>  >  > スパドラの前衛性とJ-POPとしての王道感

SUPER★DRAGON、サウンドの前衛性とJ-POPとしての王道感 アルバム『2nd Emotion』評

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 2017年1月にリリースした1stアルバム『1st Impact』以降、シングル群でオリコン週間チャートトップ5へのランクインを経験し、「SWEET DEVIL」では初のドラマタイアップも経験するなど、様々な形で進化を遂げてきた9人組ダンス&ボーカルグループ、SUPER★DRAGON。彼らが約2年振りの2ndアルバム『2nd Emotion』を完成させた。

 今回のアルバムタイトル『2nd Emotion』とは、人の感情を分類する際に使われる2つの区分、「一次感情/二次感情」における「二次感情」のこと。人が感じる本来的な感情(一次感情)に対して、そこから引き起こされる感情を指す言葉として使われる。つまり、今回の『2nd Emotion』は、デビュー作以降様々な経験を経た9人が、その経験を生かしてより複雑な感情表現に挑戦する、グループの新たなチャレンジを記録した作品になっている。

 全編を通して印象的なのは、より豊かになった楽曲のバリエーション。『1st Impact』の頃のSUPER★DRAGONはヘヴィロックを主体にしたアグレッシブなミクスチャーサウンドを音楽性の核にしていたが、その後のシングル群ではカップリングも含めてクラブミュージックを筆頭にした新要素を取り入れることが増えていた。そしてこの作品では、「二次感情」というアルバム全体のテーマと共振するように、楽曲ごとに様々なサウンドを吸収。アルバムのリード曲となった1曲目「WARNING」は、現在のアメリカのポップシーンを席巻する米南部のサウスヒップホップシーンと共振するように、かの地が生んだサウンド=ディープサウスに挑戦。ブラスのループをフックにした低音重視のヒップホップビートの上にラップと歌心を乗せることで、前衛性とJ-POPとしての王道感をひとつにしている。

[MV] SUPER★DRAGON / WARNING

 他にも、3曲目「LRL -Left Right Left-」ではEDMのサブジャンルとして知られるジャングルテラーに挑戦。ジャングルテラーはオランダのDJ/プロデューサー、Wiwek(ウィウェック)が中心となってブームを起こしたサウンドで、ダッチハウスを筆頭にした大箱仕様のハウスにトライバルなビートや獣の鳴き声を使った声ネタを特徴にしている。SUPER★DRAGONの「LRL -Left Right Left-」では、ダミ声のアグレッシブなフロウを得意とするジャンが、〈Growl〉という叫びにも似たボーカルで獣の鳴き声を表現。同時にサビで一気にキャッチ―な展開が顔を出し、ただ激しく攻めるだけはない王道感が彼ららしい。

 とはいえ、そうした“よりアグレッシブな実験”を追求した楽曲があると同時に、一歩引いて洗練性を加えるような新機軸が収録されているのも本作の特徴だ。たとえば7曲目「Bring Back」は、フューチャーベース由来の不規則なシンセ/ビートをスムースなR&Bに接続し、その上でラップと歌声が切ない記憶や感情を表現していく。また、「Song For You」では過去に思いを馳せるような、卒業ソングとしての魅力を追求。こうした楽曲で披露するシンガーとしての表現力の高さもまた、今の彼らならではだ。全編英語詞となった「BLOODY LOVE」では、フレーズのループを基調にした洋楽テイストの音を歌唱面でも表現している。

      

「SUPER★DRAGON、サウンドの前衛性とJ-POPとしての王道感 アルバム『2nd Emotion』評」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版