SKY-HIが語る、アーティストとしての充実と渇望の日々 インディーズ~現在、新事務所&レーベル設立の舞台裏も

SKY-HIが語る、アーティストとしての充実と渇望の日々 インディーズ~現在、新事務所&レーベル設立の舞台裏も

 SKY-HIが初のベストアルバム『SKY-HI’s THE BEST』をリリースする。本作は「カミツレベルベット 2020」「愛ブルーム」などの歌唱楽曲を収めた「POPS BEST」、「フリージア ~Original~」「As a Sugar」といったRAP曲による「RAP BEST」、 新曲「Shiawase feat. Honey C」を含むコラボレーション楽曲をまとめた「COLLABORATION BEST」のCD3枚組。新たにボーカルレコーディングを行った楽曲も多数収録、全曲リマスタリングを施し、充実の内容に仕上がっている。

 これまでのキャリアを追体験できる本作について、SKY-HIにインタビュー。オリジナルアルバムを軸にしながら、アーティスト/ラッパーとしての変遷、そして、ベストアルバム以降のビジョンについて語ってもらった。(森朋之)【最終ページに読者プレゼントあり】

最初で最後の大勝負だった『FLOATIN‘LAB』

ーーこれまでリリースしたアルバムを軸にしながら、キャリアを振り返ってみたいと思ってます。まずはインディーズ時代にリリースしたコンピレーションアルバム『SKY-HI presents FLOATIN‘LAB』。ビートメイカー、ラッパーと組んで楽曲制作するプロジェクトをまとめたアルバムで、SKY-HIが世に出た最初の作品ですね。

SKY-HI

SKY-HI:そうですね。『FLOATIN‘LAB』は、とにかく盛り上がる企画を作らなくちゃいけなかったんですよね、そのときは。最初で最後の大勝負みたいな気持ちもあったし、このアルバムで上手く波に乗らないと、リリースとプロモーションを継続できないし、活動をスタートさせられなかったので。至上命題というか、大切なタイミングではありましたね。ただ、個人的にはプレッシャーを感じていたというより、「これだけ楽しくて面白ければ、話題になるでしょ!」というテンションだったんですよ。そこだけは信じて疑わなかったし、実際、当時のヒップホップのいちばん面白い動きを捉えることができたんじゃないかな、と。それは良かったと思いますね、振り返ってみると。

ーー『FLOATIN’LAB』に参加したビートメイカー、ラッパーは現場で出会った人ばかりですよね?

SKY-HI:基本はそうじゃないかな。クラブで会ってない人はいないような気がします。その時の空気感をそのまま出せば大丈夫だと思ってたし、自信はありましたね。ジェイ・Z『フェイド・トゥ・ブラック』(2003年11月25日にマディソン・スクエア・ガーデンで行われたジェイ・Zの引退ライブを収録したドキュメント作品。ビヨンセ、ミッシー・エリオット、メアリー・J.ブライジ、ファレル・ウィリアムス、R・ケリーなどが参加)が好きなんですけど、ヒップホップは他のジャンルの人たちと交流しながら、話し合って制作できる関係値が必要だし、それが実現できてたんじゃないかなと。

ーー「One By One feat.TAKUMA THE GREAT(HOOLIGANZ)、ZEUS & BRGK、R指定、SQUASH SQUAD、JAZEE MINOR、DAG FORCE」は、まさに当時のシーンを象徴する楽曲だと思います。

SKY-HI:いいですよね、衝動的で。ただ、良くも悪くも遊びの延長、趣味の延長というか。

ーー6月17日に新宿BLAZEで行われた無観客配信ライブ『We Still In The LAB』でも『FLOATIN’LAB』の収録曲を披露していましたが、タイムラグみたいなものを感じたりしました?

SKY-HI:昔の曲だなって感じる部分はありましたね。でも、今も好きな曲は多くて。「WHIPLASH feat.RAU DEF, 環ROY」「Subway feat.ポチョムキン, EGO, ALI-KICK」「Tumbler feat.KLOOZ, MIHIRO~マイロ~」もそうだし、ある種の普遍性も担保できてるんじゃないかなと。即時的なものに終わらず、クオリティおいてもギリギリ良かったと思います。

ーー当たり前ですけど、作品がタイムレスなものかどうかは、時間が経たないとわからないですからね。

SKY-HI:そうですね、そればっかりは。その当時の評価は置いておいて、自分の手ごたえとして、「これは残りそうだな」という判断は正しかったと証明できたと思います。それもやっぱり、メジャーとディールして活動を大きくさせるために必要だったし、そのことを明確に見据えながら作ったのが『FLOATIN’LAB』だったのかなと。

『FLOATIN’LAB』

ーー音楽シーンの在り方、日高さん自身の状況も今とはまったく違うわけで、まずは結果を出さないと前に進めなかった。

SKY-HI:はい。しかもメジャーレーベルは今よりも偉かったし、アーティストは今よりも偉くなかったので(笑)。そういう状況は今も残っているし、それはそれで由々しき問題なんですけど、まずは「契約してやってもいいよ」という数字を残さないと。他所のレーベルで「やりたい」と言ってくれる人がいくらいても(追加)、AAAをやる以上avexとの(追加)契約形態上、他のレーベルからリリースするのは難しくて。 であれば、エイベックスから出せる状況を作るしかないですから。つまりレーベルからの信頼を得るための数字が必要だったんですけど、目標にしていたハードルは初週でクリアして。その後もジワジワとバックオーダーがあったし、契約自体はわりとすんなり出来たんですけどね。

ーー最初の勝負に勝った、と。

SKY-HI:それもあるけど、当時は「ボールに触ったらゴールに入る」という状態だったから。人生かかってる感じはあったけど、失敗する予感はまったくなかったです。

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