『美しき誘惑-現代の「画皮」-』インタビュー
竹内久顕が語る、映画『美しき誘惑』主題歌に込めた想い 「歌い方で妖魔の心の揺らめきを表現したかった」
美の誘惑は普遍的な問題
――少々話は変わりますが、今は映画も音楽も配信、つまりはサブスクリプションサービスなどを通じて楽しむのが主流になっています。竹内さんも映画や音楽に携わる上で、そういう環境面での変化を感じることはありますか?竹内:僕の学生時代はまだMDとかの時代だったので、TSUTAYAからCDを借りてきてコピーしてました。社会人になったぐらいから、今度はダウンロードの時代になって。今は、僕も大体スマホで音楽を聞いてますね。ただ、プロデューサーでもあるので、その時はスマホやイヤホンで聞いていると空間が見えないので、スピーカーでちゃんと聞きます。スマホが出てきてからも、時代の流れによって音楽の聴かれ方、音楽自体のニーズも変わっていきますよね? 今のコロナ禍における音楽についても、知り合いのアーティストの方とも話したりしますが、やはりコロナによる変化もあると思っていて。
今後もっと緊急事態宣言が厳しくなったり、コロナがさらに世界規模でまん延していくことになったら、みんな本当に家から出られなくなって、家にいながら経済を回す方法を考えなきゃいけない。そんな世の中になってしまった場合、音楽や映画がダウンロードやネットを通じて、もう一段深く聞かれたり見られるようになるかもしれません。これはプロデューサー観点の考え方ですが、私たちが手掛ける音楽がそういう聞かれ方を通して1つの新しいジャンルのようになったら面白いかなと思っています。
――では、最後にこれから作品を見る方、または見られた方にメッセージを。
竹内:本作は海外含め多くの賞をいただきました。映画本編は、やはり美しさは何かというのを問うている作品です。それはこれだけ賞を受賞したことを踏まえて、評価していただいた方々の国籍が違っても、何か届いたものがあるということだと思います。美しさの定義はすごく難しいじゃないですか。善も悪もあり得るし、それを判定することはすごく難しい。でも、やはり長い歴史の中で、普遍的に定めた美しさというのもあると思うんですよね。そうしたものを少しでもこの映画を通して感じてもらいたいです。
要は皮一枚剥げば、骸骨のように人間もすごい姿になる。だけど逆に皮一枚被ることで、絶世の美女にもなるんですよね。そして絶世の美女に騙されて、人生を破滅させてしまったり、社会的地位を失ってしまう方も数多くいらっしゃる。なので美の誘惑というものは、世界的にも普遍的な問題というか、どの国でもある問題だと思っています。映画のキャッチでも使わせてもらいましたが、「あなたの隣にいるその人も、妖魔かもしれない」、いや「あなたも妖魔かもしれません」と。それが映画のメッセージなので。
『美しき誘惑-現代の「画皮」-』
公開: 5月14日(金)
製作総指揮・原作:大川隆法
出演:長谷川奈央 市原綾真 芦川よしみ モロ師岡 矢部美穂 中西良太 デビット伊東 千眼美子(特別出演)杉本彩 永島敏行
監督:赤羽博
音楽:水澤有一
脚本:大川咲也加
製作:幸福の科学出版
製作協力:ニュースター・プロダクション ARI Production
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
配給:日活
配給協力:東京テアトル
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