乃木坂46 山崎怜奈、NMB48 渋谷凪咲……アイドルのラジオの面白さ “本心”を伝えられる場にも

 NMB48の川上千尋が6月9日深夜のラジオ番組『オールナイトニッポンX(クロス)』(ニッポン放送)でパーソナリティを担当する。3月27日に開催されたNMB48の27枚目シングル表題曲の選抜メンバーを決める総選挙で1位に輝き、グループの顔となった彼女。大の阪神タイガースファンで野球を絡めたトークが達者とあって、良い意味でコアな内容になる予感がする。

 新型コロナの影響によって在宅時間が増えた昨今、さまざまな音声コンテンツが誕生し、ラジオもそのおもしろさが再評価されている。

 ラジオの魅力は、パーソナリティであるタレントたちがメッセージを“直接”伝えられる部分である。テレビ、ネットニュースなどでは他者による編集が加えられることで、当事者が本当に訴えたいニュアンスが微妙に歪曲する可能性がある。自身のSNSでも、文字ベースなので読み手の捉え方次第で誤解を招くことも。その点でラジオは、まさに自分の言葉で物事を発信できる。声のトーンやテンションからその感情を読み取ってもらえる点も大きい。そういった部分も踏まえると、タレントにとってラジオはメリットが多いメディアなのではないだろうか。

乃木坂46 山崎怜奈の理想の番組は『伊集院光とらじおと』『たまむすび』

 NMB48の渋谷凪咲は2021年12月18日放送『オールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)でパーソナリティをつとめた際、ラジオの良さについて「(喋っている人の)その人の本音や考えていること、好きな笑いとか、テレビでは観られないような一面を知ることができる」と語った。現に同回では、冒頭でうっすらとしたお天気トークを展開したが、これは渋谷が「笑いの完全体」とリスペクトするダイアンのラジオ番組『ダイアンのよなよな…月曜日』(ABCラジオ)のオマージュ。ほかにも番組では、ほぼ全編にわたって渋谷の好きなものが溢れ出ていた。母親の影響で『上沼恵美子のこころ晴天』(ABCラジオ)を聴いていたと公言するなど、大のラジオ好きで知られる渋谷。彼女がバラエティ番組などで大活躍している要因のひとつは、ラジオでさまざまな話を聴いてきた経験が間違いなくあるだろう。

 2020年10月にスタートした人気番組『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM)のパーソナリティ、乃木坂46の山崎怜奈も大のラジオ好きで有名だ。山崎は、雑誌『リスナーが本気で選んだ人気ラジオ番組完全ガイド 2021 ラジオ番組最強番付』(2021年/晋遊舎)のインタビューで、「伊集院光さんの『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)や、赤江珠緒さんの『たまむすび』(TBSラジオ)のように『いつのまにか、気がついたら聴き続けていた』みたいな安心感や立ち位置が理想」と言い、また「体裁とか見栄を意識していると、それが透けて見えてしまうのがラジオだと思っていて」と気負いなくマイクに向かって喋っていると話した。

 ちなみに大阪在住の筆者が必ずチェックしているのは、NMB48の安部若菜による『NMB48のTEPPENラジオ』(MBSラジオ)だ。落語好きであり『R-1グランプリ 2022』でも2回戦まで進んだ安部だけあって、丁寧な話術がお見事。また彼女が披露するエピソードトークはどれも当時の状況がイメージしやすく、その点も素晴らしい。4月30日放送回で「(通学する)大学に友だちがいない。学食へ行くのも怖いからひとりでコンビニのご飯を食べている」とキャンパスライフを振り返ったときは、なんだか切なすぎて逆に笑えてしまった。

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