ヒゲドライバー、emon(Tes.)、YASUHIROらヒットメーカーが多数所属 作品に“エッジ”を加えるTOKYO LOGICの魅力

作品に“エッジ”を加えるTOKYO LOGICの魅力

 メディアミックス作品などの浸透により、様々な人気作品にクリエイターとして参加する“作家性を持ったアーティスト/ミュージシャン”の活躍が著しい昨今。その中で存在感を強めているクリエイター総合マネジメント事務所「TOKYO LOGIC」をご存じだろうか。

 「TOKYO LOGIC」はかつてavexグループ傘下のハッチ・エンターテイメントに存在した音楽レーベル「LOiD」が母体となったマネジメント事務所。「LOiD」は日本でネットレーベルが注目を集めた2000年代後半~2010年代初頭、インターネットで活躍するクリエイターが集うレーベルとして人気を集め、2011年に運営母体の統合がきっかけでレーベル機能を停止。その後代表を務めるA&Rの村田裕作氏が、ゆよゆっぺ、ヒゲドライバー、マチゲリータといった所属メンバーに声をかけ、2012年に「TOKYO LOGIC」を設立した。

 最大の特徴は、ジャンルや音楽性に制限のないボーダーレスな活動を行なっていること。これまでレーベルにかかわってきたアーティストはヒゲドライバー、ゆよゆっぺ、emon(Tes.)、Massive New Krewの篠崎あやと&橘亮祐、烏屋茶房、baker、やいり、Powerlessなど様々な楽曲提供を行なう&アーティスト活動も展開する人気クリエイターたちで、活動分野はボカロ、アイドル、バンド、クラブミュージック、アニソン、ゲーム音楽など多岐にわたる。

ヒゲドライバー - ミラクルすぎてヤバイ feat. shully

 たとえば、2020年に作家生活15周年を迎えたことも記憶に新しいヒゲドライバーは、自身名義でのソロ曲や楽曲提供、そして自らボーカルを務めるバンド・ヒゲドライVANなどを通して、チップチューンを筆頭にしたエレクトロからバンドサウンドまで幅広い楽曲を手掛けるメンバーのひとり。楽曲によってシリアスになったりユーモア全開になったりと表情を変えつつも、どの曲にも不思議と耳に残るポップなメロディが詰まっている。

 作家としてはTVアニメでは『機巧少女は傷つかない』のEDテーマ「回レ!雪月花」を筆頭に様々な楽曲を担当。特に「回レ!雪月花」は2013年の楽曲ながら現在も様々な「歌ってみた」が投稿されたり、歌配信やライブでカバーされたりしている楽曲で、作家としての代表曲のひとつでもある。遊び心をいっぱいに詰め込んだかのような音数の多いトラック&メロディが次々に顔を出し、最初から最後まで飽きさせない構成になっている。

「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」ゲーム内楽曲『LOVE is GAME』MV【アイドルマスター】

 また、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の2周年に発表された「シャイノグラフィ」や『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』の「LOVE is GAME」など同シリーズの様々な楽曲も担当。近年はVTuberへの提供曲も多く、ホロライブの桃鈴ねね、にじさんじの本間ひまわり、YuNi、電脳少女シロらのオリジナル曲を担当している。ボーカルレスのクラブチューンからボカロ曲、ゲストを迎えた楽曲、自身で歌う楽曲まで、メロディに対するアプローチひとつでも様々な引き出しを持つクリエイターでもある。

shake it!|初音ミク feat 鏡音リン・レン

 一方、emon(Tes.)は、ボカロクラシックの「Shake it!」や「どりーみんチュチュ」などの産みの親でもあるボカロP/作家。こうした楽曲同様、エレクトロをベースにしつつもどこか甘酸っぱくポップな曲が多いのが特徴で、最近は『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』にも描き下ろし曲を提供。キラキラとキュートなボカロ×エレクトロ曲をつくらせたらこの人の右に出る者はいない。とはいえ、アレンジを担当したナナヲアカリ「逆走少女」では、ギターサウンドとエレクトロを絶妙にブレンドした曲に仕上げている。

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