テイラー・スウィフト、Spotify配信再開の意義 ポイントは有料会員限定配信とデータ活用?

 リスナーが他にどんな音楽を聴いているのかなど、CDの購入データだけでは分からない部分も多い。ストリーミングサービスに蓄積されるリスナーのデータは、今後の音楽業界にとっても不可欠なものであると言えそうだ。最後にコウガミ氏は今後のSpotifyの動きについてこう語った。

「レディー・ガガのマネージャーだったトロイ・カーターがSpotifyの幹部になったことにも注目です。彼はもともとマネージャーだったこともあり、アーティスト側とSpotify側の橋渡しをするような役割をしています。今後はアーティストの意見を聞きながらも、バランスをどう取っていくかが重要ですね。そう考えるとテイラーという大物アーティストが配信を再開したことは、やはりストリーミングのシーンにおいて今年一番のビッグニュースと言って良いでしょう」

 3月には全世界での有料会員数が5000万人を突破したSpotify。今や多くのアーティストにとっても無視できない大きな存在になっている。SpotifyはブロックチェーンスタートアップのMediachain Labsを買収するなど、正当なロイヤリティ支払いに向けた動きを見せているが、まだ全てが解決したわけではない。今後Spotifyがどう動いていくのか、またアーティスト側とSpotifyがどう歩み寄り妥協点を見つけるのか、コウガミ氏が指摘したようにバランスの取り方が重要となりそうだ。

(文=村上夏菜)

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