Ms.OOJA、昭和歌謡やシティポップを歌いたくなる理由 「カバーから得るものは本当に多い」

Ms.OOJA、シティポップを歌う理由

中原めいこ「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」はかなり攻めている

ーー6月に引き続き、8月にもシティポップの名曲名盤が続々と再発されます。中原めいこ、センチメンタル・シティ・ロマンス、倉橋ルイ子、RAJIE、丸山圭子、東京Qチャンネル、風見律子、Pony Tail、水越けいこ、渡辺信平、池田政典、久野かおり、庄野真代、岩下清香、原久美子というかなりコアなラインナップなんですが、Ms.OOJAさんはこのあたりは聴いていらっしゃいますか。

Ms.OOJA:それほど聴いていないのですが、やはりこの世代の方にとっては思い入れの強い楽曲やアーティストは多いですよね。そういえば、水越けいこさんや庄野真代さんもリクエストがありましたね。今回の『流しのOOJA 2 〜VINTAGE SONG COVERS〜』には入れられなかったのですが、機会があれば歌ってみたいと思っています。

ーー中原めいこさんはどうですか。

Ms.OOJA:やっぱり中原めいこさんはインパクトがありますね。有名な「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」なんて、かなり攻めているじゃないですか。パパイヤっていう果物は、多分この曲で初めて知ったと思います(笑)。実はさっきこの曲のMVを見ていたんですけど、1984年の作品とは思えないくらいめちゃくちゃおしゃれなんですよ。「これってきゃりーぱみゅぱみゅ?」みたいに思うくらい。当時の技術でできることを全力でやっていておしゃれですし、歌っている中原めいこさんもすごくきれいな方で、モデルさんみたいなんですよね。もちろん、歌もすごくうまいです。

ーーたしかに今聴いてもすごく新鮮で、インパクトがありますよね。

Ms.OOJA:すごくかっこいいと思います。タイトルに引っ張られがちなんですが、サビのアレンジとかすごくよくできています。

ーー中原めいこさんはエッジの効いたラテンやディスコのサウンドを取り入れながらも、しっかりと和のテイストが出ているところが魅力だと思いますが、カバーしようとは思いませんか。

Ms.OOJA:実は「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」も候補に挙がっていたんですよ。ただ、とにかくインパクトの強い曲なので、他の曲と並べると浮いてしまうかなっていうのはありました。

ーーたしかにアルバムのどこに置くのかも悩みそう。でも、こういった和洋折衷的な楽曲こそ、Ms.OOJAさんに合いそうですね。

Ms.OOJA:八神純子さんの「みずいろの雨」もそうですよね。洋楽のアレンジに和のメロディというところに惹かれます。去年の12月に配信した「who are you」というオリジナル曲があるんですけれど、まさにこの時代の楽曲からインスパイアを受けて、「こういう曲を歌っていきたい」と思って作った曲なんです。まさに、アレンジはめちゃくちゃ洋楽的なんですけれど、メロディはとことん和風であることを意識しました。こういうメロディには、やっぱり日本語もすごく合うし、自分のスタイルにもすごく合っている。めちゃめちゃかっこいいのができたと思っているんです。やっぱり日本語にしかないメロディってあるんですよ。英語のメロディを日本語で歌ったときに、どうしても違和感があって。日本語には日本語の発音、発声というか、その言葉に乗るメロディが必ずあるので、そうすると、やっぱりどうしても和のメロディになっていくんですよね。だから、日本語の響きを大切にすることをあらためて意識しました。

ーーご自身のオリジナルも、そこは大事にしていきたいと。

Ms.OOJA:大事にしていきたいですね。たまにすごくがんばって、洋楽的なメロディを乗せることもあるんですけど。でも、最終的に和な感じに落とし込んだものがやっぱり一番しっくりきます。

ーーご自身は、R&Bやヒップホップに憧れてデビューされたわけですが、そこを目指すというのではなく、和の部分をもっと打ち出していきたいということですよね。

Ms.OOJA:もちろん洋楽には憧れはあったんですが、結局自分が歌うとなると和な雰囲気の楽曲を選んでいましたね。そこが一番のソウルだと思っていたし、今思えばそれがやっぱり自分にも合っていました。

ーー歌謡曲やシティポップのカバーアルバムを2枚作り上げたことで、楽曲制作や歌に対する考え方は変わりましたか。

Ms.OOJA:とても変わりました。どんどんそっちのほうに引っ張られている自分がいて。だから、今の私が一番しっくりきているメロディや曲、歌詞というのを、シンプルに、素直に表現しようと思っています。

――なるほど。それはすごくいいことですね。アイデンティティがしっかり固まったということでしょうか。

Ms.OOJA:そうですね。いろんな音楽が好きで、いろいろと試してきたんですけれど、「ここにたどり着くのか」みたいな。今の私にしか表現できない音楽というのがきっとあると思うので、こういった選曲も、今の私がやるからいいんだと思ってやっているので。そういうふうに確信を経てできるというのは、今だからというのもありますね。特に、『流しのOOJA』シリーズに関しては、すごく自分の意思が強いから。

ーーそれはめちゃくちゃ伝わります。どの曲も気合が入っているのがわかる。

Ms.OOJA:そういってもらえると嬉しいです。ただ厚かましくないように気を付けながらですが。愛を持って歌っているので、その曲の良さをまた違った角度から見せられたらと思っています。この『流しのOOJA』シリーズから入ってもらって、原曲の良さを知ってもらえるとすごく嬉しいですね。

泰葉「フライディ・チャイナタウン」MV

■リリース情報
<CITY POP Selections> by UNIVERSAL MUSIC
《第一弾》
2022年6月29日発売/全25タイトル/¥1,650(税込)/限定
《第二弾》
2022年8月31日発売/全25タイトル/¥1,650(税込)/限定盤
《第三弾》
2022年10月26日発売/全25タイトル/¥1,650(税込)/限定盤

特設サイトはこちら

Ms.OOJA『流しのOOJA 2 〜VINTAGE SONG COVERS〜』

■Ms.OOJA リリース情報
Ms.OOJA「流しのOOJA 2 〜VINTAGE SONG COVERS〜」
2022年9月21日(水)発売
【通常盤(CD)】 ¥3,000(税抜) UMCK-1723

【CD収録曲】
01.六本木純情派  
02.プラスティック・ラブ  
03.初恋
04.恋におちて –Fall in love− 
05.みずいろの雨
06.木枯しに抱かれて
07.木綿のハンカチーフ
08.飾りじゃないのよ涙は
09.恋人よ
10.瑠璃色の地球
11.時の流れに身をまかせ
12.MIDNIGHT PRETENDERS

Ms.OOJA Official HP
https://msooja.jp/

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