えつこ&ささみおが語る、サポートコーラスへの思い「川谷絵音くんの現場が今の私を作ってくれた」

えつこ&ささみお、サポートに対する思い

「ライブはレコーディングをしてるくらいの気持ち」

ーーえつこさんはインディゴではキーボードも弾いているわけですが、曲作りにはどのように関わっているのでしょうか?

えつこ:ゲス乙女だったら、川谷くんが弾いたコードをちゃんMARIが拾って、そこから曲を固めていくんですけど、インディゴでは私がその役割をやっていて。川谷くんが弾いたコードを拾って、ホワイトボードに書いて、「ルートはここで、コードはこういう感じ」っていうのを伝えて、骨組みしていく。曲全体の構成を考えるときには、コードが鳴ってないとわかりにくいから、とりあえずピアノの音色で弾いて、ピアノとドラムで1セクションやり、そこにベースをルートで入れてもらって、その間に川谷くんが考えるっていう時間があるんです。その流れで、そのまま本番もピアノの音色で弾くこともあれば、川谷くんが指定することもあるし、川谷くんがその場にいなかったら、私が勝手に入れちゃって、何も言われなかったらセーフ、みたいなときもあったり。まあ、音色に関しては、基本指定があることが多いですけど。

ーーフレーズに関しては?

えつこ:わりかし任せてもらってるんですが、インディゴはリードギターの長田(カーティス)くんがいるので、彼のフレーズを邪魔しないようにっていうのは結構心がけてます。ただ、存在感がなさ過ぎてもいる意味がないので、ちゃんと2本のギターを出した上で、「鍵盤鳴ってるな」くらいのバランスを取るようには意識していますね。

ーーインディゴの曲調自体も変わってきてるから、それによってそのバランスも自然と変化していってるんでしょうね。

えつこ:最近はDADARAYもやっていて、DADARAYも鍵盤押しのバンドだから、ゲス乙女も含めて3バンドのバランスを考えるようにはなってます。

ーーささみおさんはライブでバイオリンを弾くこともありますよね。

ささみお:4歳から18歳までやってはいたんですけど、しばらくやってなかったので、急に「弾いて」って言われたときはびっくりしました。もともと「コーラスがいきなりバイオリン弾き始めたら面白いよね」って話で。確かに、見に来てくれた人からも「よかった」って言ってもらえてるので、やってよかったなって思いました。

ーーえつこさんから「ゲストーリー」の話がありましたが、ささみおさんはレコーディングが印象に残っている曲というと、どの曲が浮かびますか?

ささみお:いっぱいコーラスを入れるようになったのが、インディゴの「eye」で、あれはサビを二人だけで歌ってて、5声で、全部ダブルで重ねて録るっていう、ああいうことをやったのは「eye」が初めてだったので、印象に残ってますね。

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ーーさきほどチラッと名前が出たゲス乙女の「某東京」も強烈ですよね。

えつこ:あれは「カオスにしてほしいから、ずっとフェイクやってるみたいなのを作ってほしい」って言われて、途中のセクションまでは私が考えたんですけど、キャパオーバーだったので、後半のロングトーンになるところは主線のメロディをみおちゃんに任せて。

ささみお:1セクション目とか、「とりあえずブース入ってやってみて」みたいな感じだったよね。

えつこ:そう、アドリブみたいな感じでやって、ちょいちょい川谷くんが「ここは巻き舌で」とか「ここはこういうの入れてほしい」とか言って……あのときは結構ボロボロの状態だった(笑)。

ーー今年リリースされたインディゴの『PULSATE』とゲス乙女の『好きなら問わない』の収録曲に関しても、想い入れのある曲を挙げてもらえますか?

えつこ:『PULSATE』で言うと、「魅せ者」は鍵盤のアプローチが私は気に入ってて、大人になったインディゴの空気感が出てるというか、「新しいインディゴ」って感じで、すごく気に入ってます。ゲス乙女で言うと、「はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした」が一番好きですね。ゲス乙女のコーラスアレンジもインディゴと同じ手法で、私がハモのパターンを考えてるんですけど、ちゃんMARIが絶対音感を持ってるから、不安なときはちゃんMARIにアドバイスをもらったりしながら作ってます。

ーー「はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした」はどんな部分が気に入ってますか?

えつこ:コーラスのラインもハモリのパターンも好きなんですけど、よく聴くと、Aメロとかでみおちゃんと私が交代でハモッてたりするんです。お互い得意な帯域というか、抜ける帯域を意識しながら考えてて、そういうのが他の曲でも散りばめられているので、注意して聴いてもらえると、より面白いかなって。

ささみお:私基本的に高い声を担当させてもらってて、下ハモをやることはあんまりないんですけど、「オンナは変わる」では下ハモをやらせてもらっています。

えつこ:「オンナは変わる」は私が川谷くんのオクターブ下を入れてて、その間にみおちゃんが入ってるんです。

ささみお:普段上でハモッてるから、いざ下でってなると、あんまり自信なかったんですけど、やってみたら、ちゃんMARIとかに「いい感じだった」って言ってもらえたので、ぜひ聴いてもらいたいなって。

ーー『PULSATE』と『好きなら問わない』、アルバム自体に対しては、どんな印象ですか?

えつこ:すごくいい意味で、無理してない感じがする。

ささみお:詰め込み過ぎてないっていうかね。

えつこ:「すごいことしなきゃ」みたいなのがいい意味でなくて、本来のメンバーが持ってる素晴らしさがナチュラルに出てる作品なのかなって。メンバーからしたら「超無理したよ」って部分もあるとは思うけど(笑)、でもすごく聴きやすい。

ささみお:語弊があるかもしれないけど、いつでも聴けるというか。聴き込もうと思えばいくらでも聴き込めるけど、歩いてるときも、家にいるときも、BGMとして聴いても心地いい曲がどっちにも入ってる感じがしますね。

ーーライブに対する意識は、サポートをやり始めた頃と今とでは、どのような変化がありますか?

ささみお:私はそもそも軽音部で歌ってただけで、バンドマンでもなかったし、大勢の人の前で歌うこともなかったので、最初はホントに……当時のライブの記憶がないくらいの感じではあったんです(笑)。今はレコーディングをしてるくらいの気持ちで、あんまり感情に流されずに、しっかり歌おうと思ってます。もちろん、お客さんが盛り上がったら自分も盛り上がるけど、そこで感情に持って行かれないで、ちゃんと歌おうって。

ーー途中で「楽器の一部」という話もあったように、ライブならではの熱量も大事だけど、今は正確さの方に重きを置いていると。

ささみお:アンコールとかだと、いい意味で肩の力が抜けるけど、特に本編中は気を張って、冷静にいようと思ってます。

えつこ:私は逆にもともとバンドマンで、これまでは自分がメインボーカルでステージに立つことが多くて、人の後ろでパフォーマンスをすることがなかったので、最初は我が出過ぎて、コーラスなのにメインボーカルっぽく歌っちゃったり、パフォーマンスにしても、悪い意味で目についちゃうときがあったりしたかなって。でも、2017年にDADARAYを始めたタイミングで、ちゃんと温度差がつけられるようになって、DADARAYでは目いっぱい動くし、目いっぱい自分の癖で歌うけど、ゲス乙女とかインディゴに関しては、比較的自分を出さないように、パフォーマンスもテンション高い曲以外では、なるべく動かないようにっていうのを意識してます。まあ、人間なので、守れないときもあるんですけど(笑)。

ーーサポート活動が活発になって、katyushaにはどんなフィードバックがありますか?

えつこ:もともとkatyushaでコーラスワークに力を入れていたので、ゲス乙女やインディゴをやることで、よりコーラスのスキルが洗練されて、katyushaのレコーディングにも活かせたし、アプローチも変わってきたと思います。でも、私不器用なので、ひとつのことに集中しちゃうと、他のことがあんまりできなくなっちゃうタイプなんですよね(笑)。長岡(亮介)さんとかホントすごいなって思ってて、人のバックの仕事もちゃんとできて、自分のバンドもしっかり確立されてて、ファンの方がたくさんいらっしゃるっていう。憧れですね。

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