PSYCHIC FEVERが語る、エンタテインメントの未来を担う意志 念願のデビューでEXILE TRIBEに吹かせる新たな風
PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEが、1stアルバム『P.C.F』を7月13日にリリースし、堂々のデビューを果たした。すでに4つのプレデビュー曲をリリースし、EXILEや三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのオープニングアクトも経験済みの彼らだが、このデビューによって本格的にEXILE TRIBEへの仲間入りとなる。7月末にはさいたまスーパーアリーナで4日間開催されるライブ『BATTLE OF TOKYO 〜TIME 4 Jr.EXILE〜』に先輩グループたちと出演、8月からはBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEとともにタイへ武者修行に向かう。そんな未来有望な7人に、デビューを迎えた率直な想い、デビューアルバムの制作秘話、そしてEXILE TRIBEの一員としての意気込みなど、たっぷり話を聞いた。(編集部)
「人間らしい部分を表現しているのがPSYCHIC FEVERの良さ」
ーーデビューおめでとうございます!
一同:ありがとうございます!
ーーPSYCHIC FEVERの公式YouTubeにもデビューが告げられた瞬間の動画が上がっていますが、改めてデビューに至った経緯を伺えますか?
剣:僕らは、もともとデビューをする前に公式YouTubeチャンネル登録者数100万人を達成することを目標に掲げて活動していたこともあり、「デビューが決まりました!」ではなく、「デビュー、どうかな?」っていう提案ベースでEXILE HIROさんにお話をいただいたんです。そのありがたい提案を受けて、僕らも改めて、応援してくださる方に何をすることがベストなのかを考えまして。当初の目標は引き続き大事にしながらも、このタイミングでデビューすることを決断しました。僕個人としては、昔からデビューを夢見ていたので、お話をいただいた瞬間は素直に、「大きな夢が叶ったなぁ……」という嬉しさが込み上げましたね。ただ、今PSYCHIC FEVERとして活動していく中では、応援してくださる皆さんが一番大切な存在なので、あくまでもデビューは1つのステップとして考え、もっと高みを目指していかないといけないなと感じています。
ーー4曲のプレデビューシングルを経て、満を持してのデビューアルバムですが、ご自身でも作曲されるJIMMYさんは、リード曲「Choose One」を受け取った時にどんな印象を受けましたか?
JIMMY:これまでにはない楽曲だなという印象でした。僕らは長年ダンスをやっていることもあって、日本の音楽だけでなく海外の音楽も聴いて育ったんですが、それを踏まえてもすごく最先端の音楽だと感じました。LDHのバラードの良さは、楽器単体でも伝わるものだと思っていて、特に僕はピアノのメロディが特徴的だと思っているんです。でも、最近のヒップホップやR&Bは、ギターのメロディやストリングスの音が特徴的で、「Choose One」もそういったトレンドを踏まえた楽曲になっています。PSYCHIC FEVERの楽曲だけを見ても、これまではR&Bチックだったり、ブラックミュージックに寄ったちょっとメロウでローヴァイブスな曲が多かったんですけど、「Choose One」は西海岸の潮風を感じるというか。初夏の乾いた風が似合う、「半袖やっと着れるな!」みたいな曲だったので(笑)、僕らもフレッシュな気持ちでレコーディングに臨みました。
ーー「Choose One」のトラックは海外の作曲家勢のコライトによる作品ですか?
