SKY-HIが“今できること”を凝縮したステージ 8年分のメッセージ届けた無観客ライブ『We Still In The LAB』を振り返る

SKY-HI、無観客ライブを振り返る

 6月17日、SKY-HIが無観客ライブ『We Still In The LAB』をABEMA GOLDチャンネルで生配信した。この日は本来、初のベストアルバム『SKY-HI’s THE BEST』の発売予定日(新型コロナウイルスの影響により、9月23日に延期された)。また、会場の新宿BLAZEは、SKY-HIが8年前の同じ日に初めてのワンマンライブ(『SKY-HI presents FLOATIN’ LAB』のリリースパーティ)を行った場所であり、今回のタイトル“We Still In The LAB”には、“俺たちはあのときのままだ”という意味が込められているという。

SKY-HI

 3月7日に自身のYouTubeチャンネル「SKYHICHANNEL」で行ったライブ生配信は、Twitter日本トレンド1位・世界トレンド3位を獲得。その後も「#Homession」(4月7日/SKY-HIのサポートバンド“SUPER FLYERS”のメンバーとともに行った宅録セッション)、情報番組『スッキリ』へのオンライン出演(4月16日)、「#SKY-HI自宅ワンマン」の配信(5月6日)と、コロナ禍以降、途切れなく発信してきたSKY-HI。社会や日常の不可逆な変化を受け入れ、そのなかで実現できるエンターテインメントを質、量、速度のバランスを取りながら提示し続ける姿勢は、この日のライブ「We Still In The LAB」にも強く反映されていた。

 20時ちょうどに開演したライブは、楽屋から会場に向かうSKY-HIの映像からスタート。“今から時を超えたショーを始めるから”“誰が主役かわかってんの? 画面の向こう、準備OK?”とフリースタイルで挨拶、ステージ衣装を羽織り、会場に入る。オープニングは2013年の1stシングル「愛ブルーム」。「待たせたな、インターネット上!」という挨拶とともに「スマイルドロップ」のサビを挟み、スムーズなグルーヴが心地い「Chit-Chit-Chat」へ。

 キレのいいダンスとカメラ目線、DJ HIRORONの手元を交えながら構成する、生配信ならではの見せ方にいきなり魅了される。さらに「Doppelganger」では高速ラップを炸裂させ、〈確かなこと一つあるとしたら/まだ変わらず俺は俺のままだ〉という(このライブのテーマとも重なる)ラインから「Persona」につなぎ、エキゾチックなトラックのなかで切れ味鋭いライムを響かせる。「何様」では、DJ HIRORONがMPCを叩き、リアルタイムで生み出されるビートとともにセッション。「As A Sugar」では回転するカメラワークのなかで〈俺たちは弱くない/もう何も怖くない〉とリスナーを鼓舞するようなメッセージを届ける。

 ノンストップで展開されるライブ前半、その最初のハイライトは「フリージア」だった。モノクロの映像に切り替わり、ドープなビートに乗せて(ややオフビート気味)に放たれるリリックは、シリアスにして真摯。曲の途中では「散々なことがたくさんあったよな」から、即興的なラップを刻む。今まで人間が持っていた負の部分が次々と噴出し、ひとつも片付いていないこと。厳しい状況から目を背けることがエンターテインメントだとは思っていないこと。そして、8年目に初めてワンマンライブをやった新宿BLAZEで、国内最高峰のヒップホップショーを見せることを宣言し、「画面に手の平を向けて見せてくれ」と呼びかけたSKY-HIはすでに全身汗まみれ。エンターテインメントとヒップホップのコアをあわせ持った彼のスタイルをライブ開始から30分で明確に証明してみせた。

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