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フォーブス誌「最も稼いだDJ」発表 番付からDJシーンの現在地を読み解く

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 米・フォーブス誌が、毎年恒例の“世界で最も稼いだDJランキング”こと『Electronic Cash Kings』の2015年度版を発表した。

 同ランキングは、過去1年間における興行でのギャランティーや、ブランドとのパートナーシップ、リリース売上を合算した推定額で番付されており、1位にはアルマーニの広告モデルとしても露出の多かったカルヴィン・ハリスがランクイン。ほかにもデヴィッド・ゲッタやティエスト、スクリレックスにスティーヴ・アオキなどが名を連ねている。

2015年版、世界で最も稼いだDJランキング(フォーブス誌)

1位 カルヴィン・ハリス 6600万ドル(約78億円)
2位 デヴィッド・ゲッタ 3700万ドル(約44億円)
3位 ティエスト 3600万ドル(約43億円)
4位 スクリレックス 、スティーヴ・アオキ 2400万ドル(約29億円)
5位 アヴィーチー 1900万ドル(約23億円)
6位 カスケード 1800万ドル(約21億円)
8位 マーティン・ギャリックス & ゼッド 1700万ドル(約20億円)
9位 アフロジャック 1600万ドル(約19億円)
10位 デッドマウス 、ディプロ 1500万ドル(約18億円)

2014年版、世界で最も稼いだDJランキング(フォーブス誌)

1位 カルヴィン・ハリス 6600万ドル(約68億円)
2位 デヴィッド・ゲッタ 3000万ドル(約31億円)
3位 アヴィーチー、ティエスト 2800万ドル(約29億円)
5位 スティーヴ・アオキ 2300万ドル(約24億円)
6位 アフロジャック 2200万ドル(約23億円)
7位 ゼッド 2100万ドル(約22億円)
8位 カスケード 1700万ドル(約18億円)
9位 スクリレックス 1650万ドル(約17億円)
10位 デッドマウス 1600万ドル(約16億円)

 昨年のランキングとの比較から伺える、世界的なDJシーンの潮流とは何か。音楽ジャーナリストの柴那典氏は近年の傾向を“かつてないほどの盛り上がり”としたうえでこう語る。

「現在のDJシーンは、スティーヴ・アオキが『一晩でおにぎり工場を作れるくらい稼ぐ』とインタビューで答えるくらい、多くのギャランティーが彼らに支払われている。これは世界的に音源よりも興行が音楽業界の中心になっていることや、ラスベガスのクラブなどが、スターDJにとてつもない額の報酬を提示していることからもわかります」

 また、柴氏は上位10人のDJにもそれぞれ特徴があるとしたうえで、以下のように分析した。

「2位のデヴィッド・ゲッタはビッグルーム・ハウス、3位のティエストはダッチトランスのシーンでそれぞれ長く生き残っているため、彼らはシーンの衰退に飲みこまれはしないでしょう。カルヴィン・ハリスとゼッド、アヴィーチーの3人は、コライトが当たり前になっているシーンにおいて、単独でアルバムを出せる稀有な存在であり、どちらかというとDJというよりアーティスト的な感性をもっているため、10年後も評価されるタイプだと思います」

 続けて同氏は、その中でも今回新たにランクインしたディプロと、9位から4位へと大幅ランクアップを果たしたスクリレックスにフォーカスを当てる。

「スクリレックスとディプロに関しては、2人のプロジェクトであるJack Üがブレイクしたことがランクアップの大きな要因でしょう。スクリレックスはこれまで数枚のEPを出すにとどまり、2014年に1stアルバム『RECESS』を出すまで随分と時間が掛かったうえ、アルバムはそこまで大きな反響を得られなかった。一方、ディプロはアンダーグラウンドシーンとの強固な繋がりを持ちつつ、レーベル<Mad Decent>を立ち上げるなど、プロデューサーとしての評価が高かった。そんな2人がJack Üとして作品をリリースしたことにより、それぞれがリーチしなかったファンを多数獲得したうえに、輝かしい経歴の2DJがタッグを組んだため、パフォーマーとしてのレベルももちろん高い。今年のランキングは、彼らの躍進に尽きますね」

 最後に、柴氏はこの盛り上がりが収束したのち、次に来るであろう流れをこう予測した。

「今年に入ってからは、EDMシーンの立役者であるレーベル<Ultra Music>が、レゲエポップシンガー・オーミをフックアップしました。彼の歌にトロピカルなハウスアレンジを施した楽曲『Cheerleader』が爆発的にヒットしており、次の潮流だという声も少なくありません。次世代の台頭はすでに始まっているため、今年の『ULTRA MUSIC FESTIVAL』以降、シーンの流れが大きく変わってくることが予想されます」

 DJシーンの潮流を反映した、フォーブス誌のDJランキング。今後の番付に注目しながら、シーンの動向と時代の変革を追いたい。

(文=編集部)

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