「Best For You」インタビュー
PSYCHIC FEVER、8人の新鋭が掲げるデビューへの意気込み 三代目JSBとの交流も語ったグループ初インタビュー
2019年7月に幕張メッセで行われた『BATTLE OF TOKYO』で結成が発表され、これまで数多くのLDHアーティストたちのツアーサポートとしても活躍。この夏は三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目JSB)のドームツアー『THIS IS JSB』に帯同するなど、LDHファンにはすっかりお馴染みとなったPSYCHIC FEVER。米ロサンゼルスのEXPG STUDIOを経て参加したSAMなど、様々なルーツを持つ8人が集った国際派ユニットで、ボーカル、ラップ、ビートボックスなど、全員がマイクを持つスタイルも強みといえる。
2019年10月から全国47都道府県を巡る武者修行を、今年8~9月にかけては『武者修行 on TikTok』と題したオンラインライブを行った8人が、プレデビュー曲第1弾「Hotline」に続き、第2弾「Best For You」を10月8日に配信開始した。8人のプロフィールや楽曲についてはもちろん、どのような視点でデビューを目指し、今後を見据えているのか聞いてみた。(古知屋ジュン)
グループでは〇〇担当? 個性豊かな8人の自己紹介
ーーリアルサウンド初登場になるので、まずは1人ずつ自己紹介をお願いします。
小波津志(以下、小波津):沖縄出身の20歳、担当はボーカルです。僕はダンスを小学1年生から続けていて、2013年の『GLOBAL JAPAN CHALLENGE』(BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEの奥田力也、深堀未来、砂田将宏らを輩出)というオーディションを受けて、それをきっかけにEXPG沖縄校に入りました。そこからボーカルも約5年間続けていてPSYCHIC FEVERに参加しました。グループの中では……カッコつけ担当です(笑)。
半田龍臣(以下、半田):神奈川出身の19歳、ラップ担当です。僕は2017年の新人発掘オーディションに参加して、EXPG東京校で候補生として3年間学びました。最初はダンスのみで入ったのですが、活動する中でPSYCHIC FEVERに参加することになり、昨年からラップも始めました。この中ではムードメーカー……いや、イジられキャラです!
中西椋雅(以下、中西):自分は23歳で、兵庫県出身です。4歳からダンスを始めて、9歳でEXPG大阪校に入りました。キッズダンサーから始めて19歳の時に上京しました。夢を追い続ける中でやっとEXILE HIROさんの目に止まって、PSYCHIC FEVERに入ることができました。担当パートはラップです。普段はMCをやらせてもらってますけど、どちらかというと“面白くない方の関西人”なので、「そういう人もおるよね」という温かい目で見ていただけたら嬉しいです。
渡邉廉(以下、渡邉):神奈川出身の21歳で、ラップとビートボックスを担当しています。僕は小学4年生の頃に地元のダンススクールでダンスを始めて、中学2年生の時に志と同じ『GLOBAL JAPAN CHALLENGE』のオーディションを受けて、それがきっかけでEXPG横浜校に入りました。そこからいろんなアーティストのツアーに帯同しながらPSYCHIC FEVERにたどり着いた感じです。喋るとすぐ赤面しちゃうので、見た目とギャップがあると言われます。なので“赤面ギャップ担当”です。
JIMMY:名古屋出身&名古屋育ちの21歳で、小学4年生頃にダンスを始めて、中学1年生でEXPG名古屋校に入りました。僕も『GLOBAL JAPAN CHALLENGE』を受けてファイナリストまで残り、『VOCAL BATTLE AUDITION 5』(FANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征、中島颯太らを輩出)のRAP部門でもファイナリストまで残って、今に至ります。パートとしてはラップの低音担当で、ライブでは煽り&盛り上げ担当です。あとファッションが大好きでモデルもやっているので、グループのファッション番長ですね。
髙橋剣(以下、髙橋):最年長の24歳、大阪出身、ラップ担当です。EXPG大阪校に小学校6年生で入って、10年ほど活動してきました。僕はずっと関西で活動していたのですが、PSYCHIC FEVERに参加することになって晴れて上京しました。グループの中では椋雅がメンバーのまとめ役で、僕はみんなが出してくれた案に最終的にGOを出す係みたいな……会社でいえば取締役的なポジションをやらせていただいています(笑)。
SAM:アメリカのシアトル出身です。19歳で、ボーカル担当です。10歳からダンスを始めて、歌や演技も学んできました。2018年に『LDH EUROPE Presents VOCAL BATTLE AUDITIONS ~THE GLOBAL STAR SEARCH~』に参加し、その後EXPG LAの候補生となってトレーニングをして、2019年に日本に来ました。グループの中での担当は“ガイジンパワー”だと思っています。
JIMMY:補足すると、SAMはネイティブの英語を話せて歌えるので、彼が参加してくれることで楽曲やライブの中でインターナショナルな雰囲気をしっかり出せる、ということです!
WEESA:最年少の17歳、高校3年生です。名古屋出身で担当はボーカルです。僕も『GLOBAL JAPAN CHALLENGE』を受けたのをきっかけにEXPG名古屋校に入って、PSYCHIC FEVERに参加させてもらうことになりました。僕は好奇心旺盛でいろんなことをやりたいので、グループの中でもアイデアマン的なところがあると思います。
ーー様々な先輩アーティストのツアーサポートに参加したり、武者修行もオフラインとオンラインで行ってきましたが、この2年間で一番大変だったことは何でしょう?
