山内惠介は演歌の新時代を切り拓く 楽曲やマルチな活躍で魅了する独自のエンターテインメント

 シュッとした切れ長のルックスと、物腰やわらかでどこか気品を感じさせる立ち居振る舞いから、演歌界の貴公子と呼ばれて人気の山内惠介。10月10日には、デビューから現在までのシングルを網羅したベストアルバム『The BEST 18 singles』と、最新シングルの新装盤『さらせ冬の嵐』(旅盤・島盤)をリリース。「さらせ冬の嵐」ではポップス界の重鎮=松井五郎に作詞をまかせ、演歌の新時代を切り拓く1曲になっている。

 高校生のときに地元・福岡のカラオケ大会でスカウトされ、2001年にシングル『霧情』でデビューした山内。2009年にリリースしたシングル『風蓮湖』が、オリコン週間シングルランキングに50週連続ランクインするロングヒットを記録したほか、2014年にリリースした『恋の手本』がオリコン9位を獲得。さらに最新曲『さらせ冬の嵐』では4位と、確実に順位と売上を伸ばしている。また、2015年に『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たし、以降3年連続で出場。今年も「さらせ冬の嵐」で4度目の出場を目指している。

80年代J-POP、R&B/ソウルとの融合で、演歌新時代を切り拓く 

 最新曲「さらせ冬の嵐」の作詞を手がける松井五郎は、80年代に安全地帯や吉川晃司などのロック系アーティストの楽曲を手がけたほか、V6やSexy Zoneなどのジャニーズ、田村ゆかりや水樹奈々など声優アーティストの作詞を手がける、ポップス界の重鎮。山内とは2011年の「冬枯れのヴィオラ」で、初タッグを組んだ。“銀幕歌謡”と名付けられた「冬枯れのヴィオラ」は、異国の街を舞台に描かれた男の哀愁が、サビメロのエモーショナルさと絶妙にマッチして話題を呼んだ。今回の「さらせ冬の嵐」は、同曲を“浪漫歌謡”と、新たにカテゴライズ。細かく刻むストリングスの音色がしんしんと降り注ぐ雪の情景を思い起こさせる楽曲で、冒頭から〈ここで身を投げれば〉と、ドキッとさせる言葉が耳に飛び込む。シンプルな言葉だからこそのインパクトの強さと、ドラマチックな展開を持った歌詞は、ポップスシーンで培ってきた松井の手腕が光る。

山内惠介「さらせ冬の嵐」ミュージックビデオ(short ver.)

 また、昨年のシングル曲「愛が信じられないなら」をはじめ、「お楽しみはこれからだ!」や「あたりきしゃりき」といったカップリング曲の作詞には、EXILEの「Lovers Again」をはじめ、CHEMISTRYやJUJUなどを手がけるR&B/ソウルミュージックのプロデューサー=松尾潔を起用。特に「愛が信じられないなら」は、跳ねたビート感とスラップベース、泣きのフレーズを奏でるディストーションの効いたエレキギターといった、ロックやファンクの要素を兼ね備えていて新鮮だ。そもそもR&B/ソウルの男性ボーカル曲は、失恋や悲恋を歌うことも多く、演歌の歌詞の世界観と親和性が高い。そこに目を付けて松尾を起用したことは理にかなっている。松井の楽曲も松尾の楽曲も演歌ではあるものの、従来の演歌とはひと味違った魅力や取っつきやすさがあって実に新鮮だ。

山内惠介 - 愛が信じられないなら

年間100本近いコンサートが裏付ける熱唱 

 そうした挑戦を続ける山内の演歌をダイレクトに楽しめるのが、年間100本近く開催されるライブや舞台だ。4月にスタートした『演歌新時代 山内惠介 熱唱ライブ2018〜新たなる夢の扉へ〜』は、5月に開催された『熱唱ライブ2018〜北海道ツアー〜』と合わせて年内だけでも計58公演を数える。これと並行して、10月には『山内惠介コンサート2018〜歌の荒野に孤り立つ〜』を全国5大都市で6公演を開催。人気のライブバンドやアイドルにも負けない公演数で、裏を返せばそれだけ山内の歌を求めるお客さんがいることの表れだ。1曲のなかで繊細な表現もあれば、熱い情熱的な表現も聴かせる。サビで聴く者を圧倒するパワーは、まさしく“熱唱”だ。情緒豊かに、そして熱く、切なさあふれる世界観を表現した歌声は、一度聴けばその虜になるだろう。

 一方で、芝居とコンサートの二部構成でおこなう座長公演は、昨年の新歌舞伎座初座長公演に続き、今年2月に同じく新歌舞伎座で計22公演、8月に『山内惠介 東京・明治座 初座長公演』を計16公演おこなった。人情物語を演じる演劇パートでは、演目に合わせた凜々しい姿を観ることができるなど、歌とは違う魅力を発揮するのが座長公演。ライブパートでは自身の楽曲だけでなく、新御三家やザ・ビートルズのナンバーなども披露する。演劇と歌が融合したシーンもあり、演出の多彩さは、一朝一夕にできるものではない。

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