アーティスト活動2年目の駒形友梨、『a Day』で打ち出した新たなコンセプト 「楽しい気持ちになる曲をグッと集めた」

アーティスト活動2年目の駒形友梨、『a Day』で打ち出した新たなコンセプト 「楽しい気持ちになる曲をグッと集めた」

 2018年にソロデビュー後、声優としての活動と並行してコンスタントに作品をリリースしてきた駒形友梨。3月4日には3rdミニアルバム『a Day』をリリースする。自身で作詞を手がけた楽曲も含む今作の制作秘話やコンセプト、そして前作『Indigo』からの心境の変化までをじっくりと聞いた。彼女の最近の音楽の聴き方や、5月に控える2ndワンマンライブへの意気込みも語る充実したインタビューとなった。(編集部)【記事最後に読者プレゼント情報あり】

「上手くいかないけど少しでも前を向く、というのが良いバランス感」

ーーアーティスト活動は昨年6月で2年目に入りましたが、制作時の心境に変化はありましたか?

駒形友梨(以下、駒形):1年目はとにかく色んなことが初めてで。曲がどういう流れでできるかも知らなかったですし、デモが上がってきて、その中から曲を選んで、歌詞をつけるというのを勉強させてもらいました。制作するうえで、自分の意見や考えもあったんですが、とにかく最初は自分の意見を言うというよりも、教えていただいたものをできる限りやるという感じで。CDの制作を重ねていくにつれて、「変なこと言っちゃってないかな?」と思いつつ、少しずつ自分の考えていることをお話できるようになってきました。

ーー「これ、本当に言っていいタイミングなのかな?」というのも、最初はわからないですよね。

駒形:「もうこのタイミングだと変更は間にあわないのかな?」とわからなかったことも、今では「まだTD(トラックダウン)じゃないから大丈夫!」みたいな(笑)。あとは、かなり前から話し合える場を設けていただいたりするようにもなりました。

ーーデモ選びから一部のディレクションまで、少しずつ関わり方が濃くなっていってるように感じますが、今作についてはどうでしょうか?

駒形:今作『a Day』の方がよりテーマをしっかりと決めて、自分のイメージをまず伝えたうえで、曲や歌詞を書いていただいています。前作(『Indigo』)は“夏に聴きたい曲”という割と広いテーマだったんですけど、今回は“日中に皆に聴いてもらいたい”と思って作り始めて、時系列に曲が並んでいるぶん自分の中でイメージが強くできて、前回以上に色々意見を出させていただきました。

ーー今回はまさにテーマ設定がハッキリしているというか、ある種“コンセプトアルバム”のような聴き方ができました。平日の朝〜昼に聴いてもいいですし、休日のドライブミュージックとしてもマッチしているような。そういえば、昨年中の目標だった自動車の運転免許は取得されたんですか?

駒形:いや、そのうち自動運転になるからいいかな、と思ったんですよ。

ーー……なるほど(笑)。ちなみに、“日中”というコンセプトはどういうところから出てきたんですか?

駒形:自己紹介のアルバムであり声を核にした『〔CORE〕』があって、この作品が秋冬だったから、春夏の作品として『Indigo』を作って、「次のテーマはどうしよう?」というところから、打ち合わせで色んなテーマが上がって、そのなかから“日中”になったんです。今まではどちらかというと暗めだったりどこか後ろ向きな曲が多かったですし、私ももともとはそういった曲が好きなんですが、これから色んなライブに出させていただくことも想定して、より明るくて爽やかでポップで、楽しい気持ちになる曲をグッと集めた1枚にしよう、というのもありました。あとはもう一つ理由があるんですけど、これはお楽しみということで……(笑)。

ーー1曲目の「a Day~and the light comes~」に関しては、これまでのミニアルバムでも1曲目を手掛けてきた矢野達也さんによるものです。

駒形:今回は「1曲目に今まで以上に強い役割があるな」と思い、聴いている皆さんが眠っているところから、夜が明けて、夢から醒めて1日が始まるというテーマを決めて、あえて歌わない曲にしてもらいました。1カ所だけ、私が〈a Day〉と言っている箇所があるんですが、元々は別の言葉が入ってたんです。デモができて、レコーディングの前にアルバムのタイトルが決まったので、「せっかくなので、アルバムのタイトルを言いましょう」ということになりました。

ーー2曲目の「クロワッサン」は、『〔CORE〕』の「クロックワイズ」にも通ずる安心感がありますね。作った方も同じく原知也(HaTo)さんですし。

駒形:嬉しいです。この曲は、夜が明けて、目が覚めて、家を出るまでの準備時間に聴いてもらいたいなと思って作りました。HaToさんのデモは、サビでもっとポップに跳ねるメロディラインだったんですけど、寝起きっぽくするには、もう少しゆるやかにしたほうが良いかなと思って、アレンジの段階で廣澤優也(HANO)さんとHaToさんに少し変えていただきました。

ーー完成した音源でも、HaToさんっぽいアコギのハネ感はまだ残ってますね。歌詞は駒形さんが自身で手掛けましたが、作詞は今作の楽曲で4、5曲目となります。歌詞の書き方については、ご自身の中でもある程度固まってきましたか?

