西廣智一がリトグリの魅力を解説
新星ボーカルグループ・Little Glee Monsterの魅力は“生”にあり 洋楽・歌謡曲に通じる音楽性を読む
「歌うま」ブームの功罪
「歌うま◯◯」なんて言葉をお茶の間でよく耳にするようになってから、どれくらい経っただろうか。7、8年前に『お笑い芸人歌がうまい王座決定戦』(フジテレビ系)という番組で歌のうまいタレントやお笑い芸人が注目を集めるようになり、ここからはつるの剛士やJOY、AMEMIYAなどがそれぞれCDデビューを果たしている。「音楽を主軸に活動していない人が、実は歌がうまかった」という意外性がウケたのかもしれないが(もっとも、つるのはそれ以前から地道な音楽活動を行っていたし、同時期には『クイズ!ヘキサゴンII』から派生したユニット・羞恥心としてCDデビューしているが)、ここ数年その「歌うま」が別の使われ方をされるようになっている。つまり、意外性からの「歌うま」ではなく、本来歌が上手なはずの歌手に向けての「歌うま」なのだ。
『関ジャニの仕分け∞』(テレビ朝日系)や『THEカラオケバトル』(テレビ東京系)といった番組でからは、May J.や城南海といった女性シンガーたちが脚光を浴び(しかもMay J.はタイミングよく、映画『アナと雪の女王』の大ヒットも追い風となった)、さらに外国人がJ-POPを歌う『のどじまん ザ!ワールド』(日本テレビ系)からは紅白歌合戦への出場も果たしたクリス・ハートを輩出。デビュー後の歌手に対して「歌うま」と表現すること自体、「なんだかなあ……」と思わなくもないが、こういった状況はもしかしたら大きな転換期に入る1つのきっかけになるのかもしれない。そう思わせてくれたのが、今回紹介するLittle Glee Monsterという女子中高生6人組ユニットとの出会いだ。
デビュー前から話題の実力派JC&JKユニット
Little Glee Monster、通称リトグリはソニー・ミュージックレコーズとワタナベエンターテインメントが世界に通用する女性ボーカリストグループを輩出することを目指し実施した「最強歌少女オーディション」を経て、2013年に結成。メンバーの中には数々の音楽コンテストで優勝した実力者も多く、芹奈とアサヒに関しては先の『関ジャニの仕分け∞』に“歌うまキッズ”として出演した経歴を持つ。昨年夏には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』や『SUMMER SONIC』といった大型フェスに登場したほか、アメリカのアカペラグループ・ペンタトニックスとイベントで共演するなどして、メジャーデビュー前からコアな音楽ファンからも注目を集めていた。そして同年10月にシングル『放課後ハイファイブ』でメジャーデビュー。作詞をいしわたり淳治が手がけ、作曲に福原美穂が携わった表題曲はオープニングから絶妙なハーモニーとパワフルなフェイクに圧倒され、「これ本当に15歳前後の女の子たちだけで歌ってるの?」と疑いたくなる人もいるかもしれないが、ぜひ生で彼女たちの実力を確かめてみてほしい。その機会がなかなかないという人には、YouTubeにアップされている同曲のMVや数々の映像を今すぐチェックことをお勧めする。