SUPER★DRAGON 毅&ジャン&彪馬&洸希&和哉が語る、2年間の成長と挑戦

スパドラ、2年間の成長と挑戦

 スターダストプロモーションの若手俳優集団EBiDANから誕生し、貪欲にジャンルを飲み込むミクスチャーサウンドと9人ならではのフォーメーションダンスで人気を集めるダンス&ボーカルユニット、SUPER★DRAGON。彼らが約2年振りの最新アルバム『2nd Emotion』を完成させた。この作品では「二次感情」をテーマに据え、過去の曲には含まれていなかったより複雑で繊細な感情を表現。それに呼応するように、サウンド面でも新要素が詰め込まれ、9人の2年間の成長を伝えるような作品を手にしている。ボーカル&ラップ組の毅、ジャン、彪馬、洸希、和哉に、その制作風景やグループの進化を聞いた。(杉山仁)

制作により携わっているような意識が増した(ジャン) 

ーー2年前にリリースした1stアルバム『1st Impact』の頃は、アルバムを作ること自体が初めての経験だったと思いますが、今回の『2nd Emotion』はどんな意気込みで制作に臨んでいましたか?

和哉:『1st Impact』は、「SUPER★DRAGONとはこういうものだ」という、スパドラの表の部分を発信するようなアルバムだったと思うんです。でも、今回の『2nd Emotion』は、スパドラを知っていただいた上での変化や、これまでとは違った側面を見せるためのものなんじゃないかな、と解釈していて。スパドラが昔から残してきたものも伝えながら、そこから「変化した部分」や「新しい部分」を見せられるようにしようと思っていました。

毅:和哉が言ってくれた通りで、『1st Impact』はブレちゃいけない核の部分を見せられたアルバムだったと思います。だからこそ、今回のアルバムにはそこから2年間色々な変化が入っていると思いますし、音源化されていなかったファンの方にとっても待望の楽曲がたくさん入っていて。それに加えて新曲も収録されているので、自分としてもすごく新鮮な気持ちで臨みました。

ーー実際、今回のアルバムは情報量が多くて圧倒されてしまいました。本当に色々な挑戦が収められていますよね。

ジャン:そうですね。今回のアルバムには色んなジャンルの曲が詰まっていて、だからこそ、ラップひとつとっても色々なニュアンスを出さなければいけなくて。それに、アルバムとして「Emotion=感情」をテーマにしているので、曲ごとに色んな感情を表現したり、伝え方を考えたりすることを意識しました。自分たちとしても、今回は制作により携わっているような意識が増したような気がします。

彪馬:そもそも、前のアルバムはグループの結成から1年ちょっとしか経っていなくて、自分自身、「こういう音楽をやりたい」という意見を伝えられていなかった部分があったんです。でも今回は「こういう曲をやってみたいです」という意見も言えたりして、それが自分たちの成長にも繋がったと思っています。

洸希:僕らができることも前より広がってきていると思いますし、それこそ、メンバーの身長も変わりました(笑)。他にも色々と変わったところがあると思います。それをみなさんに伝えられるいい機会だと思って、メンバー全員さらに力を入れてアルバムに臨みました。

ーー『2nd Emotion』というタイトルにはどんな意味が込められているんですか?

毅:これは「二次感情」という意味で、今回はより複雑な感情を表現することに挑戦しています。たとえば、今回のアルバムには怒りをテーマにした楽曲も3曲収録されていますけど、その「怒り」でも、曲によって種類が違っていて。その曲に応じたテクニックをメンバーそれぞれに試行錯誤していきました。そういう自分たちのこだわりが、大きく出た作品なんじゃないかと思っています。

ーーでは、今回はその様々な感情の種類やテーマごとに、みなさんが特に印象に残った楽曲を挙げてもらって、その制作風景について聞かせてください。まず、リード曲の「WARNING」は、どんな工夫をしましたか? この曲は、「より複雑な感情を表現する」という今回の作品を象徴する楽曲になっていると思いました。

ジャン:この曲は最初のデモの段階では英語詞で、完成版とは違うフロウだったんですけど、そこから日本詞になって曲自体の雰囲気が変わっていく中でも、洋楽っぽい韻の置き方を残すように意識しました。自分のラップは3連符を使った今っぽいフロウでーー。

ーーいわゆるトラップ的なフロウですね。

ジャン:はい。だからこそ、色んな人に「こんなラッパーがいるのか」と思ってもらえるようなものにしたいと思って挑戦しました。

彪馬:僕は最初に聴いたとき、「このサウンドで自分自身との葛藤をテーマにした歌詞をどう表現すればいいんだろう?」と純粋に悩みました。この曲は「怒り」と聞いてよく思い浮かべるような分かりやすい激しめのサウンドではなくて、ダーティーサウスを取り入れていて。その複雑な雰囲気を自分なりに表現するのが大変でした。リード曲でもあるので、たくさんの人に「自分が表現した怒りが伝わるようにしたい」と思っていました。

和哉:そもそも、自分の過去にキレるって、僕はあまり経験してこなかったんですよ。

ジャン:えっ、ムカつかんの……?!

