KAT-TUN、時流に合わせたデジタル展開は何を意味する? 配信コンテンツが示すグループの充実感
3月29日に前作から約2年半ぶり、10枚目となるオリジナルフルアルバム『Honey』をリリースしたKAT-TUN。今回はディスク3形態(通常盤、初回限定盤1・2)に加えて、アルバム収録曲の一部を『Honey(Selected Edition)』としてデジタル配信も行われた。
デビュー日である3月22日には発売に先駆けて、アルバムのリード曲「Ain't Seen Nothing Yet」を音楽配信サービスで先行リリースするなど、時流に合わせた展開を見せている。本稿では、この一年でさらなる加速を見せるKAT-TUNのデジタル展開について触れてみたい。
デビュー15周年を迎える直前の2021年3月、シングル『Roar』でグループ初となるデジタル配信を行い、その後も『We Just Go Hard feat. AK-69 / EUPHORIA』、「CRYSTAL MOMENT」(配信限定シングル)をリリースするなどデジタル展開が加速。単なるリリース形態の拡大ではなく、楽曲としても攻めの姿勢を貫き、挑戦が伴っているのがKAT-TUNらしい。なお、遡ること2013年にもmusic.jpにて期間限定で「BOUNCE GIRL」が独占配信されたが、限られたユーザーのみしか聴くことができなかったことも踏まえると、当時はまだジャニーズにおけるデジタルへの壁が厚かったことも窺える。
音楽配信に加え、ライブ配信もKAT-TUNが先陣を切ってきた。デビュー12周年の記念日だった2018年3月22日には、横浜・大さん橋で初となる野外イベント『KAT-TUN 2018 FIRST IMPRESSION-Ask Yourself』を開催。その模様はLINE LIVEで配信されるなどこちらも初の取り組みだった。また同年にサービスを開始したParaviにて冠番組『KAT-TUNの世界一タメになる旅!+』(のちにTBS系で放送)の配信がスタート。東京ドームで行われた『KAT-TUN LIVE 2018 UNION』の中で“天の声”によって発表され、ファン投票でロケ先を決定したのも懐かしい。企業サイドとしてもサービスを浸透させる目的がある中で、彼らを起用した背景には地上波からデジタル配信に移行しても見応えのある番組作り、またグループを支えるファンの熱心な応援、発信力に期待されたのも要因ではないだろうか。