新しい地図の3人と小泉今日子による珠玉のトークも 5年目突入の『ななにー』に溢れた新しい一歩踏み出すパワー

5年目に突入した『ななにー』振り返り

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾のレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA、※以下『ななにー』)が、4月3日放送の#49をもって5年目に突入。そんな節目のタイミングにオンエアされた4月の『ななにー』は、多くのゲストと共にトークを繰り広げる回に。

 千原ジュニア、フリーアナウンサーの青木源太、安東弘樹、大島由香里、吉田明世、直木賞作家の今村翔吾、そして小泉今日子と、バリエーション豊かなゲストが名を連ねたが、その語られる内容には“何歳からでも自分らしいリスタートはできる”という共通したテーマがあるように思えた。

 まずは、引きこもっていた中学生時代、ビギナーズラック以降3年間スベリ続けた下積み時代、九死に一生を得た大病や事故……と、何度も人生の大きな壁を乗り越えてきた千原ジュニアとのホンネトーク。

 かつて香取とも共演していた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)は、引きこもっていたころに見ていたキラキラした世界だったことも明かされる。カメラの向こうに、いつかの自分と同じように一歩を踏み出さねばと思って鬱々としている人がいるかもしれない、と思いながら出演していたという話は、エンタメの持つエネルギーのリレーを感じさせるエピソードだった。

 特別お笑いが好きなわけではなく“早く部屋を出なければ”と思っていたとき、たまたま兄の千原せいじから誘われたのがお笑いの世界だった。そんな人の縁によって大きく変わっていくのも人生の面白いところ。香取から「今のテレビどうですか?」とたずねられたときにも「流されるがままにやってる」と垣根を設けずに活動していくスタンスについて語る。「数年前はYouTubeやるなんて思ってもなかった」という変化を受け入れ続けることが、千原ジュニアの再起力に繋がっているように思えた。

 そして文字通り、各局からフリーへと転向する大きな決断をしたフリーアナウンサーたちのトークものびのびとしたものだった。自分の強みや価値を最大限に発揮できる仕事を積極的に受けていくために、会社のペースに自分を当てはめる働き方を見直すために、プライベートなライフステージの変化に対応するために……それぞれ理由は異なれど自分で決めた道を突き進む姿は清々しいものがある。

 また『インテリゴロウ』に登場した小説家・今村翔吾も「いつか」と思っていた小説家への夢を叶えるために、30歳で一念発起した1人。ダンス講師としての安定した道から、何も保証されていないチャレンジングな道へ。それは勇気が必要な決断だったが、その一歩がなければ多くの人の心を動かした直木賞作品が生まれることも、「何歳からでも夢は叶う」と子どもたちに自らの姿を見せることもなかったと思うと、ときに人生は先がわからないことを楽しむ、余裕こそが大事なのだと考えさせられた。

 その姿勢は、新しい地図を広げた当時の3人の状況ともリンクしているようにも。何もないところからスタートするときのワクワクと同時にやってくる不安。すべてを失う覚悟で踏み出さなければならなかった厳しさ。それを身を持って知っている3人だからこそ、ゲストたちの“今だから話せる”とっておきのトークを引き出すことができるのかもしれない。

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