和哉:(笑)。人に怒るときは全部ぶつけちゃうかもしれないですけど、自分の過去って自分自身なので、少しもどかしさが生まれるというか。その単純ではない気持ちをどう表現するかが、最初は大変でした。そこで、とにかくめちゃくちゃ曲を聴き込んでいきました。

毅:僕もこの曲をどう表現しようかと色々考えて、レコーディングも2日間かかりました。この曲は終盤の自分のパートが飛びぬけて高音で……「キングオブ高音」なんですよ。世の中で言う「高音」があるとしたら、それよりさらに飛び抜けた高音で……。

ジャン:何だよそれ(笑)。

毅:「これは今までの自分の声の出し方では歌えないぞ……」と思って、レコーディング中も試行錯誤しました。まるでw-inds.の橘慶太さんのようなハイトーンパートだったので、色々と勉強になりました。

洸希:僕もジャンくんとの掛け合いがすごく難しくて。相当苦戦しました。

ーーみなさん新しいことに挑戦しているということですよね。しかも、ダーティーサウスを取り入れた楽曲がリード曲になるというのも、かなり攻めたことで。

毅:とはいえ、スパドラはこれまでも毎回攻めてきたので、常に変化していくことの象徴として、「今回のアルバムでもまた新しいことをやるぜ」という気持ちを、1曲目から伝えられる曲になったと思います。

[MV] SUPER★DRAGON / WARNING

ーー今回は「WARNING」以外にも新しいサウンドに挑戦していますが、その中でも印象的だった曲というと?

ジャン:僕はジャングルテラーを取り入れた「LRL -Left Right Left-」。ジャングルテラーというジャンルをやることは、きっと全員想像していなかったと思うんですけど、ラップが終わった後のドロップの部分もすごく新しいと思いました。

ーージャングルテラーは動物や恐竜の鳴き声を取り入れたEDMのサブジャンルですが、この曲も〈Growl〉という部分がまさに動物の声のようになっていますね。

ジャン:そこは僕が担当したんですけど、獣の叫びを意識していきました。あと、この曲はトラックの音数が多いので、ひとつの行の中でたくさんは遊ばずに、あまり声をブラさずに歌うようにも意識していきました。

毅:僕もこの曲は、最初に聴いて「めちゃくちゃ新しい曲だな」と思ったんですけど、一方で、歌が終わった後のフックの部分はギターが効いているし、メロディもスパドラらしいものになっていて。初期から僕らの曲をよく作ってくれている作家さんらしい曲だな、と思ってホッしました。

ーー新しい音楽性でありつつも、スパドラらしさもちゃんと込められた曲になっていますよね。

和哉:〈Left Right Left〉と繰り返すところは淡々とした雰囲気もありますけど、〈Growl〉のところはジャンくんが野性味を加えてくれていて、1曲の中に色んな味付けがある曲だな、とも思います。

毅:新しいサウンドという意味では、僕は「BLOODY LOVE」も印象的でした。サウンドもそうですけど、全編英語詞ということもあって本当に衝撃を受けて。「こういうこともやるか!」と思いましたし、全然ごまかせない、レベルの高い曲だと思いました。楽しんで歌わせてもらいましたけど、レコーディングも大変で(笑)。歌録りは僕と彪馬とジャンの3人で、延べ13時間ぐらいかかったんですよ。

ジャン:この曲はメロディを歌うときに、「歌を歌う」というよりも、「メロディをラップする」という意識で臨みました。僕は2人と違って普段はラップをしているわけなので、2人とは違う魅力を加えるという意味でも、そういう感覚の方がいいかな、と思って。あと、ホイッスルが入っているのも、すごく好きなんです。昔Fifth Harmonyがホイッスルを取り入れた曲を出して流行ったことがあったじゃないですか? その曲を僕も好きで聞き込んでいたので、そのパートを自分が担当できたことも嬉しかったです。

ーーこの曲はイギリスのクリエイターが手掛けている楽曲ですが、今回の収録曲は手掛けている作家陣も世界の様々な地域の人に広がっていますね。

毅:「WARNING」もそうですしね。そういうところも『1st Impact』との違いかな、と思います。新しいサウンドを取り入れていくことで、新しい風が入ってきていて。仮歌の時点でも全編英語でこれまでとは雰囲気が違いました。

ーー日本語ではなく英語で今回のアルバムのテーマである「感情」を表現するのは、難しかったんじゃないですか?

彪馬:歌詞の内容自体も複雑で、しかも英語で歌うことで初めて成り立つような曲だとも思っているので、その中で感情を表現するのは確かに大変でした。そもそも発音が上手くないと声の表情も出せないので、ボイストレーニングの先生とも色々と話し合いながら進めていきました。

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