PassCode、“武道館宣言”に込められた新たな旅への決意 攻めの姿勢貫く「STARRY SKY」を聴いて

PassCode「STARRY SKY」で貫く攻めの姿勢

 PassCodeの新曲「STARRY SKY」をすでに耳にしたという音楽ファンは少なくないはずだ。というのも、この曲は5月20日のCDリリースに先駆け、4月15日からは先行配信が開始しているほか、4月11日から放送中のオトナの土ドラ『隕石家族』(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット)の主題歌としてオンエア中だからだ。

 PassCodeのドラマタイアップはこれが初めてのことではない。過去にも「bite the bullet」が土曜ドラマ24『フリンジマン~愛人の作り方教えます~』(テレビ東京系)の主題歌に採用されたほか、テレビドラマ『賭ケグルイ season2』(TBS系)および映画『映画 賭ケグルイ』ではオープニングテーマ「一か八か」を担当した経験を持つ。しかし、「bite the bullet」はリリースから半年後のドラマ主題歌採用であり、「一か八か」もドラマ『賭ケグルイ season1』でRe:versedが歌っていた楽曲をカバーしたものだ。つまり、「STARRY SKY」はグループにとって初の書き下ろしドラマ主題歌であると同時に、オーバーグラウンドでさらなる飛躍を遂げる上で重要な1曲になるわけだ。

PassCode - STARRY SKY [3 Song Digest]

 2016年のメジャーデビュー以降、PassCodeが快進撃を続けていることについては今さら語るまでもないかもしれない。とはいえ、中でも2018年から2019年の大躍進については特筆すべきものがあるのも事実。新機軸となったメジャー3rdシングル『Ray』(2018年5月)を筆頭に、メジャー4thシングル『Tonight / Taking you out』(2018年9月)、メジャー2ndアルバム『CLARITY』(2019年4月)と作品を重ねるごとに楽曲の幅を広げると同時に、メンバー4人の表現力も急成長を遂げていく。そして、その最たる成果が感じられたのが、前作シングルの『ATLAS』(2019年9月)だったことは間違いない。

PassCode - ATLAS (FullSize)

 ライブの動員も着実に増加傾向にあり、昨年10月から今年1月にかけて行われた全国ツアー『CLARITY Plus Tour19-20』では、2016年12月に満員にすることができなかった新木場STUDIO COASTを2日間にわたり満員にしている。彼女たちにとってこの事実は大きな手応えとなり、次のステップに向けて気持ちが引き締まったのではないだろうか。

 それを象徴するように、2020年1月13日のツアーファイナルではメンバーの南菜生が「今までずっと、『この会場でやりたいな』とか言うのを避けてきたけど……ここで宣言させてもらっていいですか? 2020年いっぱいのスケジュールはもう決まってしまっています。なので、まだ会場を押さえていないんですけど……2021年、日本武道館でライブしてもいいですか?」と力強く宣言。「今なら言える。そこを越えて、もっと大きな場所へ行きましょう!」と口にした彼女の表情はどこか晴れやかで、これまでの活動が彼女たちの背中を押した結果の発言だったことが伺える。「STARRY SKY」はその新木場公演後に届けられる最初の新曲だからこそ、我々もいつも以上に期待しているところもあったわけだが、ドラマや先行配信で耳にした同曲はその期待を軽く上回る完成度だった。

 「STARRY SKY」のデジタル配信に合わせて、PassCodeはファンとの交流の場となる『#PrayInTheSky』特設サイトをオープンした。このサイトは新型コロナウイルス感染拡大によるライブやイベントの自粛を受け、「在宅で少しでも音楽を楽しめる場所を作ろう、できることから始めよう」という思いから開設されたもので、南菜生とサウンドプロデューサー、平地孝次による「STARRY SKY」セルフライナーノーツをはじめ、Instagramライブ配信クロストーク「STARRY SKY TALK」、Instagramライブ配信「ドラマ“隕石家族”コメンタリー」、最新Live DVD&Blu-ray『PassCode CLARITY Plus Tour 19-20 Final at STUDIO COAST』をチャット機能でファンと楽しむ一夜限りのYouTube Live生配信など、PassCodeのライブを生で楽しむことができない“今”を埋めてくれる企画、コンテンツが多数用意されている。中でも南と平地による「STARRY SKY」セルフライナーノーツは、メンバーとスタッフが一丸となって完成させた“次の一手”である同楽曲を深く理解する上で、非常に重要なテキストと言える。まだ読んでいないという方は、この曲を聴く前にぜひ目を通しておいてほしい。

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