Yogee New Waves、固く結び合った4人のアンサンブル バンドの充実ぶりが表れた『WINDORGAN TOUR 2021』

Yogee、固く結び合ったアンサンブル

 Yogee New Wavesが、全国ツアー『WINDORGAN TOUR 2021』の東京公演を11月16日にZepp Tokyoで行った。本ツアーは、彼らが前作『BLUEHARLEM』からおよそ2年半ぶりにリリースした通算4枚目のアルバム『WINDORGAN』を携え、福岡 DRUM LOGOSを皮切りに全国14カ所で行ってきたもの。この日は沖縄での最終公演を前にしたセミファイナルで、新型コロナウイルスの感染予防対策のためフロアは着席スタイルだったものの、東京で行われる彼らの久しぶりのライブを待ちわびたオーディエンスで会場はひしめいていた。

 The Wooden GlassによるCarpenters「We’ve Only Just Begun」のインストカバーがいつものように流れ、メンバー4人がステージに現れると大きな拍手が上がる。筆者が最後に彼らのライブを観たのは2019年12月、Suchmosをゲストに迎えて新木場STUDIO COASTで開催された自主企画イベント『Dreamin’ Night vol.6』だったから、およそ2年ぶりとなる。あの時はサポートメンバーに高野勲(Key)と松井泉(Per)を迎えていたが、今夜は最初から最後まで4人編成のようだ。

 セッティングが終わり、拳を合わせる“グータッチ”で絆を確かめ合う彼らの姿に再び拍手が湧き上がる中、角舘健悟(Vo/Gt)がゆっくりとエレキギターをかき鳴らす。まずは2ndアルバム『WAVES』収録の「World is Mine」からこの日のライブはスタートした。角舘の伸びやかな歌声に導かれるように、粕谷哲司(Dr)と上野恒星(Ba)が繰り出す軽やかなシャッフルビートの上で、竹村郁哉(Gt)のギターが歯切れよく刻まれると早くもフロアは総立ちに。

 「『WINDORGAN TOUR』へようこそ!」と角舘が叫び、ステージが青い照明に包まれると「to the moon」へとなだれ込む。モジュレーション・エフェクトを施した竹村のスペーシーなギターサウンドと、ラテンのエッセンスをまぶした上野のグルーヴィなベースラインが混じり合い、まるで宇宙遊泳をしているような心地よさに包まれる。妙に低音をブーストしたり、ハイの抜けを過剰にしたりすることなく、中低域にグッと寄せた“音の塊”のようなサウンドスケープ。そこにはあくまでも「バンド」にこだわる4人の矜恃が垣間見えるようだ。

 スキップするような角舘のカッティングギターが楽しい「You Make Me Smile Again」は、サビの大胆なテンポチェンジも印象的。同期の類いは一切使わず、全員で息を合わせて緩急をつけていく様は、まるで巨大な生き物が蠢いているようにすら感じられる。それにしても、竹村のギターのなんと雄弁なことよ。カッティングやオブリガート、アルペジオなどを巧みに使い分けながら、アンサンブルに「ストーリー」を注ぎ込んでいく姿は、ジョニー・マー(The Smiths)やジェームズ・カーク(Orange Juice)、エズラ・クーニグ(Vampire Weekend)らを彷彿とさせるものがあった。

「お久しぶりです、Yogee New Wavesです。ようやく東京に帰ってきました。なかなかライブができない日々が続いたけど、こうしてまた皆さんの前に戻ってこられてとても嬉しいです。今日は要らないもの、全部置いていっちゃいましょう!」

 そう角舘が呼びかけ、どこかマージービートを思わせる「White Lily Light」や、エンディングのシューゲイズ的アプローチが圧巻だった「Night Sliders」、上野によるスリリングなウッドベースリフと、ポエトリーリーディングのような角舘のボーカルが絡み合う「Jungrete」に、サイケデリックかつドリーミーな(その名も)「Long Dream」と、最新作『WINDORGAN』からの楽曲を中心に、ライブ中盤のプログレッシブな世界観を作り上げていく。



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