Ms.OOJA、歌い手視点で語るシティポップと昭和歌謡の魅力 泰葉や松原みきら往年の女性シンガーに惹かれた理由

Ms.OOJAが語る昭和歌謡とシティポップ

 <ユニバーサルミュージック>に残るシティポップの名盤の中から、現在入手困難になっている作品を中心に廉価版として復刻するシリーズ「CITY POP Selections by UNIVERSAL MUSIC」の第一弾がリリースされた。第一弾では、大橋純子、泰葉、濱田金吾ら14アーティストが残した名盤作品25タイトルが再発。シティポップブームが世界的に起こる中、今押さえるべき必聴の名作がラインナップされている。

 そんなシティポップをはじめとする当時の音楽に魅了され、数多の楽曲をカバーしているのが“唯一無二のシルキーボイス”を持つシンガー Ms.OOJAだ。彼女は幼少期から両親の影響で昭和歌謡やシティポップに触れ、2020年にカバーアルバム『流しのOOJA~VINTAGE SONG COVERS~』をリリース。自身の解釈を通して、現代と往年の名曲を繋ぐ存在としても注目を集めている。本インタビューでは、Ms.OOJAとシティポップ/昭和歌謡の出会いやカバーしたきっかけ、歌うことで気が付いたその時代の音楽の魅力について話を聞いた。(編集部)

歌謡ポップスに惹かれるのは幼少期の刷り込み

Ms.OOJA

ーーまずはMs.OOJAさんのルーツからお聞きしたいのですが、いわゆるシティポップといわれている70年代後半から80年代のポップスはリアルタイムではないですよね。

Ms.OOJA:そうですね。でも、物心ついたときに、聴いていたのがその時代の楽曲なんですよ。母がすごく音楽が好きで、車に乗るときにずっとかかっていたカセットテープがあって、それを聴いてずっと一緒に歌っていたんですよ。「車に乗る=歌を歌う」みたいな環境でした。しばらくそのことは忘れていたんですけれど、最近になって当時の音楽を聴くことがあったときに、「あれ?この曲知ってる」というのが結構あって。「全部歌える!」みたいな。

ーーそのカセットはどういうものだったんですか。

Ms.OOJA:どんなものかは覚えていないんですけれど、いろいろな歌手の方が、いろいろな曲を歌っているヒットソング集みたいなカセットテープでした。

ーー具体的にいうと、どういった曲ですか。

Ms.OOJA:八神純子さんの「想い出のスクリーン」や、荻野目洋子さんの「六本木純情派」、小泉今日子さんの「木枯しに抱かれて」などですね。おそらく私のベースになっている曲が、そのあたりの歌謡曲なんだなと最近わかったんです。もちろんその後には、J-POPだったり、洋楽だったりいろんな音楽を聴いてきたのですが、ここ最近その時代の音楽がすごく落ち着くなと気付いたんです。

ーーということは、お母さん世代のヒット曲が、Ms.OOJAさんのルーツになるということですね。

Ms.OOJA:そうですね。母が20代で聴いていた音楽も含めると幅は広いですけれど。山口百恵さんや松田聖子さんもそうだし。

ーーでは、年代でいうと、まさに70年代半ばから80年代にかけてという感じですよね。シティポップ黄金時代の音楽を知らず知らずに啓蒙されていたと。

Ms.OOJA:そうなんですよ。もう英才教育で(笑)。それが洋楽の人もいれば、演歌の人もいるだろうし。私は、いわゆる歌謡ポップスだったんです。でも桂銀淑さんなんかも結構聴いていたんですよ。それはお父さんが好きで。そういった哀愁系の歌謡ポップスというか、あのラインの音楽が私のベースにあって。だから、洋楽を聴いても、ポップスを聴いても、そういうタイプの楽曲に惹かれていくのは、小さい頃からの刷り込みなんだなと(笑)。

ーー意識して自分から音楽を聴くようになったのはいつ頃ですか。

Ms.OOJA:小学生5、6年生の頃ですね。ZARDやWANDSなどのビーイング系が大ヒットしていた頃です。学校のホームルームなのかな、たしかCDをかけて歌うっていうような時間があったんですよ。ZARDや大黒摩季さんなどを聴いて歌っていた記憶があります。その時に、CHAGE and ASKAを聴いてすごくはまったんです。「モーニングムーン」とか「SAY YES」とか「YA-YA-YA」とかかな。その後は、ASKAさんの「はじまりはいつも雨」も知って。その頃から音楽は楽しいなと思うようになりました。

ーー聴くだけでなく歌うのも好きだった。

Ms.OOJA:歌っていましたね。ZARDもいろいろな曲がありますけど、「君がいない」という曲が好きで。それで、中学校1年生ぐらいの時に、友達とカラオケに行くようになるんですよ。その頃からは小室哲哉さんですね。TRFや安室(奈美恵)ちゃん、華原朋美さんとか。小室さんじゃないけどSPEEDとか。そんな音楽遍歴ですね。

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