どんと他界から15年、ボ・ガンボスが日本の音楽にもたらしたものとは?

 ニューオリンズでボ・ディドリーと対等に渡り合って作られた『BO & GUMBO』をはじめ、彼らの活動は、単に自分たちの存在を世にアピールするだけでなく、バンドブームにより音楽に目覚めた若者たちにボ・ディドリーやネヴィル・ブラザーズ、プロフェッサー・ロングヘアなどルーツ・ミュージックを紹介してくれるものだった。より深く音楽を掘って聴くことの楽しさを教えてくれたのだ。

 そうした傾向は、ルーツ音楽からの影響が希薄になった現在の音楽シーンからはあまり感じることのないものだが、ボ・ガンボスのようにルーツ・ミュージックへの愛情を持ち、オリジナル曲に昇華し、継承していこうとするバンドは確実に現在も存在する。OKAMOTO’Sのようにクラシック・ロックへのリスペクトを感じさせつつ現在進行形のロックを生み出しているバンドもいれば、よりR&B、ブルース、ロックへダイレクトにアプローチしているTHE BAWDIESのような稀有な存在もいる。THE TON-UP MOTORSもルーツ・ロックを日本語のオリジナル楽曲で表現して支持を集めているバンドだ。

 どんとが他界して15年、そして『1989』の発売を契機として、ボ・ガンボスが日本の音楽シーンに運んできたものを改めて見つめ直すと共に、現在活躍するバンドがどのような音楽から影響を受けているのか、ルーツを掘ってみることで新しい音楽との出会いを探してみてはいかがだろうか。

(文=岡本貴之)

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