三浦風雅『ONE in a Billion』グランプリ獲得者インタビュー 仲間と切磋琢磨したオーディションと自身の成長

三浦風雅が語る、オーディションの日々

 ソニーミュージックが、昨秋にオーディションブランド『ONE in a Billion(ワン・イン・ア・ビリオン)』を設立。1stシーズンとして男性ボーカルオーディションを昨年9月より開催し、約半年におよぶ審査が行われた。そして、2020年2月5日のZepp DiverCity(TOKYO)ファイナルライブ審査にて、約4000名の応募の中からシンガーソングライターの三浦風雅が見事グランプリを獲得した。

【ワンビリMV審査映像】23_三浦風雅「promise」

 オーディション以前から路上やライブハウスなどで歌手活動を行ってきた三浦風雅。その甘いマスクと経験に裏打ちされた歌声は、実技審査序盤の歌唱力審査でも一際注目を集める存在に。本オーディションは、ソニーミュージックスタッフによる審査をはじめ、YouTubeやSNSでの一般視聴者の反響などを複合的に加味し、ランキング形式で参加者を順位付けしていく。三浦はオーディション中盤にライブ審査をやむなく欠席してしまい、一度最下位へ転落。しかし、そこから次のMV審査で3位に巻き返し、合宿審査を経てグランプリをも獲得するという波乱を巻き起こした。

 リアルサウンドでは、合宿審査中に三浦のキャリアとオーディション途中経過をインタビュー(メジャーデビューの切符は誰の手に? 新世代シンガーの座を争う『ONE in a Billion』参加者インタビュー)したが、グランプリ獲得後に改めて話を聞く機会を得た。メジャーデビューの権利を獲得した三浦は、オーディションを通して何を感じ何を得たのか、ファイナルライブ審査当日の様子や半年のオーディション期間を振り返りながら、今のリアルな気持ちを語ってもらった。(榑林史章)

グランプリだからと浮かれず謙虚に

三浦風雅

ーー2月5日にファイナルライブ審査を終え、ひとりでゆっくり振り返る時間はありましたか?

三浦風雅(以下、三浦):そうですね。当日は実感があまり湧かなかったのですが、翌日には今まで僕がして来た音楽活動を振り返ることが出来ました。やっとここまで来られたではないけど、上手く続かずに歌手の夢を諦めようと挫折しかけた時期もあったので、グランプリに選んでいただいたことで希望の光みたいなものが見えたと言うか。やっとアーティストとしてのスタートラインに立てたなと思う反面、今までやって来たことは間違いじゃなかったんだなと安心した気持ちです。

ーー審査後はコメント撮りなどもあって、その後すぐに帰られたのですか?

三浦:はい。すぐ帰りました。たまたまファイナリストのみんなが同じ方面だったので、一緒に電車に乗っていろいろ話しました。でも正直、ちょっと複雑な気持ちでしたね。みんな同じところを目指していたわけだし。でも前向きな話もして、「また会おう」とか「次は同じ舞台でライブをやりたいね」と約束して。そういう部分では今後が楽しみになったし、ここで満足していてはいけないなって。うかうかしていると、みんなにどんどん抜かれていくと思うので。

ーー祝賀会みたいなものはなかったんですね。

三浦:友だちも見に来てくれていたけど、時間もけっこう遅かったから。普通に家に帰って、お腹がすいていたので、冷蔵庫にあったウインナーを焼いて、ひとりでちょっとお酒を飲んで、その日はそのまま寝てしまいました。それで朝起きたら通知が溜まっていて。メールやSNSを見ながら、そこでいろいろなことを再確認した感じです。こんなにも僕のことを気にして応援してくれている人がいっぱいいたんだなって。あとWEBのニュース記事がたくさん出ていたので、それを見て「グランプリは本当だったんだ」と実感するような部分もありました。

ーーファイナルライブ審査の1日を振り返ると、どうでしたか?

三浦:会場に入った時から緊張していて。最初に成山(俊太郎)くんと会ったんですけど、「おう!」って挨拶して、「今日頑張りましょう」みたいな話をしてからは、だいぶ気持ちが楽になりました。そこに遅れてMASAZAYNと木下(優真)くんがやって来て、「こういう機会だし、今日は楽しもう」みたいな話をして。その時はバチバチはしてなかったんですけど、だんだん本番が近づいてくるにつれて、固くなっている僕と木下くんがいて。MASAZAYNと成山くんは、「ぜんぜん余裕でしょ!」と言っていて。それを聞いて、僕はちょっとぴりつきましたけどね。(笑)「こっちはこんなに緊張しているのに」って。

ーー緊張と気合いが入り交じった感じで。

三浦:気合いも入っていましたし、その中で自分でも楽しむということは忘れないようにしよう、と。

ーー楽しめましたか?

三浦:楽しめた……かな? ただ、もともと緊張するほうで、出番の直前まで何度もトイレに行っていました。ステージに立ってからも1曲目がアカペラで入ったので、そこまではまだすごく緊張していて。2曲目以降は自分の曲だったので緊張もなく、すごく楽しめました。

ーーパフォーマンスの出来は、自分ではどのくらいだった?

三浦:正直、自分の中ではあまり良くなくて。トータルで50点にも満たないくらいの感触でした。僕はライブ全体のパフォーマンスで勝負したくて、ステージングはまあまあだったと思うんですけど、他の3人が自分のオリジナリティでガツンとかましてきたと感じて。みんな選曲で勝負をかけてきていたので、「そっちか〜」と思って。その点で、ダメかもしれないと思っていました。

ーー曲のオリジナリティよりも、三浦さんはステージングで勝負しようと思ったのは、どういう考えで?

三浦:ライブ審査だったから、ライブ感を大切にしたほうが良いだろうと思ったんです。それに僕がライブをする時は、いつもみんなと一緒に楽しみたいとか、みんなと一つになりたいという思いがあって。音源では味わえないライブにしかない魅力をみんなと共有する、ライブという空間が僕は好きなので、変に自己主張するよりもみんなと一緒に歌って楽しみたいと思ったんです。それでライブ中はお客さんに「もっともっと」と煽ったりして。

ーーステージを終えて、発表まで間があったわけですけど。その間は?

三浦:すごく怖かったです。僕たちも控え室で生配信を見ていて、コメント欄を見ると「成山くんだろう」という意見がたくさん流れていて。正直僕も、きっとそうだろうと思っていました。だから僕に決まった時は、自分でも驚きました。ゲスト審査員に清水翔太さんがいらっしゃったので、音楽面を厳しく見てくださると思ったし、僕もみんなと同じように曲のオリジナリティで勝負したほうが良かったんじゃないかって。だから嬉しさもありつつ、動揺があったのも正直なところです。だからグランプリだからと浮かれるのではなく、謙虚に受け止めるべきだろうと思いました。

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