Ms.OOJA、アーティストやファンを虜にするシンガーとしての矜恃 布袋寅泰やコブクロ 小渕健太郎らの証言から紐解く

Ms.OOJA、シンガーとしての矜恃

 SSR級の歌声と表現力を持つシンガー、Ms.OOJA。2021年2月16日にメジャーデビュー10周年を迎え、毎月16日に新曲の配信リリース、8thアルバム『PRESENT』のリリース、オンライン・オフラインライブの開催など、精力的な活動をしてきた。そして、10周年イヤーラストとなる2022年2月16日にベストアルバム『10th Anniversary Best ~私たちの主題歌~』をリリース。Ms.OOJAの代表曲はもちろん、多くのアーティストとのコラボレーションで誕生した名曲や、カバーソングもたっぷり収録されている。さらに、集大成として3月27日には10周年記念ライブ『Ms.OOJA 10th Anniversary Live -はじまりの時- in 日本武道館』も開催。小渕健太郎(コブクロ)、AK-69、黒沢 薫(ゴスペラーズ)、JAY’EDなど縁あるアーティストたちとともに、ステージに立つこととなる。

 彼女の歌声は「人にヒーリング効果を与える声と言われている『1/fのゆらぎ』のシルキーボイス」と紹介されることが多いが、それだけではなく10年間培ってきた経験、そして人柄も合わさり、他に類を見ないオンリーワンの歌声となっているように思う。そんな歌声と彼女自身の魅力について、2022年1月29日にBSフジで放送され、2月23日には地上波放送も決定している特別番組『Ms.OOJA はじまりの時~Listen To Voice~』や『10th Anniversary Best ~私たちの主題歌~』をもとに改めて考えてみたい。

Ms.OOJA - It's OK

 今回リリースされるベストアルバムにはデビューシングル表題曲「It's OK」以降の楽曲が収録されているが、まずMs.OOJAにとってデビュー後最初の転機となったのは5thシングル『Be...』だろう。表題曲はドラマ『恋愛ニート〜忘れた恋のはじめ方』(TBS系)の主題歌で、配信100万ダウンロードを突破し音楽チャートでも自身最高記録を記録した。たっぷりと深みのある彼女の歌声が味わえ、歌詞もストレートに響いてくるバラードである同曲。『Ms.OOJA はじまりの時〜Listen To Voice〜』内で本人は「いつも試されているような楽曲」、「いつでもこの曲をいい状態で届けられる歌手でいなきゃいけないって思わせてくれる楽曲」と語っており、自身の軸になっているかのようだ。そんな同曲でMs.OOJAという名前は世の中に広く知られることとなったが、発売翌年のライブでは観客数が約半分に減ってしまったという。それでも、歌うことを愛している彼女は名曲を生み出し続けてきた。

Ms.OOJA「WAY YOU ARE with 小渕健太郎」Music Video

 その1つのスタイルが、アーティストたちとのコラボレーションである。意欲的に音楽に関わろうとする姿勢を持っている上に、飛び抜けたセンスを持つMs.OOJAだからこそだろう。「オファーをもらった時は嬉しかった」(AK-69)、「作ることに対しての姿勢はあの頃(デビュー前)とは比べ物にならない。本人が持ってきたサビがすごい良かった」(HOME MADE 家族・KURO)、「今までで一番何も考えなかった。絶対上手くいく気持ちしかなかった。(Ms.OOJAと)遊んだ感じ」(コブクロ・小渕健太郎)と、コラボレーションしたアーティストたちからも絶賛の声が寄せられていた。

Ms.OOJA「鐘が鳴る」(Produced by 布袋寅泰)Music Video 【7ヶ月連続デジタルシングル最終章】

 さらに、ベストアルバムのDISC-1に収録されている11th配信シングル「鐘が鳴る」。同曲は布袋寅泰が全面プロデュースをした楽曲で、「プロデュースするときにはその方にあったオートクチュール(を作る)。でも、ちょっと違う表情を探すのがプロデューサーの役目」と語る布袋が丁寧に作り上げた軌跡が見えてくる。Ms.OOJA自身もテイクを聴いて涙していたように、シンプルゆえに心に鋭く入り込んでくる名曲だ。そして単なる“いい曲”で終わらないのは、布袋の力量も然ることながらリスナーの心に語りかけるような表情が付けられるMs.OOJAの力があってこそ。「歌が上手い」だけで終わらない歌唱力を持っていることも、同業者である多くのアーティストから絶賛されている理由なのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる