HY×DJ HASEBE 『HONEY meets ISLAND CAFE』対談 海が結びつけた2組による“懐かしさと新しさ”の共存

HY×DJ HASEBE対談

HYにしか作れないメロディの良さを再確認する瞬間も(新里)

新里:僕は「BLUE」が特にお気に入りです。ずっとステップを踏みながら踊っていたくなるような。自分たちのライブでも、このHASEBEさんのリミックスを取り入れてリアレンジしたくなるような楽曲でした。

名嘉:ガットギターと打楽器のバランスが絶妙過ぎて。新しくメロディが頭に入ったりしているじゃないですか。あの展開もすごかったです。

HASEBE:ちょっとラテンな要素が入れたくて、GIRA MUNDO(ジーラムンド)さんというギタリストに弾いてもらいました。ビートの感じも跳ねたスネアがたまに入るような16ビートにアレンジしてみましたね。

名嘉:しかもスネアの位置が、ループしているように見せかけてだんだん変わってくるじゃないですか。あれがめちゃめちゃツボでした!

HASEBE:あははは。嬉しいですそれは。

名嘉:ビアフェスタとかで自分たちが演奏して、みんながオリオンビールを飲んで喜んでくれている光景が思い浮かぶんです(笑)。あと「Ocean」は、オリジナル曲ではディストーションの効いたギターが入っていて。今回、HASEBEさんのリミックスではそれがエレピになっているんですけど、ディストーションギターだと県外の人たちが考える”美しい沖縄の海”のイメージにそぐわないんじゃない? クリアなアコースティックギターの方がいいんじゃないの?みたいなことを、20年経って改めてHASEBEさんに提案された気がしましたね(笑)。

HASEBE:(笑)。「Ocean」や「ホワイトビーチ」は、最も王道的なサーフロックというか。ヒップホップっぽいビートにアコギや柔らかめのエレキサウンドを乗せているような、西海岸のアーティストの定番的なサウンドメイクをやってみたんですよね。HYのレパートリーの中でも、この2曲はそういう要素が最もわかりやすい形で伝わるんじゃないかと思ったので。

許田:確かに「ホワイトビーチ」でイントロからずっと鳴っているアコギのカッティングとか、すごく勉強になりました。自分たちもアコースティックセットでこの曲を演奏する機会があるので、ぜひともこのバージョンを取り入れてみたいです。

HASEBE:恐縮です(笑)。ちなみに、この曲のアコギはShu Fujiyamaくんというギタリストに弾いてもらいました。

新里:「さあ行こう」という曲は、アレンジとサウンドがとにかくカッコ良く心地よくなっていて、なんだか歌も録り直したいくらいでした。

HASEBE:あははは。

新里:HASEBEさんには、HYがこんなふうに映っているんだなということを知れたのも嬉しかったし、HASEBEさんのアレンジが入ることで、逆にHYにしか作れないメロディの良さを再確認する瞬間もあって。こういうコラボだからこそ気付くことがたくさんありましたね。

名嘉:僕らは2013年からレコーディングも沖縄でするようになり、東京でやっていた頃にスタッフさんから教わった技術を、限られた機材を駆使しながら工夫してレコーディングも行っているんですけど、今ヒデが言ったように、自分たちの作った楽曲をHASEBEさんのサウンドで蘇らせてもらったような感じがして。「この曲の、この音はどうやって作ってるんですか?」とか、一つひとつ細かく教えていただきたいくらい、真似したい手法がたくさんありました。

HASEBE:今度、沖縄に遊びに行った時にでも、その辺りぜひゆっくり話したいですね。

HY全員:ぜひ!

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止まらずに進化していくHYを見せていくことも大事(仲宗根)

ーーコロナ禍でステイホームを余儀なくされる日々が続いていますが、そういった新しいライフスタイルに合わせたリミックスワークは意識されましたか?

HASEBE:はい。今回のリミックスでは、アップテンポでダンサンブルなサウンドを残しつつも、日常生活にスッと溶け込んでいく感じ、単純にBGMとして流しても心地よくなるようなアレンジやサウンドの質感を目指しました。

ーーちなみにステイホーム期間はどんな日常を過ごしていましたか?

