THE ALFEEが語る、2020年に作品と活動で繋いできた“希望” 相次ぐリリースから配信番組まで、その歩みの中で得たもの

THE ALFEEに聞く、2020年の歩み

 THE ALFEEが、シングル『Joker-眠らない街-』を12月9日に発売した。

 表題曲「Joker-眠らない街-」は、テレビ東京『記憶捜査2~新宿東署事件ファイル~』の主題歌として6年ぶりに手がけたドラマ主題歌。THE ALFEEの真骨頂であるコーラスの効いたパワーバラードだ。本作は前作からおよそ3カ月というスピード感を持って届けられた。彼らが意欲的に作品をリリースする背景には、新曲こそが“希望”だという思いがある。

 THE ALFEEは2020年、作品と自らの活動を通してたくさんの希望を繋げてきた。8月には自身初となる無観客配信ライブを開催。9月には好セールスを収めたシングル『友よ人生を語る前に』を発売し、10月にはライブ、チャット、生トークを融合させた配信番組『Come on! ALFEE !! ~LIVE & チャット& 生トーク~』(全12回)をスタート。年内のライブツアーの開催は叶わなかったが、今できることに全力で取り組み、バンドの歩みを止めるばかりか加速させたところにデビュー46年を迎えたTHE ALFEEの底力を感じる。

 今回のインタビューでは、最新シングルの話はもちろん、無観客ライブや配信番組など新たな挑戦を通して得た気づきについて語ってもらった。(編集部)

僕らの歌や活動がみなさんの希望や未来に繋がっていけばいい

高見沢俊彦
高見沢俊彦

ーー前作『友よ人生を語る前に』から約3カ月。短いインターバルで新作を出そうというのは、もともとみなさんのプランの中にあったのでしょうか。

高見沢俊彦(以下、高見沢):一番は『記憶捜査2~新宿東署事件ファイル~』(テレビ東京系)の主題歌を依頼されたということが大きいですね。その期待に応えなきゃという気持ちで作りました。今年はツアーが全てなくなってしまいましたが、前回のインタビューでもお話ししたように、新曲は一つの希望だと僕は思っていますので、どんどん出していった方がいいのかなと。そういう意味も含めて、インターバルを短くしました(参照:THE ALFEEの3人が語る、“続けること”の大切さ 同世代に向けたメッセージソング、初の無観客配信ライブ開催への思いも)。

ーー坂崎さんはいかがですか? 新曲「Joker -眠らない街-」は、すごくドラマチックな楽曲です。

坂崎幸之助(以下、坂崎):THE ALFEEならではのバラードソングですね。いつの間にかこういったバラードってあまり聴かれなくなってしまった感じがあります。あと歌詞は強いけれどメロディでそれが和らいでいるので、そこもTHE ALFEEぽいなとは思います。

ーーあまり聴かれなくなったというのは、世の中の風潮として、ということでしょうか。

坂崎:そう。バラードっていうと、こういう感じじゃないですよね。今風のバラードっていうのがあるじゃないですか。

ーーいわゆるJ-POP的なバラード。

坂崎:そうそう。そういう感じとは少し違いますよね。

ーー桜井さんは、この曲でメインボーカルを務めています。

桜井賢(以下、桜井):今風のバラードが歌えないんでね(笑)。この曲を歌っている時にも思いましたけど、すごく詞が入りやすいですよね。都会の孤独を表すような言葉の描写が実にわかりやすい。でもサビでガラっと変わってくるところは、THE ALFEEらしいです。コーラスも含めて。それと、サビの歌詞をそんなに変えなかったのが歌う側としては覚えやすくていいですね(笑)。それだけ歌う内容に沿っているサビということなのでしょう。

ーーコーラスは一つの鍵かもしれないですね。先ほどの高見沢さんのお話にも出てきた「希望」という言葉は、曲の中でも歌われています。

高見沢:今のことを考えるとどうしても沈みがちだと思うんです。よく過去は変えられないけど、未来は変えられるって言うじゃないですか。だから僕らの歌やいろいろな活動がみなさんの希望や未来に繋がっていけばいいなと。最近は未来が予想できない状況になっていますけど、そういう時でも、希望を捨てちゃいけないなという気持ちが僕は強いです。

ーー『Joker -眠らない街-』には「振動α」という曲も入っていますが、こちらもすごくかっこよかったです。シンフォニックなハードロックとプログレッシブロックの要素を感じる曲といいますか。

高見沢:確かにその通りで、プログレとハードロックの融合という感じです。これは僕と坂崎で歌い分けています。僕らはクリスタルキングさんの「愛をとりもどせ!!」をカバーしているんですけど、めちゃくちゃ評判がいいんですよ。だったら僕らもそういった曲を作ろうと(笑)。オリジナル曲で二人だけで歌うものは意外となかったから、ちょっと面白いかなって。

ーー歌い方もシャウトに近い感じで。

桜井:巻き舌系のね(笑)。

ーー70年代あたりの匂いもありますよね。

高見沢:そうですね。僕らが70年代にデビューした時、ディスコなどには上手いバンドがたくさんいたんですよ。ディスコって昔はいわゆる箱バンみたいなバンドが生で演奏していたんですよね。外国の音楽のカバーとか、赤坂Mugenではフィリピンのバンドもいたかな。そういうバンドはすごく上手かった記憶があります。ツインボーカルのバンドも結構あって。

坂崎:ハリマオとかね。ツインボーカルで、クリスタルキングに通じる感じ。ハードロックなんだけど、コーラスが上手くてかっこいいなって。

高見沢:海外で言えばThree Dog Night、Uriah Heepみたいな。「これは凄い!」と思って見てました。

坂崎:『ぎんざNOW!』という番組でレギュラーでハリマオとは共演してたんです。僕らはフォークグループみたいな、なよっとしたまだ二十歳くらいの若造で、向こうは世代もちょっと上で芸能界も長くいたような感じだったし、上手いし。でも仲良くしてくれて、可愛がってくれましたよね。

高見沢:優しい人たちでしたね。

ーー当時のバンドマンは不良性があるというか、カッコいい感じだったんですか?

高見沢:でも知り合うと、意外にみんな真面目な方でしたね。

坂崎:音楽に対しても真面目だしね。

桜井:本当の不良は音楽やらないですよ(笑)。

坂崎:バンドに必ず音楽に強いメンバーがいて専門的にアレンジしたり、みなさん音楽的でしたね。クリスタルキングは同じレコード会社だったので、3人で盛岡で観に行ったことがあります。キャンペーン中にちょうど「クリスタルキングのライブがあるよ」って言われて、「ちょっと見たいです」って。

桜井:「勉強したいです」ってね。

坂崎:うまかったわ~めっちゃうまかった。

高見沢:海外のバンドにも負けないくらい実力があったと思いますよ。演奏も歌もめちゃくちゃうまかったですね。

ーーこの曲はある意味、その時代を少し彷彿させるところもあるかもしれない、と。

高見沢:そうですね。70年代のロックに今のフレーバーを少し入れています。とにかく桜井が「Joker -眠らない街-」でパワーバラードを歌っているので、じゃあカップリングは俺と坂崎の二人で歌おうって(笑)。

ーー桜井さんの声はーー。

桜井:僕は入ってないです。

高見沢:そう、桜井の声はメロには入ってない。参加はウーアーのコーラスだけです。

桜井:中途半端に入れないんで(笑)。

高見沢:ずーっと二声っていうのはかなり珍しいね。

ーーこれはステージでの披露も楽しみですね。

高見沢:「愛をとりもどせ!!」と続けてやろうかな。いつものように前に出てね(笑)。

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