中西:やっぱり2019年に47都道府県をバス1台で回らせてもらった、初めての武者修行でしょうか。2カ月間ほぼ毎日、多い日で3公演パフォーマンスした日もありましたし。アーティストになるために自分たちを磨いていったその期間にはしんどいこともたくさんありましたけど、僕たちの人生の中でもこれから先あるかわからないくらい、貴重な経験だったと思います。
ーーその時にはメンバー間でいろんな話し合いもしましたか。
中西:ステージについて「もっとこうしたほうがいいんじゃないか?」みたいな議論を戦わせました。みんな疲れているのはもちろんわかるのですが、寝坊とか忘れ物といったうっかりミスをしないというのもアーティストになる上で大切だと思うので、そういうことも日々言い合いながら全国を回っていました。
SAM:僕はステージ衣装をバスに忘れたことがあって、その日は僕だけジャケットを着なかったです……。
髙橋:今となってはいい思い出で、そういう経験もあって今があるのでよかったなと思います。
「Best For You」「Hotline」の注目ポイント
ーー7月から配信されている「Hotline」は『武者修行 on TikTok』でも定番の楽曲ですね。レコーディングを振り返ってみて、ボーカルチームはいかがでしたか?
WEESA:最初のレコーディングでは、ボーカル3人の声のキャラクターの違いを上手く出せなかったんです。それで一人ひとりの個性を出せるように自分たちなりに研究して、改めてレコーディングし直したりしました。こだわったところなので、僕たち3人の声の違いを楽しんでいただけたらと思います。
ーーラップチームはどうでした?
JIMMY:1番・2番はボーカルがメインで、廉だけAメロなどを歌っている形なんです。曲はR&Bフレイバーなんですが、裏のビートだけわりと激しい音になっているので、そこを剣くんから始まる3番のラップで抑揚を意識しながら盛り上げていく形でレコーディングしていますね。
渡辺:僕はAメロでメロウな感じのラップを担当しているんですが、この曲ではオートチューンという声を加工するソフトを使っていて、キーを少しでも外してしまうと微妙な仕上がりになってしまうので、かなり苦労しました。
ーー歌詞では「忙しくて電話に出られない、かけ直しても次はその子が出られなくて……」みたいな、好きな人とのすれ違いが描かれていますね。
髙橋:僕たちの世代にはありがちな恋のシチュエーションを描いた歌なので、登場人物の気持ちに感情移入しやすかったです。作家さんに書いていただきましたが、自分たちの実際の気持ちを声やダンスに乗せて発信できるようにいつもパフォーマンスしています。
ーー振付はメンバーの皆さんで考えるんですか?
半田:この曲では、僕がサビ、JIMMYくんがAメロ部分を作っています。僕は歌詞のキーワードになっている〈電話〉や〈ring ring〉など、わかりやすい言葉に当てはめながら作ろうと思っていました。今はTikTokで発信されたダンスがバズったりする時代なので、短く編集された動画を配信することも考えて、サビは誰でも踊れるようなキャッチーな振りをイメージしています。
JIMMY:楽曲自体、特にUSのビートを意識した作りなんですよ。僕自身のダンスのルーツが2000年代のブラックミュージックに影響を受けているので、メロ部分ではそういうエッセンスを入れています。特に1Aのパートは自信作です。廉のパートなので廉の存在を立たせたいと思っていて、ここだけみんなが一瞬背景になるような感じで構成しています。
ーーそして最新曲の「Best For You」は、メンバーの皆さんをイメージして書かれた歌詞だと聞いています。
小波津:歌詞の世界観としては、さっき剣くんも言ったように、世代的にも僕たちにフィットしそうな言葉が並んでいるんです。友達以上恋人未満みたいな人へのメッセージとして、〈一人じゃない by your side I’m your best friend (your best friend)〉と歌っていたりとか、すごく共感できました。
SAM:自分にとっては今のレパートリーの中で一番歌うのが難しい曲だと感じています。でも、歌うとすごく気持ちいい。キーが結構高いんですが、僕はハイトーンで歌うのが好きなので。
ーー廉さんがボーカルとラップを交互に繰り出す感じも印象的ですね。
渡邉:今回、初めてサビでボーカルを担当しました。ボーカルのレッスンも受けてはきましたが、レコーディングでは結構苦戦しちゃいました。僕が歌ってSAM、僕が歌って志、と繋いでいく感じなので「ボーカル3人のレベルに追いつかないと」というプレッシャーもあって。でも志がアドバイスをくれたり、SAMも一緒に練習してくれたり、みんなのサポートがあったので、今の自分の限界を出せた気がします。
ーー曲はミディアムテンポですが、振りは結構タイトですよね。
半田:僕はもともとRIEHATAさん(国際的に活躍するダンサーで、BTSや三代目JSBらの振付も手がけている)のスタジオで習っていたんですが、RIEさんのもとでやっているKazuくんというダンサーさんが今回の曲のイメージにぴったりだったのでお願いしました。
髙橋:曲を聴きこんで歌詞にはめるような形で作ってくださったので、もう最高な出来栄えです。いただいた振りをそのままコピーだけでなく、僕たちだけのリハでPSYCHIC FEVERに落とし込んでいく作業もすごくスムーズにいったなと思います。
ーー現時点でPSYCHIC FEVERとして最高のパフォーマンスがこの曲で見られると。
JIMMY:はい。その分、過去イチ踊るのが大変です(笑)。けど、例えば〈love〉のところでハートのサインを作ってみたり、細かい歌詞や音までを汲んで作ってくださっているのでカッコいい仕上がりです。