SMAP・木村拓哉、V6・岡田准一、嵐・二宮和也……ジャニーズとテレビドラマの深い関係を解説

 いまや、ジャニーズが出演するドラマが途切れることはないと言ってもいいほどだ。連続ドラマだけでみても、この3月まではKAT-TUN・亀梨和也の『怪盗 山猫』(日本テレビ系)、SMAP・香取慎吾の『家族ノカタチ』(TBSテレビ系)、TOKIO・長瀬智也の『フラジャイル』(フジテレビ系)、SMAP・草彅剛の『スペシャリスト』(テレビ朝日系)、Kis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔『MARS~ただ、君を愛してる~』(日本テレビ系)などがあった。そして4月からは代わって嵐・大野智の『世界一難しい恋』(日本テレビ系)、嵐・松本潤の『99.9-刑事専門弁護士-』(TBSテレビ系)、SMAP・稲垣吾郎の『不機嫌な果実』(テレビ朝日系)などが始まる。

 これだけを見ても、医療もの、刑事もの、法律ものからホームドラマ、恋愛もの、アクションものとジャンルも多様なら、演じる役柄も様々だ。それだけジャニーズが、いまのドラマ界に根を張った存在になっているということだろう。

 とは言え、ジャニーズのタレントで最初から俳優を目指して芸能界に入ってくるケースは少ないはずだ。その点、いまのような状況はちょっと不思議でもある。ではどのような流れでジャニーズはドラマと深く結びつくようになったのか? 今回は、そのあたりをざっとではあるが、たどり直してみたい。

realsound-smapth_.jpg
(C)タナカケンイチ

 始まりは、学園ドラマだった。学園ドラマはすでに1960年代から人気ではあった。「青春」がテーマとなる学園ドラマはアイドルにとっておあつらえ向きのジャンルであり、実際男女問わずアイドルが生まれた。だが、1960年代から70年代前半にかけてジャニーズの学園ドラマ出演はそれほど目立っていない(その頃の学園ドラマの代表作で森田健作主演の『おれは男だ!』(日本テレビ系)に、フォーリーブスが本人役で登場して部費稼ぎのためにショーを開き、実際に歌うというレアものの場面などはあるが)。

 学園ドラマで最初に主役級の活躍をしたジャニーズと言えるのは、1970年代後半、『青春ド真中!』『ゆうひが丘の総理大臣』(いずれも日本テレビ系)といった中村雅俊の一連の熱血教師ものに出演した井上純一である。井上はすでに歌手としてレコードデビューもしていて、郷ひろみの後継者として期待された存在だった。だがむしろ、学園ドラマの少し哀愁を帯びた不良生徒役で俳優としての方が人気になった。現在で言えば生田斗真や風間俊介などに近いポジションと言えるだろう。

 井上純一は、川崎麻世とともにジャニーズの苦しい時期を支えた。とは言え、そんなジャニーズを復活させたのも学園ドラマであった。1979年開始の『3年B組金八先生』(TBSテレビ系)(以下では『金八先生』と表記する)である。このドラマに生徒役で出演した田原俊彦、近藤真彦、野村義男の人気が爆発し、3人は「たのきんトリオ」としてジャニーズを再び大きな上昇気流に乗せる救世主的存在になった。

 学園ドラマにも時代の変化があり、たのきんの3人はそれにうまくはまったと言える。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる