チェコ大規模フェスに世界各国のレジェンドバンドが出演 FORWARD ISHIYAの現地レポート

ISHIYA、チェコ大規模フェスをレポート

 初日以外にも多くのパンクバンドが出演し、メタルやグラインドと共に楽しめるのもこのフェスの特徴である。

 2日目にはFOREWARDの他に、アメリカのDropdead、Negative Approach、3日目にはイギリスのANTI-SYSTEM、オランダのVitamin X、4日目にはアメリカのSiegeと、レジェンドクラスのバンドが出演している。

「究極の猥褻フェス」と名乗るだけあり、観客も普通のフェスとは違う様子(写真=片岡冬樹)
夜になるとメイン級のバンドが出演するために観客も増えてくる(写真=片岡冬樹)
ステージ上カオス状態はOBSCENE FES名物でもある(写真=片岡冬樹)
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「究極の猥褻フェス」と名乗るだけあり、観客も普通のフェスとは違う様子(写真=片岡冬樹)
夜になるとメイン級のバンドが出演するために観客も増えてくる(写真=片岡冬樹)
ステージ上カオス状態はOBSCENE FES名物でもある(写真=片岡冬樹)
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 こうしたンドを、CANBIBAL CORPSEやMUNICIPAL WASTEといったメタル系バンドと楽しめることもなかなない。

 初めて観るバンドにも素晴らしいバンドはたくさんいた。そんな新たな発見ができる上に、会場内には様々なショップが軒を並べ退屈することはない。

 会場内での買い物はリストバンドにお金をチャージして払うシステムになっていた。余った金額はバックされるが、代わりに手数料を25%取られる。パンクバンドメインのフェスでも、大規模になるとこういったシステムが普及していくようになるのだろうか。今後のフェス文化として、各国でどうなって行くのかが興味深いシステムであった。

 出演バンドにはビールと食事、ソフトドリンクのチケットが配布され、バックステージスペースで使用できる。海外フェスでは当たり前なのだが、食事はビーガンフードでどんな人間でも食べられるようになっていて、筆者のようなベジタリアン寄りの人間でも安心して食事ができる。会場内にもビーガンフードが軒を並べるストリートもあり、世界でのベジタリアン、ビーガンの数を考えれば、こうした食事は今後日本のフェスでも対応しなければならない課題だろう。

 今回FORWARDにしては珍しく1回限りのライブだった。まだまだ知名度の低いFORWARDだが、日本のバンドとして恥ずかしくないライブができたように思う。

 ライブスタート時には観客はまばらであったが、筆者が1曲目からステージを降りて客席で歌い始めると、観客も反応を見せてくれ徐々に盛り上がっていくのが肌で感じられた。最終的にはアンコールも生まれ大成功のステージだったと思う。

FORWARDのライブが始まり観客席に降り煽る筆者(写真=片岡冬樹)
フェス2日目に登場したFORWARD(写真=片岡冬樹)
FORWARDのステージに上がってくる鮫の着ぐるみを着た観客(写真=片岡冬樹)
FORWARDでダイビングする鮫の着ぐるみを着た観客(写真=片岡冬樹)
FORWARDのギターSOUICHI(写真=片岡冬樹)
FORWARDのベースYOU(写真=片岡冬樹)
FORWARDのドラムスAKIYAMA(写真=片岡冬樹)
フェス終了後にOBSCVENE EXTREMEオフィシャルとして出されたFORWARDの写真
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FORWARDのライブが始まり観客席に降り煽る筆者(写真=片岡冬樹)
 フェス2日目に登場したFORWARD(写真=片岡冬樹)
 FORWARDのステージに上がってくる鮫の着ぐるみを着た観客(写真=片岡冬樹)
FORWARDでダイビングする鮫の着ぐるみを着た観客(写真=片岡冬樹)
FORWARDのギターSOUICHI(写真=片岡冬樹)
FORWARDのベースYOU(写真=片岡冬樹)
FORWARDのドラムスAKIYAMA(写真=片岡冬樹)
フェス終了後にOBSCVENE EXTREMEオフィシャルとして出されたFORWARDの写真
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 MCも拙い英語ではあるが伝わったようで、フェス期間中も会場内を徘徊していると「お前らを観て、日本という国を初めて知った」「本当に驚いた」などたくさんの反応があり、一緒に写真撮影した数も数えきれないほどになった。

 ライブ終了後ホテルに帰っても、見知らぬ人間が部屋に来てパーティーになるなどかなり手ごたえのあるライブだった。

Forward OEF 2019
FORWARD (Obscene Extreme 2019) - Trutnov, Na Bojišti - 4.7.2019

 このフェスには、毎日延べ5000人ほどの観客がやってきたようだ。FORWARDを全く知らない観客がほとんどのなかで演奏するという状況は、バンドにとってこれほどのチャンスはない。幸い海外では「知らないバンドでも観てみよう」という観客が非常に多く、ライブの楽しみ方を知っているので、観てくれさえすれば本気の魂は伝わっていく。世界中どこへ行っても「お前のこと知ってるぞ!観たことあるぜ!」と言われる嬉しさは、本気で伝えた証であろう。全力で本気のステージをやることで、実際に目の前で世界が繋がり合い広がっていくことが、ライブというものだと思っている。これからも生命の続く限り、こうした世界を広げていきたい。

ライブ終了後、手を合わせ観客に気持ちを伝える筆者(写真=片岡冬樹)

 最後にオーガナイザーのCURBY、コンタクトを取り俺たちを担当してくれたF.O.A.D Records、Cripple BastardsのGIULIO、ドイツに住む日本人彫師の雪子鬼に最大の感謝を送ります。本当にありがとう。また世界のどこかで会いましょう。

(メイン写真=片岡冬樹)

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

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