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マライア・キャリー、ジャネット・ジャクソン、トニ・ブラクストン……歌姫たちの復活劇を追う

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トニ・ブラクストンは8年ぶりのソロアルバム

トニ・ブラクストン『Sex & Cigarettes』

 さらに2018年は、トニ・ブラクストンもアルバム『Sex & Cigarettes』を発売。ソロ名義でのアルバムはなんと8年ぶりとなった。

 トニは、90年代にベイビーフェイスのサポートの元、「Un-Break My Heart」「You’re Makin’ Me High」「Breathe Again」などの大ヒット曲を連発。メロウなナンバーを張りのある太い声でしっかり歌い上げるスタイルが特徴的だった。2000年には当時を代表するヒットメーカー、ロドニー・ジャーキンスが手がけた「He Wasn’t Man Enough」が世界中で大ヒット。アップテンポな曲も歌いこなせることを証明した。

Toni Braxton – He Wasn’t Man Enough (Video Version)

 しかしその前後から自己破産や離婚、そして胸の腫瘍という健康問題など、多くのトラブルに見舞われてしまう。また、日々トレンドが移り変わる音楽シーンにおいて彼女のベーシックなボーカルスタイルでは新たなファンを生み出せなくなり、ヒットシングルにも恵まれなくなってしまった。The Neptunesをプロデュースに迎えた曲もあったが、やはり声と作風のミスマッチからヒットには結びつかなかった。レーベルを次々と変えてリリースを続けるも、アルバムの売り上げは全盛期の500万枚に比べて1/10以下に落ちこんだ。

 それでも彼女は歌うことを諦めずに2014年に盟友ベイビーフェイスとのコラボアルバム『Love, Marriage & Divorce』を発表。かつての名コンビがシーンに帰ってきたと古くからのファンを大いに喜ばせた。全盛期の売り上げには及ばなかったが、ビルボードのアルバムチャートでは4位を記録するスマッシュヒットに繋がった。

Toni Braxton, Babyface – Hurt You

 そんな復活劇を遂げての今回の新作発表である。ベイビーフェイスやトリッキー・スチュワートなど、古くからヒットを放ってきたプロデューサーに加え、ビヨンセやリアーナなどに曲を提供したキャリアを持つフレッド・ボールを制作陣に迎えた『Sex & Cigarettes』は、派手さはないものの良質なアルバム。チャートアクションはいまいちな結果だったが、何よりも歳を重ね、さらに円熟味を増したトニの濃厚な歌声が楽しめる1枚になっている。

Toni Braxton – Long As I Live

 90年代から30年以上のキャリアを持つ歌姫たちがどんどん復活を遂げている昨今。インターネット配信が主流となりつつある音楽シーンにおいて大手のレーベルにこだわる必要性も薄れており、ジャネットのようにインディーズから作品を発売するというスタイルも確立されつつある。どんな逆境に置かれようとも、彼女たちに「声」という武器がある限り、何度でも這い上がり続けるだろう。そんな彼女たちをこれからも応援していきたいと思う。

■鼎
30代ゲイライター。ピーダブリューアールスポーツ株式会社所属。
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