Little Glee Monsterが目指す、ボーカルグループとしての夢「学生のうちに武道館で歌いたい」

リトグリが目指すグループとしての夢

 Little Glee Monsterの1stアルバム『Colorful Monster』がついに完成した。2013年5月の結成から約3年、さまざまな経験を積んできた彼女たちが満を持して発表する今作には、数々のヒットシングルに加えてインディーズ時代から歌ってきたライブの定番曲、新たな魅力を発する新曲など全15曲を収録。さらに通常盤のみ、ゴスペラーズ「永遠(とわ)に」や徳永英明「レイニーブルー」、DREAMS COME TRUE「Eyes to me」、中島みゆき「ファイト!」など名曲カバー5曲を収めたボーナスディスクが付属。オリジナル曲やカバー曲を通じて、リトグリのボーカルワークの妙技をたっぷり堪能することができる。

 リアルサウンド初登場となる今回のインタビューでは、グループ結成からメジャーデビュー、そして現在に至るまでの歴史を振り返りつつ、1stアルバム『Colorful Monster』制作秘話や聴きどころ、さらには将来の目標などをたっぷり語ってもらった。(西廣智一)

転機はデビュー前の武者修行ライブ

──Little Glee Monsterはソニー・ミュージックレコーズとワタナベエンターテインメントが主催した「最強歌少女オーディション」の合格者を中心に結成されました。皆さんそれぞれ歌が大好きでオーディションを受けたと思いますが、最初はグループを結成するとは思ってなかったわけですよね?

芹奈:はい。最初はソロ歌手としてデビューしたいという夢があったから正直不安な部分もあったんですけど、まずグループというのが新鮮で。1人だとできないこともできるし、すごく楽しみだなって。これからずっと一緒に頑張っていこうと思うようになりました。

manaka:私は最後に加入したんですけど、そのときに「今日からLittle Glee Monsterでいいんだね?」と聞かれて、思わず「はい」と答えてしまった瞬間はめっちゃ怖かったです。けど本格的に活動しだしてから、メンバー1人ひとりが私のことを助けてくれて「あ、私ここにおってもええんや」と感じたときに、このグループにちゃんと自分を委ねて頑張ろうと強く思いました。

麻珠:私もmanakaと同じ感じで、最初はちょっと不安もありました。レッスンも厳しいし、周りの人がみんな怖く感じられて、毎日が恐怖だったんですよ(笑)。本当に毎日、家に帰ったらずっと泣いてるっていう。

MAYU:確かに怖かった。

麻珠:でもレッスンしていくうちに、この世界は甘くないんだなってことに気付いて。それからはみんなが相談に乗ってくれて、打ち解けていくうちに楽しいなって思うようになりました。

──ちなみに皆さん、人見知りですか?

全員:人見知りです!

芹奈:だから打ち解けるまでに時間がかかったんです。

manaka:たぶんリトグリには集団生活が得意な人がいないと思います。

アサヒ:いないね(笑)。

──でもグループの結束力は、結成時からは考えられないほど強くなってますよね。そこにたどり着くまでには、いろんなターニングポイントがあったと思います。例えば『関ジャニの仕分け∞』(テレビ朝日系のバラエティ番組。現在は放送終了)のカラオケ企画「歌うまキッズ」に芹奈さんやアサヒさんが出演したことで、グループを知ってもらうきっかけにもなったでしょうし。そういった、デビューするまでの間に印象に残っている出来事ってほかにもありますか?

manaka:デビュー前だと、やっぱり武者修行ライブかな。毎週土日にいろんなところに行ってライブをするんですけど、アウェイな場所ばかりで。ときにはアイドルからロックバンドからヴィジュアル系、メタル系までいろんな人たちと一緒になるんですけど、その中で「手拍子お願いしまーす!」ってお客さんに呼びかけてもなかなかやってくれなくて。

芹奈:「誰やこいつ?」みたいにね。

manaka:そういう人たちの前で毎週ライブをしていて、「これに意味があるのか?」と思うこともありました。でも今になってみれば、その経験があるからどこでも歌えるんです。あのときのつらい経験が自分たちのプラスになって、全部前向きに捉えられるようになりました。

MAYU:度胸が付いて、ハートが強くなったよね。

ゆくゆくは「リトグリ」というジャンルを築きたい

──そして2014年10月にシングル『放課後ハイファイブ』でメジャーデビュー。2015年に入ってからは『青春フォトグラフ / Girls be Free!』『人生は一度きり / ガオガオ・オールスター』『好きだ。』とシングルを立て続けに発表して、その都度活動の幅が広がっていきました。それこそドラマに役者として出演することも、今までなら考えられなかったことですし(参考:演技が歌に及ぼす化学反応ーーLittle Glee Monsterが初ドラマ出演で学んだもの)。

manaka:演技なんてしたことなかったし、考えられなかったですね。私たちは『オンナミチ』劇中で新人ガールズボーカルグループ役を演じたんですけど、本当にリトグリと重なる部分も多くて。でもダンスを失敗して芹奈が「すみません!」って謝るシーンでは、本当に面白くなってしまって笑いを堪えながら演技をしてたんですけど、そこで俳優さんがいかにすごいかを学びました。

──ドラマといえば、昨年7〜9月に放送されたTBS系金曜ドラマ『表参道高校合唱部!』の主題歌に、リトグリの「好きだ。」が採用されました。

manaka:ドラマで曲が流れたときは、むっちゃ鳥肌が立ちました。本当にあのドラマでリトグリを知ってくださった方が多くて、ライブの動員もそこから少しずつ伸びていったし。本当に嬉しかったです。

麻珠:お客さんの層も広がったよね。「ガオガオ・オールスター」を歌うと、ちっちゃい子が振り付けを真似して踊ってくれるようになったし。

──リトグリのライブを観ていて面白いと思うのは、同年代の女の子からの支持が強いことで。同性の人たちから好かれるのって結構大変なことだと思うんです。

芹奈:「キャーッ!」っていう黄色い声援が増えていて、確かに嬉しいです。

──皆さん、その理由をどう考えてますか?

全員:えーっ!?(笑)

manaka:たぶん6人とも普通だからですかね……。

麻珠:えっ、そこ?(笑)

manaka:見た目も普通なんで、そういうところが、身近に感じられる要素なのかな。よく同世代の子から「応援したいって思える」と言われることが多いんですけど、夢に向かってる姿……例えば私たちだったら武道館で歌いたい、ワールドツアーをしたいっていう夢に向けて走ってるんですけど、そういう姿を見て「あ、リトグリも頑張ってるから、私もいけるかも? 私も夢、叶えられそう!」と思ってもらえてるのかもしれないですね。

──ちょっと違うかもしれませんが、甲子園で戦ってる高校球児を見て応援したくなるのに似てるんでしょうか。

全員:確かに!

──でもこうやって十代の女の子たちが同年代の子たちから支持されて、同時に上の世代からも愛されて、ちゃんとした実力も兼ね備えている。どこか憧れにも似た気持ちで応援したくなる存在という意味で、リトグリとSPEEDはイメージがすごく似ている気がするんです。

全員:えーっ!?

manaka:そんなこと言ってもらえるなんて……すごく嬉しいです!

アサヒ:ありがとうございます!

──リトグリにはそういう存在になってほしいし、実際その可能性を秘めていると思うんですよ。

manaka:ゆくゆくは「リトグリ」というジャンルを築きたいですね。

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