駒形:最初はただ闇雲に書いていたんですが、今は方向性やテーマを含め「こういう雰囲気の歌詞を書こう」と決めて、曲に当てはめずに文章をたくさん書いて、その中で譜割りにあわせて必要なフレーズや一番伝えたいフレーズを、言葉を変えたりしながら嵌めていくという方法に落ち着きました。

ーーリズムや譜割りに合わせて言葉を削っていくわけですね。あと歌詞の方向性については、以前「幸せな歌詞を書くのが大変」というお話をされていましたが……(笑)。

駒形:そうですね(笑)。この曲は今まで作詞した中で一番アップテンポな曲なんですけど、今までの詞と違って曲の役割がハッキリと決まっていたので、テーマに対しては悩んだりせず、目的地に向かってどう進んでいくかというアプローチをしました。

ーー「クロワッサン」に関しては、すごく詞が具体的ですよね。作詞はアイテムや名詞をどれだけ入れ込めるかで、具体的になるかどうかが変わりますが、今回はかなり自分事にしやすい歌詞だなと。

駒形:嬉しい! アルバムの中で最後に書いた歌詞だったんですけど、この曲は全然書けなくて……。初めてレコーディング当日に「ここ書けてないです……」と穴埋め的に最後を埋めたくらい、苦戦したんです。一緒にラジオをやっているシンガーソングライターの柿島伸次さんに「詞が全然書けないんです! どうしたらいいですか?」と相談したら、「テーマはどういう曲にするの?」と言われて。「朝の準備の時間に聴いてもらいたい曲を書きたいんです」と言ったら、「こまゆりはどういう風に朝起きるの?」と聞かれて、朝の流れを説明したら「そういうのでいいんだよ。そういうパーソナルなことを、とにかくたくさん書きだしてごらん。その中からきっと自分の伝えたいことが出てくるから」って言ってもらって、それがすごく腑に落ちたんです。

ーー柿島さんの助け舟があったんですね。

駒形:そうなんです。そこから「なんでもない自分のことでいいんだ」と開き直って、とにかく具体的に、自分が朝にやることや感じることをたくさん書き出してみたので、これまで書いた詞の中でも、より具体的になったんだと思います。

ーー朝にクロワッサンやハムエッグを食べない人にとっても「朝、ダルいけどがんばろう」というテーマが共通していて(笑)。誰でも共感できるいいバランス感になっているのもすごいなと。

駒形:それはすごく嬉しいです。「朝だから今日も1日がんばるぞ!」みたいな曲じゃなくて、いい意味でダラしなかったり気が抜けてたりして、共感できるポイントを書こうと思っていたので。

ーー前向きなんですけど、若干後ろ向きな要素が入るみたいなのが、駒形さんの歌詞の特徴になりつつあるんじゃないかなと(笑)。

駒形:確かに!(笑)。元々私は、とにかく前向きなことだけを並べるという性格ではないので…。上手くいかないけど少しでも前を向く、というのが自分のなかでも良いバランス感だと考えているからこそ、そういう詞が出てきやすいのかなと。

ーーそれがよく伝わってくる内容でした。次の「On My Way」は今作のなかで一番力強い曲です。MVも公開されていて、リード曲的な位置付けですね。

駒形友梨 / On My Way(Short Ver.)

駒形:最初にいただいたデモは全編英詞で、聴いた瞬間に力強く前を向いてカツカツと歩いているイメージが湧いて「通勤、通学時間帯の曲として聴いてもらいたい!」と思ったんです。実際の通勤通学って、満員電車や、毎朝起きて同じ時間に家を出るみたいな、頑張って綺麗事にしようとしてもむずかしいことって多いじゃないですか。だから、この曲を聴いている間だけでも、とにかく自分が物語の主人公で、満員電車に揺られてる自分すらかっこいいって思えるくらいの曲になったんじゃないかと。今まで自分の曲に英詞はあまり入れてこなかったんですが、「そういうの関係なく、とにかくカッコよくしてください!」という気持ちでKanata Okajimaさんに歌詞を書いていただきました。

ーー高橋諒さんらしいブラスアレンジもカッコいいですよね。

駒形:元のデモも十分カッコよかったんですけど、高橋さんのアレンジしたものが上がってきたとき、格段にゴージャスになっていて驚きました。

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