THE ALFEEの3人が語る、“続けること”の大切さ 同世代に向けたメッセージソング、初の無観客配信ライブ開催への思いも

THE ALFEEの3人が語る、“続けること”の大切さ 同世代に向けたメッセージソング、初の無観客配信ライブ開催への思いも

 今年でデビュー46周年を迎えるTHE ALFEEが、8月24・25日の2日間連続で無観客配信ライブ『THE ALFEE 46th Birthday 夏の夢 2020 SUMMER8.24-25』を開催する。

 今回の配信ライブは、当初4月から開催予定だった全国各地のライブツアーの延期を余儀なくされたことを受けて開催を決定。コロナ禍は、46年もの間、絶え間なく音楽活動を続けてきたTHE ALFEEにとっても未曾有の事態として大きな影響を与えている。

 リアルサウンドでは、高見沢俊彦、桜井賢、坂崎幸之助にインタビュー。9月2日にリリースを控える68枚目のシングル『友よ人生を語る前に』と初の配信ライブの話題を軸に、今同世代に向けた強いメッセージソングを発表すること、ライブ開催への思いなど、“続けること”に対する3人の強い意志を聞いた。(編集部)

「友よ人生を語る前に」は、同世代の人へ向けた同じ高さの目線の歌

ーー表題曲「友よ人生を語る前に」は、とても強いメッセージが込められた楽曲だと感じました。まさに今の状況下、時代の中で聴くとより心に響いてくるものがあります。もともとTHE ALFEEのみなさんと同世代の方々に向けた曲として作られたそうですね。

高見沢俊彦(以下、高見沢):はい、そうです。予定していた春ツアーが延期になり、ステイホーム期間中はずっと創作に励んでいました。でも、ニュースを見ていると何だか気分が悪くなる。ニュースは現実の事実関係だけで希望がないですからね。で、僕らにとっての希望を探そうとなると、それはやっぱり新曲ですよね。新曲があれば先に繋がるし、未来のコンサートなども想像できますから。そういう新曲を作ろうという中の一曲です。

 5月くらいに制作したのですが、実を言うと、この曲はシングルのカップリング用として作ったんですよ。ところが作っていくうちに、こういう楽曲のメッセージも今のTHE ALFEEの代表にできるなと。こういう楽曲を歌えるのもバンドで言ったら僕らしかいないのかなと、そういう気持ちになってきて。歌詞のアップグレードを見ると53回も書き直してるんですよ。53番目でやっと完成した歌詞を乗せた曲ですね。

ーー桜井さんはこの曲でメインボーカルを務めています。最初に聴いた時、どんな思いがありましたか。

桜井賢(以下、桜井):自分たちもこういう歌詞を歌える年齢だな、と改めて思いましたね。今回のようなメッセージ性の強いタイプの歌は、だいたい坂崎がメインで歌ってきたので自分は歌わなくて済むだろうと思っていたんですけど、高見沢から「お前だ」と言われたので「はい」と(笑)。これまで歌ってこなかった世界観なので歌い方については少し悩みました。でも形が決まっているわけではないので、自分なりの歌い方をすればいいんだと思って歌いましたね。

ーー高見沢さんのお話にあったように、言葉が大事な楽曲です。

桜井:そうですね。個人的にはどうしても音的な部分を気にしてしまうのですが、高見沢プロデューサーからも詞のインパクトが出るようにしようという話はありました。

ーー坂崎さんはどうでしょうか。

坂崎幸之助(以下、坂崎):タイトルの「友よ」にしても「人生を語る前に」にしても、若者からはなかなか出てこない言葉ですよね。やっぱり僕らの年齢だからこそ出てくるものだし、吉田拓郎さんなんかもそうですけど、青春時代に聴いてきたアーティストの方々もこういったタイトルやテーマを歌ってこられたので、僕はすごく受け入れやすい歌詞でした。

ーーTHE ALFEEの曲としてはかなりストレートにメッセージを伝える曲になりましたね。

坂崎:そう。「人間だから悲しいんだ」(2017年)もそうですけど、このところ僕らの年齢、やってきた歴史に沿った楽曲も増えてきています。

ーー高見沢さんがシングルリリースに際したコメントで「三無主義のはしりと言われた同世代に向けた曲」ということを書かれていましたね。

高見沢:1970年代、僕らは高一でした。学生運動の波もひいて、いわゆるしらけ世代、「無気力、無関心、無責任」の“三無主義”のはしりと言われていた。でも自分たちが感じているものと大人が命名したものとの間にギャップはありましたよね。決してすべてにそうだったわけではないけれど、世代的にそう見られてしまったというのはある。それから長い時間が経って、今のような時代になって。ツアーもままならない、46年間こんなにメンバーに会わなかったことはないですよ。学生時代は学校に行けばいつでも会えましたからね。そんなことを思いながらステイホーム期間中に高校の卒業アルバムを見ていて「こいつ、元気にしてるのかな」と、ふとノスタルジックな気持ちになったんです。僕らの世代はここまで来てしまったけれど、やっぱりこんな時代だからこそもうちょっと頑張ってみようかなという、自分たちに向けたメッセージでもあります。同世代の人へ向けた同じ高さの目線の歌を今回作ってみようかなと。

