EXILE、三代目JSB、GENERATIONS……LDHがライブ自粛期間に映像コンテンツで届ける“現場の楽しさ”

LDH、ライブ自粛期間の取り組み

失った現場を取り戻す、ファンとアーティスト

 アーティストのファンにとって、何よりも辛いのは“現場に行くことができない”状況である。実際に動くアーティストの姿を見て興奮し、ファン同士で感想を言い合い、湧き上がる感情をSNSに書き連ね、また次の現場に想いを馳せながらいつもの日々を生きる。そのサイクルがある日、全く機能しなくなってしまう。考えたくもないが、コロナウイルスの影響であらゆるライブ/イベントが自粛せざるを得なくなった今、それが現実となってしまった。

 あらゆるアーティストのファンが戸惑い、それでも受け入れるしかないという現状に嘆く中、アーティスト側では、何とかファンに“現場”を提供できるよう様々な試みに取り組んでいる。自粛要請が出てすぐに無観客ライブを実施、生配信した打首獄門同好会やBAD HOPを皮切りに、多くのアーティストが自宅から出れないファンに“現場”を届けようとしている。その中でも本稿では、EXILEや三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE(以下、三代目JSB)らを擁し、今や芸能事務所という枠組みを超えた一大エンタテインメント企業となったLDH JAPAN(以下、LDH)の取り組みに注目したい。

 現在、LDHでは期間限定で自社が持つ映像コンテンツの無料配信を行っている。その数、ライブ映像だけでなんと約40本という膨大な量であり、同社が抱えるアーティストの幅広さを体現するような物量である。とはいえ、無料公開という試み自体は今や決して珍しいものではない。LDHの取り組みにおけるポイントは、その届け方とコンテンツの方向性にある。

 LDHは無料配信を実施するにあたり、一気に全てのコンテンツを公開するのではなく、毎日3、4本のコンテンツを、タイミングを分けて段階的にYouTubeの「プレミア公開」の機能を使い公開している。この機能を使うことで、複数のファンが全く同じタイミングで一斉にコンテンツを楽しむことができる。さらに、YouTubeのチャット欄やSNSを使い、リアルタイムで映像の感想を語り合うことができるため、まるで「開演時間を待ち、集まったファンで一緒に楽しむ」という“疑似ライブ”のような体験を味わえる。

 これがEXILEや三代目JSBからEXILE THE SECOND、DOBERMAN INFINITYにDream Amiのソロ……など毎日のように幅広い所属アーティストのコンテンツを使って行われるので、もはやYouTubeチャンネルはLDHのバーチャルフェスティバル状態である。これは常に“現場”が作り出されているような状態であり、このような配信形態を取ることで、自宅にいながらでもアーティストとの距離感を忘れずにいられるのだ。 

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