7thアルバム『flower』リリースインタビュー
Sonar Pocketが語る、『ソナポケイズム』からの卒業と新たな誓い「“国民的”な楽曲を作りたい」
昨年に第二章を掲げた活動をスタートし、9月にデビュー10周年を迎えたSonar Pocketが、ニューアルバム『flower』をリリース。“聴く人に笑顔の花を咲かせたい”という想いのもと、これまでアルバムタイトルに冠していた『ソナポケイズム』から卒業、制作スタイルもガラリと変えて生み出されたアルバムだ。1曲目の「Phoenix」から新しいSonar Pocketを感じさせ、作詞に松井五郎を迎えた爽やかさ溢れる「青」も収録。彼ららしい応援歌やラブソングはそのままに、第二章の“1stアルバム”と呼べるものに仕上がった。楽曲制作のエピソードを通して、彼らがアルバムに込めた熱いものが見えてきた。(榑林史章)
約束の連続で歩んだ10年、その感謝を『flower』で表現
ーー今作は『flower』というタイトルで、『ソナポケイズム』と付かないアルバムは初めてですね。
ko-dai:10年やってきた中で、『ソナポケイズム』という言葉に、僕ら自身囚われ続けていたところがあって。実は『ソナポケイズム⑤ ~笑顔の理由。~』くらいの時から、「そろそろやめようか?」と話が出ていたんです。それで2017年に第二章を掲げて活動を始め、今年の頭に10周年ツアーを行うことが決まった時にツアーのタイトルを『flower』と付けて。このアルバムでも10年応援してきてくれたみんなへ、僕らの感謝の気持ちをしっかり届けよう、聴いた人たちの思い出にたくさんの花が咲くようにしたいとの想いで、アルバムのタイトルも『flower』でいくべきだろうと付けました。
matty:振り返ると、デビュー時のアルバムのタイトル決めも会議室でみんなで話し合ったんですけど、僕が出したタイトル案は『ゴールデンボーイズ』というもので、食い気味に却下されて(笑)。結局『ソナポケイズム』というのが決まったんですけど、①とか②とか、どんどんナンバリングされていくのが嬉しくて、そこにひとつの証みたいなものを感じていたのはありましたね。だからそれを止めるのは、僕たちにとってはすごく冒険で。それから第二章を掲げた活動をスタートして、新しいSonar Pocketの側面として、サウンドもそうだし歌詞の面でも、10年を経た今だからこそできるものを詰め込んだアルバムができて。今はタイトルの付け方を変えて良かったなと思っています。
ーーある意味、タイトルで自分たちを縛っていた。そろそろ自由にやってもいいんじゃないかと。
matty:ナンバリングされたり、数字が付いていると、集めたくなる心理もあるじゃないですか。そういう遊び心とか、少しでも買ってもらいたいという気持ちが、アルバムのタイトルやジャケットには表れていたと思います。
ーーアルバム『flower』の内容についてうかがっていきますが、まず収録曲のラストに「flower」という曲も収録されていて。この曲は、アルバムタイトル決まってから作ったのですか?
ko-dai:これはアルバムタイトルよりも先で、『flower』というツアーが決まった時点で、ツアーで届けようと思って作った曲です。
ーーすごく10周年の感謝の気持ちが込められていて、歌詞に〈Promise〉とか〈ありがとう〉とか、これまでの曲名が出てくるのがポイントですね。
eyeron:この曲は僕らの10年分の感謝の気持ちが詰まった曲で、ファンのみんなに手紙を書くような気持ちで歌詞を書きました。僕らのデビュー曲「Promise」からは、タイトルだけでなく〈君にとって僕にとって〉という歌詞も引用しているのですが、その当時の気持ちは今も変わっていないし、今も当時と同じように約束し続けている。そういうことを伝えたかったし、この曲をもってまた約束をしたいと思って、こういう趣向の曲にしたんです。
ーー第二章に入って変わってしまうんじゃないかと、不安を持っているファンもいた。
matty:実際にそういう声も聞きました。
ko-dai:たとえば地元の友だちに「変わったよね」と言われることも、必ずしも悪いことばかりではないと思うんです。それは、変わらなければいけないから変わったのであって、自分という人間を向上させるために必要なことだった。でも変わらなくていいところは変わっていないんだよって、ちゃんと伝えたい気持ちがあったので、それを感謝の気持ちと共に詰め込みました。すごく言葉を選びながら何度も書き直したので、気持ちが伝わってくれたら嬉しいです。
matty:2人が書いた歌詞は、10年以上一緒にやってきたからこその同じ空気感と言うか。僕が思っているファンへの感謝も、すごくストレートに表現されていたので、歌詞を読んだ時は代弁してくれているなって思いました。こういうストレートな曲が書けたのは、チームとして10年続けてきたからこそだなって思います。
ーー10年を集大成しながら、11年目以降の新しい部分も感じさせる曲ですね。
eyeron:そうですね。サウンドの部分でも新たな試みをしていて、途中でゴスペル風になって最後に向けてすごく華やかになる展開は、今までやっていそうでやっていなかったこと。そこでも一つ、新しい挑戦ができています。
ko-dai:続いていくということを表現したかったし、デビューから応援してくれる人との約束の連続で僕らは歩んできたので、また次に向かってどんどん約束していきたいです。
matty:まだ達成できていない約束もありますけど、そこにトライし続けさせてもらえているのは、すごく幸せなことです。それにトライし続ける姿を観てもらうことで、それがファンのみんなにとって少しでも糧になってくれたらいいなと思います。