ニューシングル『SWEET DEVIL』インタビュー
SUPER★DRAGONが考える、他にはないグループの魅力「僕らは攻めた音楽性を表現できる」
9人のメンバーによるダンスパフォーマンスで人気を集めるダンス&ボーカルグループ、SUPER★DRAGON。彼らが最新シングル『SWEET DEVIL』を完成させた。
2016年にデビュー曲「Pendulum Beat!」を発表して以降精力的な活動を続けてきた彼らは、年長組のファイヤードラゴンと年少組のサンダードラゴンに分かれて全国各地を回ったツアーなどを通してグループとしての絆を深め、2017年1月には1stアルバム『1st Impact』をリリース。その後も各メンバーが特技を磨いて新たな挑戦をした『NUMBER 9 TOUR』や『MYSTIC BOOK』といったワンマンライブツアーや、楽曲ごとに新たな音楽性を取り入れたシングルによって人気を拡大すると、2018年にはシングル『Monster!』がオリコン週間チャートで3位を記録。全国5都市を回った初のホールツアー『HAZARDSCHOOL 0』ものべ約1万人を動員するなど、約2年間の活動の中で急激にファンを増やし続けている。
彼らの最大の魅力と言えるのは、ヘビーでエッジの効いたサウンドと、9人ならではの編成を生かしたフォーメーションダンス。そこに、それぞれに個性のある「歌」「ラップ」「ビートボックス」が縦横無尽に絡み合い、多彩な引出しがひとつの曲に詰め込まれたミクスチャーサウンドが生まれていく。幅広い年齢/趣味のメンバーが集まって生まれる多彩な個性が、それぞれの楽曲で見事にひとつになる一体感もこのグループの大きな特徴だ。
今回の「SWEET DEVIL」は、グループにとって初のテレビドラマ主題歌となる、中川大志主演『覚悟はいいかそこの女子。』(MBS/TBS系列)のオープニングテーマ。彼らが得意とするドラムンベースを取り入れたヘビーなギターロックを軸に、間奏では玲於&和哉が初挑戦となるスクリーモ由来のデスボイスを披露するなど、「イケメンだが、恋愛経験ゼロのヘタレ男子」というドラマの主人公・古谷斗和(ふるや とわ)が持つ“ギャップ”にも通じる、「激しさ」と「ポップ」さを兼ね備えた音を手にしている。歌やラップでメンバーがそれぞれに個性豊かな表情を見せてくれるのも今のスパドラならではだ。ライブで真価を発揮するエッジの効いた楽曲はSUPER★DRAGONの真骨頂だが、過去以上に激しいミクスチャーサウンドであることに加え、「デビルポーズ」やアクロバットを取り入れたパフォーマンスなどによって、ステージ上でさらなる熱気を生み出しそうな楽曲になっている。
また、カップリングには「TYPE-A」「TYPE-B」でサウンドの異なる2種類の楽曲を収録。この2曲は続けて聴くことでひとつのストーリーが浮かび上がるものになっている。
「TYPE-A」に収録された「Ringing, Love」は、エッジの効いたモダンR&B。ファンキーな雰囲気を持ったシンセと、昨今アメリカの音楽シーンで大きな話題を呼んでいるヒップホップ=トラップ由来のビートや三連符ラップを取り入れた楽曲を通して、遠距離恋愛ならではの切ない気持ちや、「君」へのまっすぐな思いを力強く歌い上げている。
一方、「TYPE-B」に収録の「Summer Breeze」では、トロピカルハウスを取り入れた前シングル『Monster!』のカップリング曲「City Noise」に続いて、EDMシーンで人気となっているディープハウスに接近。ドロップを曲の核に据えた本格的なクラブミュージックの系譜に連なる楽曲の中で、ガラスが砕ける音や大人びた表情を浮かべる歌&ラップなどを展開して、爽やかでありながらどこか切なさを感じさせる、ひと夏の恋の物語を描いている。
3曲を聴いて魅力的に感じられるのは、これまで以上にキャラの立った個性が次々に耳に飛び込んでくる華やかな多様性と、海外の音楽シーンにも通じる様々なサウンドを取り入れて生まれた、音楽面でのさらなる充実度。“9人9様”の個性を持つSUPER★DRAGONの魅力がこれまで以上に感じられるものになっている。今回のインタビューでは、より「音楽面での工夫」にフォーカスした形で、今回の制作秘話やグループの今について聞いた。(杉山仁)