大橋ちっぽけ、ポピュラーミュージックへの挑戦「これが届く日本の音楽シーンであってほしい」

大橋ちっぽけ、メジャーデビューインタビュー

 大橋ちっぽけが、3月13日にメジャーデビューアルバム『ポピュラーの在り処』をリリースした。大橋ちっぽけは、1998年生まれ、愛媛県松山市出身のシンガーソングライター。UKロックやオルタナティブロックに影響を受け、インターネット上に歌唱動画の投稿を開始した。2017年春に上京し、本格的に音楽活動をスタート。同アルバムには、アプリ&PCゲーム『なむあみだ仏っ!-蓮台 UTENA-』挿入歌と、4月より放送されるアニメ『なむあみだ仏っ!-蓮台 UTENA-』(TOKYO MXほか)エンディングテーマに決定している「ルビー」を含む全10曲が収録されている。

 リアルサウンドでは、日本コロムビア内のレーベル<TRIAD>よりメジャーデビューを果たした大橋ちっぽけにインタビュー。今作の制作秘話をはじめ、自身の音楽ルーツや日本のポピュラーミュージックなどについてじっくりと語ってもらった。(編集部)

「前作は自分が中心で、まさに“僕の音楽”という感じだった」

ーーメジャーデビューアルバム『ポピュラーの在り処』は、独自のメロディやムード、サウンドのセンス、言葉の選び方など、大橋さんのいろいろな個性と持ち味が表現されている作品だと感じました。本作のインタビューは初めてですか?

大橋ちっぽけ(以下、大橋):ありがとうございます。初めてです。

ーー前作『僕と青』は16歳から19歳までに作られた5曲が収録されたミニアルバムでしたが、今作の10曲はいつくらいに制作したのでしょうか?

大橋:メジャーデビューアルバムを作るにあたって、書いた曲がほとんどです。全曲、2017年の上京後に書きました。

ーーアルバムを見据えて書いたのでしょうか?

大橋:そうですね。何かコンセプトをもってアルバムを作ったというよりは、自分が書きたいと思った曲をどんどん書いていく中で、ひとつの作品になったような感じです。(前作と比べると)感覚的な違いはあったと思います。まず締切があるというのが、大きかったです。うまく言葉では表わせないのですが、焦っている中で生まれてくるメロディや歌詞は、中高生時代に長い時間をかけてゆっくりとできていった曲とは、なんとなく違う気がします。

20190314-chippoke-sb14
20190314-chippoke-sb12
20190314-chippoke-sb11
20190314-chippoke-sb9
20190314-chippoke-sb8
20190314-chippoke-sb7
20190314-chippoke-sb6
20190314-chippoke-sb5
20190314-chippoke-sb4
20190314-chippoke-sb3
20190314-chippoke-sb2
previous arrow
next arrow
20190314-chippoke-sb14
20190314-chippoke-sb12
20190314-chippoke-sb11
20190314-chippoke-sb9
20190314-chippoke-sb8
20190314-chippoke-sb7
20190314-chippoke-sb6
20190314-chippoke-sb5
20190314-chippoke-sb4
20190314-chippoke-sb3
20190314-chippoke-sb2
previous arrow
next arrow

ーー確かに今作の楽曲からは、以前からのリズムの気持ち良さはありつつ、どこか切迫感や強さのようなものを感じました。特に「ルビー」は、このアルバムの中で核になっている楽曲だと思うのですが、完成したときの手応えなどはありましたか?

大橋:「ルビー」はタイアップのお話をいただいて書いた曲で、元々のテーマがあってそれに合わせた曲を書くというのは、今回が初めての経験だったので、すごく悩んだし、実際上手く行かないことも色々ありました。その中で周りに納得していただけるような曲を完成させられたのは、自分自身がすごく成長したように思えて嬉しかったです。

ーー「ルビー」はどのようなテーマがあったのでしょう。

大橋:広い愛というか……個人対個人の愛を超えたもっと大きな愛がテーマでした。そのテーマに沿うような形で歌詞をつけてから、曲を作っていきました。

ーーこれまで大橋さん個人の視点から曲を書くことが多かったと思うので、視野を広げるという意味では、ひとつのチャレンジだったのではないでしょうか。

大橋:前作は自分が中心で、まさに“僕の音楽”という感じだったんですが、今回はそこからひとつ別の視点が加わって、新しい作曲の仕方と言いますか、新たな挑戦ができた作品ですね。テーマを基に、自分が実際に感じたことじゃない言葉も歌に乗せた、フィクションな書き方もしたので、どんな歌になるのかを考えながら作るという、今までにない感覚でした。

ーー大橋さん自身も今作では、自分から生まれてくるものだけじゃない、“みんなの音楽”のような歌を作りたいという想いがあったのでしょうか?

大橋:そうですね。僕、性格的には暗いというか、ネガティブでマイナス思考なのですが、ポジティブな曲も歌いたいと思うときがあって。自分では、好きな音楽のジャンルは広い方だと思うので、もっといろいろな種類の楽曲を作りたいなと。じゃあ、そういうとき、自分の内面以外の部分でどうインスピレーションを受けて、曲を書いていけばいいんだろうかと考えていました。今作は、まさにそこの部分に取り組んだアルバムになったと思います。

ーー好きな音楽の幅が広いとのことですが、最も強く影響を受けているアーティストはいますか?

大橋:中学生の初期はボカロ曲ばかり聴いていて、その流れもあって、中学1年生の13歳のときに初めて動画共有サービス・ニコニコ動画に「ボカロ曲を歌ってみた」的な動画を投稿したのが、僕の音楽活動の第一歩でした。その頃は、日本のメジャーな音楽は聞いてなかったので、ほとんど知らなかったです。そこから徐々に弾き語りにも興味を持って、ギターを始めるのですが、秦 基博さんや清 竜人さんなどの曲を、ネット配信者がカバーしているのを聞いて原曲を聴くという感じで、いろいろな曲を知っていきました。そこから少しずつ海外の音楽も気になりだして、最近は海外のバンドをメインに聴いているので、そこから影響を受けている部分はあると思います。

ーー洋楽に興味が移っていったということですね。ちなみにボカロ曲が好きな最初の頃は、どういう曲を歌っていたのですか?

大橋:米津玄師さんが「ハチ」というボカロP名義で作られていた楽曲などを歌っていました。ただ、そのときもジャンル問わずと言いますか、気に入ったボカロ曲すべてに挑戦するようにしていて、古川本舗さんなどの曲もすごく好きで歌っていましたね。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる