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マライア・キャリー、ジャネット・ジャクソン、トニ・ブラクストン……歌姫たちの復活劇を追う

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マライア、新たなレーベルを舞台に新作『Caution』でリスタート

 マライア・キャリーが新曲「With You」をリリースし、MVを公開。続けて新作アルバム『Caution』のリリースを発表した。マライアは先日、リリースに先駆けて行われた日本ツアーを大盛況で幕を閉じたばかりだ。

Mariah Carey – With You

 「With You」を手がけたのはリアーナ「Needed Me」、エラ・マイ「Boo’d Up」などといったヒット曲を世に送り出したDJ Mustard。マライアが得意とするセルフオクターブユニゾンを取り入れたミディアムスローに仕上がっている。決して派手さはないが、穏やかなメロディがなんとも心地よい。「Boo’d Up」のようにロングヒットも期待ができそうだ。

マライア・キャリー『Caution』

 さらにマライアはジェフ・ローバーの「Rain Dance」をサンプリングした新曲「A No No」も公開。リル・キムの「Crush on You」やSWV「Love Like This」のネタとしてもお馴染みだが、ノリの良いスムーズなナンバーでフロア受けもばっちり。『Caution』の内容にも非常に期待が持てる。

 1990年に「Vision Of Love」でデビューしてからもうすぐ30年のキャリアを迎えようとしているマライアが、未だにチャートを賑わせている姿は素晴らしい。90年代の黄金期ほどの勢いは感じられないが、「#Beautiful ft. Miguel」(2013年)、「Obsessed」(2009年)、「Touch My Body」(2008年)などのTOP10以内に入るヒットをコンスタントに生み出し続けている。 しかしそのキャリアを順調に築いてこれたかと言われるとそうではない。いわゆる「低迷期」を迎えたこともあり、どん底を見たこともあった。

 90年代に『Emotions』『Merry Christmas』『Daydream』などの大ヒットアルバムを立て続けにリリースし、ポップアイコンとなったマライア。1997年の『Butterfly』で自身のルーツでもあるブラックミュージックへのアプローチを試み、見事に高い評価を受けた。ソニー・ミュージック傘下の<Columbia Records>所属最後のアルバムとなった『Rainbow』(1998年)もR&B色が濃厚な良質な作品だ。

Mariah Carey – Honey (Bad Boy Remix) ft. Mase, The Lox

 その後、マライアは1999年、100億円以上の契約金を提示されてEMI傘下の<Virgin Records>に移籍。しかし、これを機に低迷期を迎えてしまう。マライアが主演した自伝的映画『グリッター きらめきの向こうに』(2001年)が興行的に大失敗に終わってしまったのだ。マライアが全曲を歌う映画のサントラアルバム『Glitter』も50万ほどのセールスに。これを受けてEMIはマライアとの契約を解除。莫大な違約金がVirginから支払われたが、事実上のリストラは大きな衝撃を生んだ。「もうマライアの時代は終わった」という雰囲気すらシーンには漂っていた。

 しかし、そんなマライアに転機が訪れる。<Islands/Def Jam>との契約だ。LL・クール・J、ジェイ・Z 、DMXなど多くのHIPHOPアーティストを抱えるDef Jamと、R&B路線を歩み始めたマライアとの相性は抜群。特に『The Emancipation of Mimi』(2005年)はモンスターヒットシングル「We Belong Together」を収録していたこともあって、米国内だけで600万枚の売上を記録した。まさに歌姫マライアの復活である。

Mariah Carey – We Belong Together

 2008年『E=MC2』以降のアルバムはビッグヒットには至ってはいないものの、コンスタントにリリースを続けており、オーディション番組『アメリカンアイドル』の審査員に就くなど、明るい話題を提供し続けている。そして、2015年には初心に帰るかのごとくソニー・ミュージック傘下<EPIC Records>に移籍、3年後の2018年、ついに新作『Caution』の発売を迎えることとなった。今年は長年双極性障害を患っていることをカミングアウトしたことでも話題を呼んだマライア。新作がどんな作品に仕上がっているのか非常に楽しみである。

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