中西椋雅(以下、中西):はい。僕たちの楽曲は、日本をはじめ様々な国のクリエイターさんが国境を越えてコライトしてくださったデモの中から、いつもHIROさんが僕らに合いそうな楽曲を提案してくださるのですが、この曲はアメリカのSOFTSERVEBOYさんとAndy Loveさんが制作してくれた楽曲です。作詞をしてくださっているELIONEさんは、SALUさんやJP THE WAVYさんとも一緒にやっている現役ラッパーの方ですね。ELIONEさんは、僕らのこれまでのほとんどの楽曲の作詞を手掛けてくださっているのですが、事前にメンバーがアンケートに答えたものだったり、僕らが好きな言葉やSNSで発信しているメッセージ、ライブで見せる印象などをヒントにして、当て書きしてくださっています。それもPSYCHIC FEVERの楽曲の特徴ですね。
ーー先輩たちから脈々と受け継がれているEXILE魂やPSYCHIC FEVERが辿ってきた道のりを歌詞から感じられたのは、当て書きだからなんですね。
JIMMY:そうですね。ヒップホップのリリックは自分の良さを全面に押し出すものが多いと思うんですけど、PSYCHIC FEVERは誰かがものすごいスキルを持ってる“スーパーヒーロー”みたいなグループではないので。これまでみんながEXPG STUDIOから一歩一歩蓄積して、努力して、たまに挫折して……っていう、ある意味すごく人間らしい部分を歌詞に表現しているのが、僕らの良さだと思います。それこそ「Choose One」も、僕らは今までいろんな失敗をしてきたけど、みんなで正解を見つけていこうっていう、LDHらしいチーム感や等身大の感情を表現した楽曲になっています。
ーーボーカルのおふたりは「Choose One」をレコーディングするにあたって、どんなことを意識しましたか?
小波津志(以下、小波津):全曲そうなんですけど、この曲は特に歌詞を強く意識しながら歌いましたね。僕が歌うBメロは、前向きなサビと違って〈余裕で超えてくボーダーライン〉とか〈君は間違っちゃいない〉とか、ちょっと下がっている部分もあって。そこにJIMMYくんのBメロでリズムが乗ってきて、さらに上がってっていう、まるで人生の上下を表現しているような展開になっているんです。その波のような流れを表現したかったので、Bメロの歌い出しとサビでは、若干声の張りを変えていて。Bメロの頭では少し弱めに入っているんですけど、サビはWEESAとテンション感を合わせて歌いました。また、2番のサビには〈不器用でも Choose one/君の答えに Good luck〉という歌詞があるんですが、ここは僕たちもそうですし、聴いてくださるみなさんにとっても、何か選択するのが難しい場面に直面した時に背中を押してくれるような歌詞になっていると思います。
ーー〈EXILEみたいに Touch The Sky〉というフレーズもインパクトが強いですね。
小波津:実はそこが歌っていて一番苦戦したところでした。というのも、EXILEさんの楽曲は歌詞も曲も素晴らしいのですが、とてつもなくスキルの高いボーカルのみなさんが、あえてシンプルに歌うことで最も伝わるものだと僕は思っていて。そんな大先輩の名前を歌詞にいただいたので、僕もこのフレーズはあえてシンプルに歌わせていただこうと思ったんです。でも、いざやってみたら、自分のクセを出さずに歌うというのがすごく難しくて。納得のいく歌い方になるまでに時間がかかりました。
WEESA:僕も志くんと同じくボーカル担当ですが、僕のパートはAメロとサビっていう主人公感のあるパートなので、ハキハキと歌いながらも、泣きの表現として、ちょっと裏返ったような遊び心のある表現を取り入れました。その結果、曲を聴いた方の耳にちゃんと残りやすい歌声になっているんじゃないかなと思います。
ーー「このフレーズでこういう遊びを入れよう」というのは、自分なりに考えて試すんですか?
WEESA:レコーディングの時は、自分なりにいくつか歌い方を試して、その中からディレクターさんと一緒にベストなテイクを選びますね。「Hotline」のレコーディングの時、僕は歌い方にあまり個性がなくて、レコーディングをし直したことがあったんです。それがきっかけでより聴きやすく、より面白く歌えるように、いろいろな歌い方を試すようになりました。
ーーそのためにはインプットが大事になりますね。
WEESA:映画やアート、いろんなところからヒントをもらっていますが、とにかくたくさんの曲を聴くことが一番身になっている気がします。特に90’sの楽曲を聴くと良い答えをもらえますね。それから家でちょっと声を出したり、レコーディングをしてみたり、いろんなことを試して、自分の表現の引き出しを増やしています。