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『SKY-HI TOUR 2019 -The JAPRISON-』最終公演レポート

SKY-HIは一体何と戦い続けていたのか? ライブで体現された『JAPRISON』の本質

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 2018年はSKY-HIのキャリアを語る上で欠かせない年となった。3月には初のコラボレーションベストアルバム『ベストカタリスト -Collaboration Best Album-』の発売、8月には完全セルフプロデュースのミニアルバム『FREE TOKYO』を無料配信、そして12月の4thアルバム『JAPRISON』リリース。10年後のビジョンを描きメジャーデビューした彼にとって一連の活動がひと区切りし、折り返しにあたるのが2018年であり、『JAPRISON』なのではないだろうか。

SKY-HI

 死ぬことに生きることを見つけた2ndアルバム『カタルシス』、生きることに愛することを見つけた3rdアルバム『OLIVE』。いうならば『JAPRISON』は、愛することに戦うことを見つけた1枚だ。何と戦っているのか、それは日本に充満している閉塞感に他ならないだろう。

 4月30日、中野サンプラザで開催された『SKY-HI TOUR 2019 -The JAPRISON-』は、そんな閉塞感に対する彼のファイティングポーズを大いに感じた一夜だった。SKY-HIのこぶしは、前時代的な自慢やマッチョイズムではない。弱さも含めての自分自身だ。“人として”ステージに立ち続ける彼は、自分と向き合い自分をさらけ出すことを選んだ。

 ライブはラップでSKY-HI自身のストーリーを紡ぐ前編と、サービス精神旺盛にフラットな彼を魅せる後編の二部構成で展開された。スモークが立ち込めるなか、アルバムでも最初の曲として位置づけられている「What a Wonderful World!!」がオープニングを飾る。これから始まる物語へといざなう、前編のテーマという位置づけだ。そこからは、コネクトソングを挟みながら大きくわけて5つのセクションが話は進んでいく。

 ひとつ目のセクションは“奮起”だ。〈何故歌う? 何処へ向かう?〉と自分へ問いかける「Shed Luster」、〈俺たちは弱くない もう何も恐くない〉と言い聞かせる「As a Sugar」、言葉の襲撃で敵を寄せ付けぬ「Turn Up」。強い自分を作り自分自身を鼓舞する楽曲たちは、「SKY-HIとして生きていく」と立ち上がった彼を彷彿させる。しかし、順風満帆にはいかないのが人生というものだろう。「Dystopia」を機に、彼は現実という監獄に飲み込まれていく。

 第二セクションで襲い掛かってくるのは、日本に蔓延している見えない閉塞感の数々(=監獄)への“苦悶”だ。同調圧力、世界平和、文化的鎖国。彼は日常生活を送る中で自分の問題として捉えることが難しいテーマを、エンターテインメントに落とし込むことで私たちに問いかけてくる。「The Story of J」ではラップとしてのクオリティーを保ちつつ見事な演じ分けを披露し、「Role Playing Soldier」ではマリオネットのようなキャッチーなダンスで魅了。MV、歌、ダンスと表現でのすべてを使い、今一度立ち向かうべき現実を提示して見せた。

      

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