違いの恋なので、捉え方によっては気持ち悪いOILYですね(笑)。

ーーMVのロケ地がお2人の母校の文教大学なんですね。

KEEN:「ドラマ」の時にも使わせてもらって。母校を使い回すっていうね。

CLIEVY:そこもOILYですよね。やたら行くから「懐かしいね、あそこ変わった?」みたいな感慨が全くない。

ーー(笑)。MVに出演された柄本時生さんとは交流があったんですか?

CLIEVY:僕らの映像を手掛けてくれている渡邊智博プロデューサーのマイメンということでオファーしまして。

KEEN:たまたまその時スケジュールが空いていて、快くOKしてくださったんです。やっぱりもう演技が素晴らしくて、時生さん1人で世界観が完結していてさすがでした。

C&K-HELLO SAY GOODBYE

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