ヒゲドライバー、emon(Tes.)、YASUHIROらヒットメーカーが多数所属 作品に“エッジ”を加えるTOKYO LOGICの魅力

作品に“エッジ”を加えるTOKYO LOGICの魅力

踊れオーケストラ YASUHIRO(康寛) feat.IA

 TOKYO LOGICには他にも様々なメンバーが在籍している。「踊れオーケストラ」や「厭世輪舞曲」などで知られるボカロPのYASUHIRO(康寛)もそのひとり。彼はそらるの2021年のアルバム『ゆめをきかせて』の収録曲「リユニオン」や、にじさんじからメジャー・デビューした3人組ユニット・▽▲TRiNITY▲▽の「PRiSM」、「ENLIGHTRIBE(エンライトライブ)」などのキャラクタープロジェクトに楽曲を提供。中でも「踊れオーケストラ」は、優雅なオーケストラアレンジとモダンなポップさが見事にひとつになっている。

知らん。 / 初音ミク - アオワイファイ

 2018年からボカロPとして活動しているアオワイファイも、楽曲ごとに様々なサウンドに振り切れていくクリエイターのひとり。疾走感のあるロックやビートを強調したクラブミュージック由来のポップ曲、グルーヴィなエレクトロスウィングまで様々な曲を発表している。作家としては昨年末にシリーズのファンだったという『アイドルマスター シンデレラガールズ』に「Let's Sail Away!!!」を提供。『A3!』でもヒゲドライバーが作曲・編曲を担当した楽曲「Be Greedy Diver!」で作詞を担当するなど活躍の場を広げている。

 所属メンバーの多岐に亘る活動をまとめてみると、印象的なのは、古今東西の様々な作品/カルチャーに“エッジ”を加えるような存在であること。特定のジャンルにこだわることなく、楽曲ごとに様々な音楽性に振り切れられるメンバーが所属しているからこそ、アニメ、ゲーム、VTuberなど現在進行形で盛り上がるコンテンツにクリエイターとして参加し、それぞれとの魅力的な化学反応を生み出すことができる。

 一方、ボカロPのような個人活動においては、商業作品というある種の制限の外側で、個々人のカラーを存分に発揮した楽曲を発表。自身のフィールドでもバズを起こしたり、注目が集められるのは、それぞれが確かなスキルや光るものを持っているからだ。また、ベテランから新鋭まで、世代を横断する粒ぞろいなクリエイターが集まっているからこそ、互いに切磋琢磨するような、より良いクリエイティブを生み出す環境にもなっているのかもしれない。

 そうした作家としての顔と、クリエイターとしての顔の両方があることで、各メンバーの活躍を幅広い場所で見ることができる。実際、音楽、ゲーム、アニメ、VTuberといった様々なユースカルチャーの最先端を紐解いていくと、この事務所のクリエイターの名前を目にすることができる。ここ数年はアイドルプロデュースもはじめており、ますますかかわるジャンルも広がりつつある。ユースカルチャーを盛り上げる異能クリエイター集団として、その存在感を増していきそうだ。

■リリース情報
ヒゲドライバー「ミッドナイト煩悩ダンシング」
https://nex-tone.link/A00100544
無力P「Nemesis」
https://nex-tone.link/A00100925
YASUHIRO(康寛)「極楽ってきな」
https://nex-tone.link/A00101422

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