オーディションプロジェクト「Promimi」が広げる“才能見つける楽しさ” nana music黒川恭氏、日本コロムビア石田浩太氏に聞く

オーディションプロジェクト「Promimi」が広げる“才能見つける楽しさ” nana music黒川恭氏、日本コロムビア石田浩太氏に聞く

 音楽や歌を気軽に投稿し、世界と繋がれることで人気のアプリ「nana」を運営するnana musicが新たに立ち上げたタレントスカウトサービス「cue」に、アーティストとレコード会社をより効率的に繋ぐエージェント機能が追加された。そのエージェント機能を使い、才能を見つけて企業におすすめするキュレーターを発掘するオーディションプロジェクト「Promimi」が始動。この「Promimi」とはどんなプロジェクトなのか、株式会社nana music 「cue」事業責任者の黒川恭氏と、日本コロムビア株式会社 コロムビアジャパン/チーフディレクターの石田浩太氏に、概要と求められる人材について聞いた。(榑林史章)

“プレイリスター”の存在感が高まっている

ーー「Promimi」というプロジェクトは、どんなものなのか教えてください。

黒川:まず弊社が提供する「cue」というサービスがあって、それは自由に歌や音楽を登録したタレントユーザーと、音楽レーベルを始めとした歌声を探す人(スカウトユーザー)を繋ぐサービスです。そこに新たに追加される「エージェント」という機能を使って、日本コロムビアさんと共同で開催するものです。

 「cue」にはタレントユーザー側とスカウトユーザー側それぞれの入り口があって、タレントユーザーは自分の音楽や歌などの音源を登録することができ、スカウト側はそれを聴いて希望に合うタレントユーザーが見つかればその方に直接連絡を取ることができます。ですがタレントユーザーの登録はすでに4000人を超えており、スカウト側の企業さんがそれをすべてチェックするには限界があると感じています。そんなときにスカウト側の「こういうタレントを希望している」という情報を元に、代わりに探してトスアップしてくれる存在がいればサービスがより円滑になるんじゃないかと考え、その役割を持たせたのがエージェントという機能です。このエージェントに登録するユーザーが増えていけば、いずれそのなかから面白い人物も出てくると思ったので、じゃあそんなキュレーターのような人を発掘しようと。

株式会社nana music 黒川恭氏

ーー応募の条件はあるんでしょうか?

黒川:基本的には「cue」のスカウトユーザーに登録している方であれば、誰でもエントリーが可能です。履歴書の提出や面接もありませんので、一般的なオーディションよりも格段にハードルが低いです。

石田:ただ弊社からは、「こういうタレントを見つけてほしい」というテーマを出すので、それに沿った方を見つけてもらうのが条件です。最初のお題は「13歳〜19歳男性ボーカリスト」で、そのお題に合った人を見つけて我々にトスアップしていただいて。トスアップが上手だったり“プロの耳(=Promimi)”を持っていると思ったら、認定マークを差し上げるという形になります。

黒川:コロムビアさんからの認定マークが、発掘したキュレーターへの特典ということになります。それに自分がトスアップしたタレントに「いいね」が付くとそれが自分にも通知される仕組みなので、そういった部分も楽しんでいただきたいと思っています。

ーー具体的には、キュレーターにはどういう人を求めていますか?

黒川:あくまでもタレントとスカウトを繋ぐサービスの一環なので、スカウトが求めるタレントをトスアップしてくれれば、どんな人でも良いと思っていて(笑)。例えば趣味として新しいものを探すことを日常的にやっている方、普段からYouTubeでアマチュアの方の歌を聴いている方などの一般の方が、趣味の延長としてやっていただけたら嬉しいです。でも自分が見つけたタレントがメジャーデビューする可能性もあるわけですから、そういった部分を、キュレーターの方には楽しんでいただこうと思っています。

石田:良い意味で無責任でも活躍できる土壌が、Webにはあると思うんです。自分の好きな曲でプレイリストを組んで公開しても、誰から何を言われる筋合いはないわけで(笑)。でも僕らはどうしてもビジネス視点で見ますよね。ビジネスはわからないけどその界隈だけでめちゃめちゃ盛り上がっていることや、僕らが「こんな子がいるんだ!」と驚くような人を見つけてきてくれたら、すごく嬉しいです。その上で、そのキュレーター自身が発信力を持っていくようになったら面白いかなって思って。

ーーキュレーターは、その後ある種のインフルエンサー的な感じに育てていくと。

石田:いずれそういう感じになっていったら面白いと思っています。例えば昔のカリスマラジオDJのような存在が、Web上で生まれるんじゃないかと。もしもそのキュレーター自身にタレント性があれば、YouTuberになっても面白い。

ーーそもそもどういうところから、このオーディションプロジェクトの発想は生まれたんでしょうか。

石田:どんどんCDが売れなくなって、すでにサブスクで音楽を聴くことが一般的になっていますよね。そういうなかで、Spotifyなどでオリジナリティのあるプレイリストを公開する“プレイリスター”と呼ばれる人の存在感が高まっていることをひしひしと感じていて。ネットでディグってまだ世に知られていない人を引っ張ってこられる能力を持つ人の活躍できる場がまだまだ増えていくと思っているんです。そういう人が仲間になってくれたら心強い。そんなときにnana musicさんから「cue」というサービスをご紹介していただくなかで、「自分から音楽や歌をアップしていないけど紹介することを楽しむようなユーザーが出てくるんです」という話をうかがって。じゃあそういう人のなかから面白い人を発掘したらワクワクするんじゃないかと(笑)。

日本コロムビア株式会社 石田浩太氏

ーープレイリスターと呼ばれる人は、今どのくらい出てきているんでしょうか。

石田:プレイリスターの存在自体は、数年前から出てきてはいますが、海外ではすでに有名になっている方が出てきているので、日本でもそれほど遠くないうちに人気プレイリスターが出てくると思っています。ティックトッカーとかインスタグラマーと呼ばれる人も、もともとは趣味でやっていたわけですから、キュレーターにもいろいろな可能性があると思っていますね。

黒川:「nana」のサービスには自分や他の人の投稿をリポストする機能があって、登録ユーザーのなかには自分では歌をアップしていないけどおすすめすることを楽しんでいるユーザーが大勢います。「nana」では他のユーザーにおすすめするだけで止まっていますけど、「cue」では企業の方におすすめすることができる。「nana」でおすすめを専門にやっていたユーザーにも、ぜひ参加してほしいですね。

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