iScream、音と一体になって生み出した3人のグルーヴ EXILE HIROの想いから実現した名曲カバーを語る

iScream、音と一体になった3人のグルーヴ

 LDH発、平均年齢17歳の次世代型ガールズユニット iScreamが、1月14日に3rdデジタルシングル「つつみ込むように…」を配信リリースした。同曲はMISIAが1998年にリリースしたヒット曲のカバーであり、トラックメイカー Dirty Orangeにより、当時へのオマージュも感じられるサウンドにリビルドされている。原曲へのリスペクト、そして現役高校生でもある今のiScreamならではの勢いのある歌声が楽しめる作品だ。今回は、24年の時を経た名曲をカバーするに至った背景、3人の個性が出るレコーディングの様子や成長について、たっぷりと語ってもらった。(佐藤結衣)

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EXILE HIROが見つけた、iScreamと90年代の名曲の親和性

ーー「つつみ込むように…」、伸びやかな歌声が素晴らしかったです。iScreamの歌唱力がしっかりと伝わる作品になりましたね。

RUI:ありがとうございます! 実は今回、EXILE HIROさんから「『つつみ込むように…』というすごい名曲をiScreamが歌ってみたらどうか?」とお話をいただく形でスタートしたんです。当時のMVには、大先輩のEXILE MAKIDAIさんがダンサーとして出演されていたという縁もあって。私たちが今歌う意味や、HIROさんの想いなどを感じながらリリースすることになりました。

YUNA:これまで、HIROさんから直接リリースの意図についてお聞きする機会はなかなかなかったので、「魂の入ったグループにこの楽曲を歌ってほしい」という想いを聞くことができて、すごく嬉しかったです。

HINATA:誰もが知っている名曲なので、それを私たちのような新人グループがカバーするって本当に大丈夫なのかな? というプレッシャーや不安もあったんですけど、「HIROさんから任せてもらえたんだ!」とも考えられるようになって。そこからは細かいところまでこだわって練習して、レコーディングに集中することができました。

RUI

ーーHIROさんから熱い言葉をたくさんいただいたんですね。

RUI:はい。私たちの等身大でハツラツとした歌声を聴いて、HIROさんの中でThe Jackson 5のような少年っぽさを感じたようで。今流行りの曲調だけじゃなくて、時を遡って90年代の楽曲との相性の良さがありそうだとおっしゃっていただけたのが、大きなきっかけです。

ーーなるほど。やはり歌声というのは、変わっていくものですか?

YUNA:そうですね。個人的にデビューしてからも結構変わったと言われることがあります。歌い方もそうですし、今まで出せなかった声が出せるようになったりとか。変化を感じますね。

HINATA

ーーその変化は3人でお互いに感じるものですか?

RUI:かなり感じます。この「つつみ込むように…」の練習を通しても感じる場面が多くありました。本番のレコーディングをする前にたくさん練習を積み重ねた分、表現の仕方やリズムのノリ方、言葉の発し方がかなり変わっていたんです。その変化には、自分たち自身でも結構驚きました。

HINATA:この楽曲を歌うポイントは、「音とどれだけ一体化できるか」にあると思うんです。MISIAさんの歌声もまるで楽器を演奏しているかのように、後ろで鳴っている音と声が一体化しているように聞こえて。 そのグルーヴ感を私たちも表現したかったので、少し大袈裟かなっていうくらい思い切り音楽にノる感覚を試行錯誤しました。

YUNA:こうして(体を動かしながら)踊りながら歌う感じで! もし皆さんがカラオケでこの曲を歌うときにも、体を動かしながら後ろの音とバラバラにならないように意識すると気持ちよく歌うことができると思います。

原曲の魅力を細かく咀嚼しながら目指した完全燃焼

ーー最初の印象的なホイッスルボイスはYUNAさんの歌声ですよね?

YUNA:はい。ホイッスルボイスはもともと出せてはいたんですけど、安定しているとまでは言えなくて。原曲を知っている方は、ホイッスルボイスで歌っているMISIAさんを知っていると思うので、この曲のキーポイントですよね。そこにはやっぱりプレッシャーも感じていたんですけど、「出そう」じゃなくて「出ちゃった」みたいな感覚で歌うのがすごく大事かなと思っていて。今回レコーディングするにあたっても、一発目で当てられる正確性を高めるために先生とたくさん練習しました。

iScream "つつみ込むように..." (Music Video)

ーーどのくらいの期間をかけて、どのように準備されたのでしょうか?

HINATA:「himawari」をリリースしたあとにリリースが決まったので、今回は1カ月半くらいで仕上げていきました。

YUNA:3人で合わせるリハーサルもありましたが、基本的には個々でインストゥルメンタルだけを聴いたり、MISIAさんの声を聴いたりしながら練習しました。ノートを持って、自分が「どういうふうにここを歌いたい」とかメモしながらやっています。3人でリハーサルするときも、1回バラバラになって自分たちで整理する時間を作ったりとか、今までとちょっと違うやり方をした部分もありました。

RUI:これまでリリースしてきた『Maybe...YES EP』も「himawari」も、もちろん想いを込めて歌ってきたんですけど、今回はさらにレコーディングに時間をかけて完全燃焼した感じがありますね。自分たちでも、聴き直してちょっとでも納得いかないフレーズがあったら「これでOK」と言われていても、「もう1回チャレンジしたいです」とお願いして、今の最大限を出し切れるように意識しました。

YUNA

ーーどのフレーズにどのような想いを込めたのか教えてください。

RUI:私はDメロの〈明日が見えなくて 一人で過ごせないよ〉がすごく好きで。レコーディングをしていると、同じ作業の繰り返しのように感じて、行き詰まっちゃったりとか自分の中でもがくような時間もあって。「もっと自分の思うようにやりたいのにどうしよう……」となったときに、この歌詞が自分で歌っていてすごく刺さったんですよね。MISIAさんの自由な歌い方と強さがある歌詞に、私自身も背中を押されたので、Dメロは寄り添う気持ちで歌いたいなという想いが芽生えました。

HINATA:私はRUIちゃんが話していたDメロのすぐあとにくる〈もがくほど 心焦るけど〉の部分を歌っているんですけど、ラスサビが盛り上がるための大事なポイントでもあったので、特に意識して歌いました。一見ちょっとネガティブっぽい歌詞に見えますが、〈けど〉と言っているので、グッとポジティブな方向に頑張って向かわせるパワーがあって。それがラスサビに向けて盛り上がる部分なんだなと思ったんです。「自分は何があっても大丈夫」という気持ちを持って歌うようにしています。

YUNA:私は全体的に、歌の主人公の語り口を意識するようにしました。例えば、〈いつからか大人ぶっていた 毎日に慣れてしまって〉の部分は、主人公が歌っているというより、喋っているように感じたんです。「毎日に慣れてしまって」と誰かに語りかけてるような。でも、そのあとの〈ただ素直に 感じあえること〉は、どちらかというと歌ってるような言葉なのかなと。その言葉が外に向けて発せられたのか、内側に向けられたものなのかを細かく分けて歌いました。

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