Ms.OOJA、昭和歌謡やシティポップを歌いたくなる理由 「カバーから得るものは本当に多い」

Ms.OOJA、シティポップを歌う理由

 <ユニバーサルミュージック>に残るシティポップの名盤の中から、現在入手困難になっている作品を中心に廉価版として復刻するシリーズ「CITY POP Selections by UNIVERSAL MUSIC」の第2弾がリリースされた。第2弾では、中原めいこを筆頭にした16アーティストが残した名盤作品25タイトルが再発される。

 第1弾リリースの際に行ったインタビューから引き続き、往年の名曲カバーを収録した新作『流しのOOJA 2 〜VINTAGE SONG COVERS〜』のリリースを控えるMs.OOJAにシティポップ/昭和歌謡の魅力を語ってもらった。(編集部)

本物と思える歌手の方の曲を歌うのは、ごまかしがきかない

ーー『流しのOOJA〜VINTAGE SONG COVERS〜』に続くカバーアルバム『流しのOOJA 2 〜VINTAGE SONG COVERS〜』の発売が決定しました。

Ms.OOJA:そうです。決まりました!

ーー竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」や亜蘭知子さんの「MIDNIGHT PRETENDERS」といった、いわゆる昨今のシティポップブームも押さえていますね。

Ms.OOJA:「プラスティック・ラブ」、これはかなり早い時期にレコーディングしていました。配信も始まっていますが、いいですよ、これ(笑)。

ーーかと思えば、以前お話に出た荻野目洋子さんの「六本木純情派」もありますが、やはり幼少期の思い出の曲が多いんでしょうか。

Ms.OOJA:それはありますね。「六本木純情派」は子供の時にすごくよく聴いていたんですよ。すっかり忘れていたんですけれど、久しぶりに聴いたときに「これだ!」と思ってカバーすることにしました。

ーー今回も選曲がなかなか絶妙ですね。

Ms.OOJA:ひとりでカラオケに行ってひたすら歌って録音していたんです(笑)。それを母に送りつけていたんですが、非常に意見が厳しくて(笑)。「前回の選曲がすごく良かったから、今回の選曲はとても大事だよ」って煽られました。

ーー影のプロデューサーですね(笑)。

Ms.OOJA:本当にそうですね(笑)。でも「この曲がいいんじゃない?」ってすごく教えてくれるんです。だからとてもいい指針になっているんですよ。あと、YouTubeのコメント欄にファンの方がリクエスト曲を書き込んでくださっていたんですが、それもとても参考になっていますね。でも、実際にカラオケなどで歌ってみて、その中でも小さい頃によく歌っていた曲や、自分の中にある曲が多いかもしれない。

ーー女性の歌ばかり聴いていたという話もありましたが、今回は男性シンガーの楽曲も選ばれています。

Ms.OOJA:村下孝蔵さんの「初恋」ですね。この曲は絶対に歌いたいと思っていました。

ーー前作に続いて八神純子さんの楽曲も入っていますね。前回は「想い出のスクリーン」で、今回は大ヒット曲「みずいろの雨」。

Ms.OOJA:八神さんは少し前にテレビでご一緒させていただいたんです。実は、母と生年月日がほぼ一緒で、1日違いなんです。しかも同じ名古屋出身なので、二人はどこかで会っていたんじゃないかって思うくらい(笑)。番組では「想い出のスクリーン」を一緒に歌わせていただいたんですが、ハモっていただいて「なんて贅沢なんだ!」って(笑)。それで、私が歌い終わった後に八神さんの出番だったので、舞台袖でずっと聴かせていただいていたんですが、もうとにかくかっこいい。あのハイトーンの歌声はご健在だし、しかも軽々と歌っていらして、「こんな風になりたいな、こんな風にならなきゃいけないな」ってすごく感じました。

ーー八神さんの一番の魅力はどういうところでしょうか。

Ms.OOJA:なんといってもあの歌声でしょうね。「どうやって出しているんだろう」って思うようなハイトーンボイス。地声っぽいのか、ファルセットなのかわからないミドルボイスで、すごく不思議なんですよね。それと、八神さんって曲も作られるじゃないですか。「みずいろの雨」もそうなんですが、自分の歌声をすごく理解していらっしゃって、その良さを生かすための作曲をされているんじゃないかなって感じます。歌声の素晴らしさはもちろんなんですが、その声を表現するための楽曲が一番の魅力なんじゃないかなと思いますね。当時の歌手の方はうまい人ばかりだと思うんですが、その中でも飛び抜けて歌がうまかったんじゃないですか。

ーー同じシンガーとして得るものもありますか。

Ms.OOJA:それはすごくありますね。カバーをするということは、本当に得るものが多くて。特に、本物と思える歌手の方の曲を歌うのは、ごまかしがきかないというか。そこに挑んでいけるというのは、すごく得るものが大きいし、歌手としてワクワクする瞬間でもありますね。カラオケで軽く流して歌ってみたり、ライブでちょっと歌ってみたりするのと、レコーディングをして表現するというのは全く別物。伴ってくる責任感というか、そういったものが全然違います。そこに挑ませてもらえるというのは、本当にいつもすごく得るものが大きいですね。

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