ーー「人生を語る前に」という言葉からは、「人生を振り返るよりも先にいこう」という思いを感じ取ることもできます。

高見沢:そうですね。まだまだこれから道があるぞ、というか。俺の人生こうだった、ああだったという前に行動してみようか、まず動こう、そういう感じですね。僕らは古希で50周年ですから、そこまで頑張るぞというTHE ALFEEとしての意志も込められています。

ーー坂崎さん、大人たちは三無主義というかたちで当時の若者たちをクールな世代と見たけれど、それだけではなかったというお話が今ありましたが。

坂崎:結果論でいくと、若者世代はだんだん冷めていってますよね。ゆとり世代からさとり世代へ。若い人たちの話を聞いていても、物は別に欲しくないし、いろんなものに興味もない。僕らの頃の方がまだまだ欲はあったと思うな。あれが欲しいとか、今思うと欲はあった世代ではあったと思いますね。

 もちろん先輩方の時代は全共闘でやっぱり熱かった。僕はテレビの画面で見たものしか知らないけれど、自分にここまでできるのかなと中学生くらいの頃に思ったりしました。ただ、対象は違ったとしても僕らなりの熱さ、ぶつけるパワーはありましたよ。僕の好きだったフォークソングも60年代末くらいまでは意外と社会に対する反体制、プロテストソングが多かったですし。70年代になって吉田拓郎さんが出てこられてからは、自分の内のメッセージを伝えるようになっていきました。そうやってぶつける対象が違ってきただけで熱いものは常にあった気がしますね。

ーーフォークミュージックに造詣の深い坂崎さんですが、「友よ人生を語る前に」も大きな流れの中ではフォークミュージックに分類されるものと言えるでしょうか。

坂崎:言っていいと思いますよ。やっぱりあの時代を体験してきた僕らだから歌えるものだと思います。

高見沢:俯瞰で物事を見ているといろんなことがわかりますよね。僕らは学生運動はやってこなかったですし、フォークについても僕は坂崎と出会って知ることになったから後追いなんですよ。だから俯瞰で見れるし新鮮に楽しむことができたというか。音楽的に面白いものもあって、そういったものは自分たちの中で消化された楽曲でもあるかもしれない。とにかくそれまではグラムロックとハードロックばかり聴いてましたからね(笑)。

ーー桜井さんにとってはどうでしょう。フォークミュージックとの距離は。

桜井:どちらかというとフォークのほうがよく聴いていましたね。それでも坂崎ほど深く、URCを聴くほどではないけれど。一番最初にグループサウンズから洋楽にいって。でもやっぱり拓郎さんとかのフォークは聴きましたよ。

坂崎:みんなが共有してましたからね。

桜井:だけど高見沢が入ってきてからやたらとハードロックを聴かされて。

高見沢:やたらって言うなよ(笑)。

桜井:アート・ガーファンクルをずっと歌ってきたのが、いろんなハードロックバンドの歌を知らず知らずに歌わされましたね。

高見沢:Judas Priestのライブ、みんなで行ったよね。

桜井:Iron Maidenも3人で行ったね。本当に長い年月をかけて洗脳されました(笑)。

高見沢:ライブの演出にミイラが出るから面白いよって誘ってね(笑)。

桜井:そういったものに影響されて「星空のディスタンス」あたりからはヘビーメタルに近いような格好で出ていたので、見ている人たちの中には「この人たちどうしたんだろう」と思っていた人もいるかもしれない(笑)。そういういろんな時代を経て、今は飾り物も一切いらない、ストレートに歌う。そういう感じですよね。逆にこういう曲って歌う上では難しいんですよ。メッセージフォークのような節回しというか。

坂崎:言葉の乗せ方とかね。THE ALFEEはグループだから、ラブソングや現実から離れたファンタジーは歌いやすいですけど、今回のような歌は本来は個人的な歌じゃないですか。ソロの人が歌うというかね。でも僕らは同世代でいろいろ共有してきたし、好き嫌いとか多少の濃淡はあったとしても、みんな同じような音楽を聴いてきたからグループでもしっかりメッセージを伝えることができるんですよね。

ーーたしかにこうした曲をグループで歌われているのはすごくいいですよね。

高見沢:ほぼ3人で歌ってますからね。

ーーTHE ALFEEにとっての新しい歌。

高見沢:そういうことですね。今の僕らの、46年経ったからこそ、この年齢だからこそ歌える歌。20代の頃はまだこういう風には歌えなかったと思いますよ。大上段にかまえた歌詞は作れなかったでしょうね。今だからこういう歌が臆面もなくできたんでしょう。そんな気がしますね。

ーー年月を重ねたことが大きい。

高見沢:大きいですよ。だって僕ら歯抜けのない46周年ですから(笑)。やり続けてきたっていう、そこだけは自信があるんですよ。その結果の言葉ですから。自信を持って歌っていきたいなと思ってますけどね。

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