HASEBE:今は自宅からライブ配信をマイペースに行なっているのですが、そういう新しい形は昨年くらいから積極的にやるようにしていますね。今回の緊急事態宣言によって9月のイベントもほとんど中止になってしまい、去年からそういうことが続いているので「仕方ない」という感じです。とにかく、今は曲を作ってネットで配信したり、サブスクやCDで聴いてもらったりみたいな。そういうことをコンスタントにやりつつ、以前よりも時間ができたので新しいことを学んだりもして次に備えられればいいなと。今はそういう精神状態ですね。

ーー新しいこととは具体的には?

HASEBE:自分はヒップホップというジャンルにいて、その中でしか物事を進めてなかったので、知らないことだらけだなということを、この歳になって痛感したというか。これから吸収できるものはなんでも吸収して、自分というフィルターを通してアウトプットできたらいいなと思っていますね。

 今回のリミックスもある意味では新たな挑戦です。普段の自分が依頼を受けるものは、R&Bやヒップホップなど展開も結構シンプルな楽曲が多いんですけど、HYのようなポップ感を自分の引き出しとどう繋げ、お互いの良さを引き出すにはどうしたらいいかは大きなテーマでしたし、先ほど話にも出た「車に乗って」のリミックスは、そういう意味でも自分にとってチャレンジングな経験でしたね。

仲宗根:私たちも、今までライブをやることが当たり前だったのに、今は配信が中心の、取材でもこうやってカメラ越しに見てもらう世界になってしまったわけじゃないですか。何度か有観客ライブもやってみたのですが、声を上げることはできなかったり、一緒に歌うこともダメだったりして。そこからまたどんどんライブもできなくなり、「自分たちにできることってなんだろうな」とずっと考えていましたね。誰にも会えない期間、とにかく曲を作り続けることも大切ですが、色んなことに挑戦し、止まらずに進化していくHYを見せていくことも大事だなと。今回こうやってHASEBEさんと一緒にコラボができたことも、そういう意味でとても感謝しています。

ーー12月12日には沖縄で、HY主催のフェス『HY SKY Fes 2020→2021』があるんですよね?

新里:はい。そこに向けて、今は色々と準備をしているところです。家族全員で遊びに来られるような、すごく楽しい内容を目指しているので、感染対策をしっかりして成功させたいと思います。

仲宗根:去年そして今年と延期になったものが来年に繰り越されていて。うまくいけば、ここ2年くらいの内容が1年に集約され、来年はライブ三昧になるんじゃないかなと。そうなっていれば、みんなにたくさん会える機会が増えますし、コロナ禍の中でこうやってHASEBEさんとコラボした経験も、今後の曲作りに活かせるんじゃないかと思ってすごく楽しみでしかないですね。

許田:できればスカイフェスにもHASEBEさんに出演してもらえたら嬉しいです!

仲宗根:ここで仕事依頼?(笑)

HASEBE:あははは。タイミングが合えば是非。いつか沖縄でお会いできるのを楽しみにしています。

HY:お待ちしています!

『HONEY meets ISLAND CAFE presents HY Ocean Blue Sound -The Surf Remixes-』

■リリース情報
HY
サーフRemixアルバム
『HONEY meets ISLAND CAFE presents HY Ocean Blue Sound -The Surf Remixes-』
2021年8月25日リリース
UPCH-2233 2,310円 (税込)
配信リンク

<収録曲> 全7曲収録
1. ホワイトビーチ (DJ HASEBE Honey Beach Remix)
2. HY♡SUMMER (DJ HASEBE 90s Weekend Remix)
3. AM11:00 (DJ HASEBE Sea of Love Remix)
4. Ocean (DJ HASEBE Surf Pop Remix)
5. 車に乗って (DJ HASEBE City Boy Remix)
6. BLUE (DJ HASEBE Latin Wave Remix)
7. さあ行こう (DJ HASEBE Butter Smooth Remix)

■ライブ情報
「HY SKY Fes 2020→2021」 
2021年12月12日(日)沖縄総合運動公園 多目的広場
※前夜祭 12月12日(土)
「HY SKY Fes 2020」特設サイト:https://skyfes.net/

■関連リンク
HONEY(HY×DJ HASEBEインタビュー)
https://honey-mag.jp/articles/10247

HY
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