>  >  > 90年代歌姫たちの復活劇を追う

マライア・キャリー、ジャネット・ジャクソン、トニ・ブラクストン……歌姫たちの復活劇を追う

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ジャネットもどん底から這い上がり新曲発表

ジャネット・ジャクソン『Made For Now (feat. Daddy Yankee)』

 ジャネット・ジャクソンも今年8月、新曲「Made For Now」を公開した。ジャネットの代表作を長きにわたって作り続けたジャム&ルイスと、Fifth Harmonyやアリアナ・グランデの曲をプロデュースしてきたハーモニー・サミュエルズの共作である「Made For Now」は、ジャネットのウィスパーボイスが映えるパーティーソング。コラボ相手にはダディー・ヤンキーが抜擢されていて、聴いているだけで楽しくなる一曲だ。

Janet Jackson x Daddy Yankee – Made For Now [Official Video]

 あの安室奈美恵も憧れの人として名を挙げるジャネットだが、彼女も長い間スランプに陥っていた。

 ジャネットはアルバム『Control』(1986年)の大ヒットで一躍スターに。初めてチャートでNo.1を獲得した「When I Think Of You」、のちに映画『天使にラブ・ソングを2』の劇中で歌われる楽曲にサンプリングされた「What Have You Done for Me Lately」、さらに1989年にリリースされたアルバム『Rhythm Nation 1814』でも「Rhythm Nation」「Escapade」といったヒット曲を連発して、スーパースターという地位を確固たるものにした。

 80年代はそのアップテンポな曲調とダンスパフォーマンスが注目されたジャネットだが、90年代に入るとさらにシンガーとしての幅を広げて新たなファンを開拓。アルバム『Janet』(1993年)収録の「That’s The Way Love Goes」はなんとも色っぽいミディアムスローでジャネットの新たな魅力を引き出した。また、『The Velvet Rope』(1997年)収録のメロディアスな名曲「I Get Lonely」、ポップなダンスナンバー「Together Again」などが立て続けに世界中で大ヒットした。

Janet Jackson – Together Again

 2000年代に入るとジャネットがヒロイン役を務めた映画『ナッティ・プロフェッサー2 クランプ家の面々』(2000年)の主題歌「Doesn’t Really Matter」で一段と脚光を浴びることとなる。思わず踊り出したくなるようなダンサブルなトラックにどこか切ないメロディ、そして透明感のあるジャネットの声。この3つの要素が際立つ同曲は日本でも支持され、同年のオリコン洋楽シングルチャートの年間1位に輝き、島谷ひとみが「パピヨン~papillon」というタイトルでカバーするほどであった。そして続くアルバム『All For You』の表題曲「All For You」は、ポップで軽快なトラックがなんともジャネットらしく、アルバムのセールスを後押しした。

 しかし、2004年、アメリカの国民的行事ともいえる『スーパーボウル』のハーフタイムショーにて事件が起こる。セクシーなパフォーマンスを披露する中、胸を覆っていた衣装が外れてしまったのはハプニングだと思われていたが、ジャネット側が演出であることをカミングアウト。これが人々の不評を買い、バッシング報道が過熱した。この影響からジャネットの人気は下降を辿ってしまう。

 同じく2004年に発表したアルバム『Damita Jo』も売上が低迷。ジャム&ルイスの他にカニエ・ウェスト、ベイビーフェイス、さらにはスコット・ストーチという錚々たる顔ぶれが制作陣に迎えられたにも関わらず、TLCやモニカなどをヒットに導いたダラス・オースティンが制作したシングル曲「Just A Little While」も不発に終わり、アメリカ国内の売り上げは前作の1/3以下という結果となってしまった。

 2006年にはリベンジ作『20 Y.O.』をドロップ。ジャム&ルイスの他、マライアを復活に導いたジャーメイン・デュプリが制作に携わった意欲作だったが、さらに売上は下がってしまう。その後、ジャネットは<Virgin Records>を去り、<Islands/Def Jam>に移籍。 2008年には復活をかけた『Discipline』を発表した。R&B界において最もヒットを連発させているロドニー・ジャーキンス、そしてジャーメイン・デュプリが制作に大きく携わったもののヒットには恵まれず、ジャネットは長らくシーンから遠ざかってしまう。

 転機となったのは2015年。自主レーベル<Rhythm Nation>を立ち上げて発表したアルバム『Unbreakable』だ。ほとんどの曲においてジャム&ルイスと再タッグを組んでおり、古くからのファンを喜ばせた。中でもJ.Coleをゲストに迎えたシングル「No Sleeep」はかつてのジャネットを彷彿とさせる出来で、インディーズ扱いながらも全米ビルボードチャートにおいて63位を記録した。

Janet Jackson – “No Sleeep” Feat. J. Cole (Music Video)

 そして2018年のビルボード・ミュージック・アワードでは、ジャネットのこれまでの音楽活動が称えられ、アイコン賞が授与された。実に9年ぶりのTV出演となるショーでは数々のヒット曲をメドレー形式で歌唱。そこにはかつてのように堂々と踊り、そして歌い上げるジャネットの姿があった。

 なお、ジャネットはニューアルバムのリリースに向けて<Cinq Music>というレーベル/ディストリビューターと手を組んだことも発表されている。新作の到着が待ち遠しい。

「マライア・キャリー、ジャネット・ジャクソン、トニ・ブラクストン……歌姫たちの復活劇を追う」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版